工場に限らず、事故やケガなく仕事を進めるためには、安全を考慮したルールづくりが欠かせません。
実際の工場では、どのようなルールを設定して作業に取り組んでいるのでしょうか?
ここでは、工場で働く人を守るために定めている安全ルールや安全標語についてご紹介します。
安全を保つことで得られる効果
事故を防ぎ予期せぬケガを防止することはもちろんですが、そのほかにも安全対策を行うことで得られるメリットがあります。
大前提!ケガの防止
ケガや健康被害が起こる可能性がある場所では、作業における安全性を確保するためにいろいろな対策をしています。しっかりと対策をすることで、従業員のケガや健康被害が起こるのを防ぎ、企業も生産性を下げずに済みます。安全性を確保する ことはどちらにとってもメリットであり、大きな意味を持ちます。
集中力、生産性の向上
安全性に気を配ると、作業環境を整理することに繋がります。そうすると集中力や生産性があがるのです。また、機械や道具などの設備を整理整頓するので、作業スペースが広くなります。安全に作業するために、注意点や機械の使い方などをわかりやすく手順化すれば、作業の効率を向上させることができるのです。このようにして安全性と生産性の両方を向上できます。
コスト削減
安全に作業がこなせると、災害や事故などが発生しないので、人の労働時間や機械の稼働時間をムダにしません。事故による機械の故障など、大きな費用の出費を最低限におさえます。安全を守ることで、結果的にはコストを削減することができるのです。
安全に関わる法律がある
多くの危険を伴う工場には、労働者の安全と衛生に関する基準を定めた「労働安全衛生法」が定められています。
この法律では、企業が工場内の安全を守るために行うべきルールが決められています。 企業は従業員の安全と健康を守るために、快適な職場環境をつくったり、安全や衛生に関する講習を従業員に行います。この法律があるので、企業は労働者の健康診断を実施します。
この安全管理を怠ると、工場内で思わぬ事故が発生する可能性があります。もし、そういった災害が起こるとどうなるのでしょうか。企業は国から処分を受け、社会的な信用を失うことになります。そうなってしまえば、企業や従業員どちらも大きな影響が受けます。そういった意味では、企業だけでなく労働者も自分で安全を守ることが大切になります。
工場には安全標語がある
事故を未然に防ぐためには、ルールを定めることのほかに、「安全標語」を設ける対策があります。安全標語とは、従業員の安全意識を高めるために打ち立てるスローガンです。職場や作業工程に慣れると、油断してしまい、ミスや事故に繋がる可能性があります。従業員が自ら「事故を防ごう」といった意識を持つために設定されます。
多くの職場では、毎朝声に出して読み、目につきやすい壁に掲載するなどの工夫をしています。従業員に安全意識が浸透するように、こうした工夫を行います。
この安全標語は運送業界やタクシー業界などの製造業以外にも取り入れられています。実際にある安全標語は、下記のようなものです。・安全は 基本動作の くりかえし・忘れるな 基本動作と危険予知・ゼロ災は 職場みんなの 合言葉・「危ないよ」 その一声が 事故防ぐこのように、五七五の並びでつくられる標語が多く、短く簡潔な言葉でまとめます。
安全対策の一つに、全体のスローガンとして打ち立てる安全標語のほかに、個人のスローガンを決めることもあります。自分の宣言として、「私は◯◯しません」「私は△△します」といった誓約を決めます。持ち運べる手帳や自分のヘルメットに、シールにして貼る場合もあります。これは、他人からも見られることでより意識する効果を狙っています。
みんなで守るべき安全
工場では、事業者も労働者も常に安全を心がけて作業をしています。工場内に限らず、日常生活の中やオフィス内でも、安全に気をつけるべき場所はあります。キッチンのガスコンロや包丁、お風呂場など。家庭では、工場のように、家庭でもモノの整理やキッチンの作業スペースを片付けることで安全を確保することができます。また、職場ではルールの内容を再確認するほか、そのルールを従業員同士で作成することも効果的です。
制作:工場タイムズ編集部