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モノづくりの質を左右する「バリ取り」の仕事って?

2015/07/14公開 / 2023/06/01更新

「バリ取り」という仕事をご存知ですか?実は「バリ取り」は、モノづくりにおいて大切な「仕上げ」に関わるとても重要なパートです。

ここでは、きれいで精度の高い良い製品をつくるために欠かせない「バリ取り」の仕事をご紹介します。

「バリ取り」とは?

そもそも、「バリ」とは何でしょうか?「バリ」というのは、簡単に言うと、金属やプラスチック、ゴムなどを加工するときにできる「出っぱり」、「ギザギザ」、「トゲ」や「ベロ」などのことです。日本語では「かえり」ということがありました。しかし、今では英語が元になった「バリ」という言い方が一般的になっています。このバリを取り除くことを「バリ取り」といいます。

バリには目で見てわかるものと、触ってみないとわからない、小さなものがあります。製品の素材などによって、バリ取りの方法もそれぞれ異なります。

一番イメージしやすいのは、金属のバリかもしれません。五円玉、十円玉などの硬貨を作るときなどにできるバリを「鋳バリ(鋳造バリ)」といいます。硬貨のフチや、五円玉の場合なら中央の穴の周りがギザギザしていたら手を切りそうで危ないです、そのため、バリを取り除く必要があるわけです。金属(プレス・板金・>鋳造等々)の場合は基本的にヤスリなどを使って、バリを取って製品を仕上げていきます。

製品や部品の大きさによって、バリ取りの仕事の方法もさまざまです。自動車や機械といった大型のものから、小さな部品までいろいろな方法があります。

ほかの素材では、プラスチックなど樹脂製品の場合は、専用ナイフでバリを取ることが多いです。例えば、スマートフォンのケースがトゲトゲしていては、使い物になりません。なので、ケースのバリを取り除いていきます。ゴム製品の場合は、特殊なハサミなどで仕上げていきます。

「バリ取り」の必要性って何?

バリ取りをきちんとすることで、製品の「見た目がキレイ」になるだけではなく「安全性の高い」「長持ちする」製品をつくることができます。

バリ取りは、製品を買った人や製品づくりをする人を予期せぬトラブルから防ぐ作業といえます。製品を買った人からすると、バリがなくて安全に使用できた方がいいですよね。また、製品づくりをしている最中に、バリが原因で機械が故障してしまう可能性も減らすことができます。

ほかにも、バリがない製品はより長持ちさせることができます。例えば、バリが残っていない切削(せっさく)工具は、切れ味を保ったまま使うことができるでしょう。切削工具とは、金属を削ったり切ったりするときに使う工具のこと。さらに、電気製品に使われている電気部品の回路。バリはショートの原因になるので、しっかりと取り除くことで、不良品が発生しづらくなります。

多くの製品の生産工程の中で、「バリ取り」は、仕上げに関わるとても重要な位置を占めています。よりよい品質にするためには、欠かすことのできない役割となっています。

どんな人が「バリ取り」の仕事に向いてる?

それでは、どんな人がバリ取り仕事に向いているのでしょうか。

黙々と作業をするのが好き

ここまで見てきたように、「バリ取り」は、製品の質を決める仕上げ工程のエースともいえるポジションです。そのため、責任ある仕事に、黙々と取り組みたいと考えている人に向いています。

細かい作業をしたい人はもちろん、体を動かしたい人にも

「バリ取り」を軽作業とイメージする人も多いでしょう。しかし、車の部品などの大型で重量のある製品を取り扱う場合は、電動やすり、手動やすりを使うこともあります。この場合、力仕事になることもあります。「バリ取り」が必要になる製品は幅が広いです。手先だけを使いたい人から、体を使って大きく働きたい人まで働ける仕事です。

慎重な作業が得意

仕事をしていく上でのポイントも、質や規模により異なります。刃物を使って小さな製品を仕上げていく際は、本体に少しでも傷をつけてしまうと、不良品になってしまいます。指や手をケガしやすいので注意をしましょう。集中して黙々と作業ができる良さがあるといえます。

「バリ取り」はモノづくりの質を左右する重要な仕事

製品の質を高める「バリ取り」は、とても大切な仕事です。「モノづくり」意識の高い日本では、普段クオリティの高いモノに接しています。それが当たり前のように感じられるので、つくる過程に「バリ取り」の仕事の存在があることを意識する機会が少ないのです。社会の「縁の下の力持ち」というべき仕事です。そのため、黙々とがんばりたいと考えている、責任感のある人に向いているでしょう。

制作:工場タイムズ編集部

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