工場の求人でよく目にする「軽作業」という仕事。これにはいくつかの作業が含まれますが、その中の一つに「ピッキング」があります。
多くの求人が出ているので、これから働こうと思っている人やピッキングの仕事についたばかりという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回はそんなピッキング作業を上手にこなすコツをご紹介します。
「ピッキング」ってどんな仕事なの?
「ピッキング」とは、倉庫や物流センターで、伝票や指示書などを見ながら、商品や製品を出荷用に集めていく作業のことです。一般的な「ピッキング」作業は伝票や書類をしっかり読むことができれば問題なくこなせるので、誰でもはじめやすい仕事のひとつです。
ピッキング作業で取り扱う商品の種類はたくさんあります。本やCD、衣料品、日用雑貨から、食品、酒類、生鮮食料品などです。ピッキングするものの違いがそのまま作業の違いになっているといっていいでしょう。酒類や家具などの重いものを取り扱う現場であれば、フォークリフト等の運転免許が必要になることもまれにあります。
効率よくピッキングをするために取扱品の種類や現場ごとに考え出されたピッキングの方法が大きく分けて二種類あります。一つが「摘み取り」、もう一つが「種まき」と呼ばれる方法です。
「摘み取り」のコツは?
「摘み取り」方式とは、出荷先やオーダーごとに、商品やものを集めて梱包して出荷する方法です。リンゴや柿の木から実を摘み取っていくように作業することから「摘み取り」といわれるようになりました。
英語ではSingle Picking(シングルピッキング)、またはOrder Picking(オーダーピッキング)とも呼ばれています。求人欄には「オーダーピッキングの仕事です」などと書かれることもあります。この方式は、スーパーやコンビニで買物をするときに、カゴに欲しいものを入れていくのに似ています。
注文(オーダー)ごとに商品を集めていくのがこの方法のポイントです。数多くの種類を取り扱い、出荷する先がとても多いのに一件あたりの出荷量は少ないことが多い「本やCDの通信販売」など、個人向け通信販売などのピッキング作業で採用されている場合が多いです。
メリットは出荷までのスピードが早く小回りが利くこと。デメリットは作業者が 倉庫内を移動して商品やものを集めるため、時間と移動距離がかかることです。
そのため、作業するときは「伝票を見てピックアップするルートが最短」になるように考えたり、「疲れにくいルート」を考えたり工夫するのがコツ です。自分で靴を選べる場合は、自分の足に合ったサイズのスニーカー などを使用して足が疲れにくいようにするなど、体調管理に気をつけると効率がよくなるでしょう。
「種まき」のコツは?
「種まき」方式は、出荷先ごとに商品やものを集めて梱包して出荷します。同時に複数の注文(オーダー)を扱うのも特徴です。いろいろな種(タネ)を畑に植えていくように仕分けてくのでこう呼ばれます。
コンビニなどの商品入荷シーンで大型冷蔵庫くらいの大きさのカゴのような「商品納品用カート」に、いろいろな商品が載せられているのを見たことがある人もいるかもしれません。それぞれの支店ごとに分けられた専用のカートなどを使って、出荷先ごとに仕分けていく作業が「種まき」方式です。倉庫や配送センターに入荷した商品やものを、支店や出荷先別に分けて配送するときに採用される場合が多い方式です。
メリットは複数のオーダーをまとめて取りにいくため、移動距離が短くなり効率が良くなることです。デメリットは全体の進行状況がわかりづらく、あとから追加の注文が発生したときなどに手間がかかることです。
「種まき」方式で作業するときの基本的なコツは「摘み取り」方式の場合とほとんど同じです。チームで作業することが多いため、「作業の指示内容でわからないことがあれば、その場ですぐに聞いて解決する」「リーダーや先輩に、円滑な作業のコツを聞いてみる」「進行状況を見て、優先順位をつけて作業をする」 ことです。チームワークを発揮して作業していくのが重要なので、「仲間とうまくコミュニケーションをとりながら作業を進める」のがポイントです。
まとめ
ピッキング作業には、大きく「摘み取り」方式と「種まき」方式の二つがあります。それぞれ基本的な業務内容に多少の違いはあるものの、作業のコツは共通している部分が多いです。作業になれるまでは大変だと感じることもあるかもしれませんが、作業のコツに加えて動きやすい服装や体調管理などにも気をつけるとよいでしょう。 体を動かす仕事なので、疲れにくい体作りをしておくのもコツの一つといえます。
制作:工場タイムズ編集部