寒さ対策としては厚着をすることや、ヒーターやストーブを利用するのも有効ですが、仕事柄それらが困難という方も多いことでしょう。例えば工事の現場で働いていて、屋外の作業が中心となる場合にはヒーターやストーブに当たりながら仕事をするのは難しく、また安全面を考えると動きづらくなるほどの厚着をすることも困難です。今回はそんな現場で働く方におすすめの寒さ対策をご紹介します。
防寒対策の必要性
工事現場で働く人向けの防寒対策について考える前に、まずは広い意味での「防寒対策」について考えてみましょう。
スポーツ観戦やバイクで出かけるときなど、冬場は体が冷え込みやすいですよね。気温だけでなく湿度も下がる冬は、実際の気温以上に寒さを感じることも多く、特に気温、湿度の両方が低くなる屋外では寒さを痛感することとなります。
また、体から熱を発散させる働きがある汗をかいたり、風を受けたりするとより寒いと感じることとなります。このことから、冬のスポーツ観戦時やバイクで出かける際により強い寒さを感じたことがある方は多いでしょう。
そのため、「汗による熱の発散を抑え、風を地肌で受けるのを防ぐこと」が防寒対策の基本になります。
特に工事の現場では、入念な防寒対策が必要
工事の現場ではしっかりとした防寒対策が取られていないと、体が冷えた状態では指先が思うように動かなくなったりするため、重大な事故を引き起こしてしまうことも考えられます。また、体が冷えた状態で長時間にわたって作業をすることは、作業員自身の健康にも悪い影響を及ぼすため、作業を効率的に進めるという意味でも防寒対策は必要といえるでしょう。
小物類による防寒対策
それでは、どのようなものを使えば防寒対策として効果的なのか考えてみましょう。まずは防寒対策グッズとしても販売されている小物類を4つ挙げてみました。
手袋
手の冷えは作業効率を落とすだけでなく、事故を招く原因にもなりかねないため、防寒対策は非常に重要となります。工事現場で働く方向けの手袋としては指先にすべり止めがついたタイプのものや、薄手の生地でつくられているため素手で物をつかんでいる感覚が残るタイプのものなどがおすすめです。また、手袋をつけた状態だと作業ができない場合は、指先だけが出るタイプの手袋を使うのもよいでしょう。
カイロ
カイロは防寒対策の基本といえます。特に工事現場で働く方ならば、服の内側に貼れるタイプのものを何枚か使うのもよいでしょう。ただし、カイロの中には肌に直接触れる状態で使うのを推奨していないものもあるため注意が必要です。
また、最近では靴の中に入れることができるインナー型のカイロも登場しているため、足の冷えが気になるという方は使ってみるとよいでしょう。
ネックウォーマー
首元から服の中に冷たい空気が入ってくると体温は急激に下がってしまいます。しかし、それを防ぐためにマフラーを着用しながら作業するのが難しいこともあるでしょう。そこでネックウォーマーが役立ちます。ネックウォーマーは首元から冷たい空気が入るのを防ぐことができるだけでなく、マフラーのように何かに巻き込まれる危険性や取れやすくもないため、現場で働く方の防寒対策として最適といえます。
また、ネックウォーマーの中には保温性の優れたものや、汗が付着することで発熱する素材が使われているものなどもあり、一般的なネックウォーマーではあまり温かくならないという方は試してみるのがよいでしょう。
フェイスマスク
顔にあたる風も体温を下げる原因となります。よって、防寒対策では顔を温める手段も考えるべきでしょう。フェイスマスクは顔全体をカバーできるだけでなく、口や目の部分には穴が開いているため作業がしづらくなることもないでしょう。また、一般的な厚手の生地が使われたフェイスマスクだと作業がしづらいという場合は、スポーツ用品店などで販売されている薄手の生地でつくられたものを試してみるのもおすすめです。
インナーによる防寒対策
防寒対策ではインナー選びも重要となります。続いては防寒対策として高い効果が期待できるインナーを見ていきましょう。
機能性インナー
各社が販売している機能性インナーは一般的な長袖のTシャツとは違い、保温性や保湿性に優れた素材が使われているという特徴があります。このことから汗冷えなどをする心配も少なく、体を動かす仕事でも長時間にわたって快適な状態を維持することができます。
靴下
建設現場では薄手の足袋などを履かなければならないため、どうしても足元が冷えてしまうという方は多いようです。靴下は厚手のものをはくだけでなく、重ね履きをすることでも高い保温効果が得られるため防寒対策としても効果的です。また、機能性インナーでも使われている保温性や保湿性が優れた特殊な素材でできた靴下もあることから、それらを試してみるのもよいでしょう。
レッグウォーマー
レッグウォーマーというと女性の部屋着というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、最近では足首まですっぽりと覆うことができる男性向けのレッグウォーマーも登場しており、作業着の下に着用すれば高い防寒効果が得られるでしょう。
腹巻
お腹の冷えは体調を崩す原因にもなるため、特に注意しなければなりません。腹巻には少し古いイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、機能性は抜群であることから防寒対策として着用するのをおすすめします。また、腹巻の中にカイロを入れるのもよいでしょう。
タイツ
タイツは女性が履くものというイメージが強いため、男性の中にはたとえ防寒効果があっても履くのに抵抗を感じるという方は多いかもしれません。しかし、最近ではランニングウェアなどとしても男性向けのタイツの人気があることから、男性が履いても決しておかしくはありません。また、作業着の下にタイツを履いてしまえば外からは見えないため、周りの目を気にする必要もないでしょう。
現場での防寒対策におすすめのアウター・電熱服とは?
特に寒さが厳しい現場では、これまで紹介した防寒対策を行っても温かくならないということがあるかも知れません。そのような方には「電熱服」がおすすめです。
電熱服とはヒーター機能が付いた防寒着
電熱服とは簡単にいってしまうとヒーター機能が付いた防寒着のことです。このヒーター機能はリチウムイオンバッテリーや車載バッテリーによって動くようになっていることから、その発熱効果は機能性インナーよりも、はるかに高くなっています。
ベスト、ジャケット、ビジネス用コートなどが販売されている
電熱服はアウターとして販売されているものがほとんどとなっており、工事現場では作業着の上に着用することが多くなると考えられます。具体的にはベスト、ジャケット、ビジネス用コートなどのような見た目をしたものが多く、見た目だけで電熱服だと分かることは少ないでしょう。
現場で働く方におすすめの電熱服
工事現場で働く方にとっては車載バッテリーで稼働するタイプの電熱服では不都合が多いと考えられます。よって、以下の商品のようなリチウムイオンバッテリーで稼働するタイプの電熱服であれば、不便に感じることもなく作業に集中できるでしょう。
また、こちらの商品は一般的な作業着と大きな違いのないシンプルなデザインも特徴となっており、作業着の中に着る形で利用するのもおすすめです。
工事現場での防寒対策では動きやすさも重要
有効な防寒対策はシチュエーションによって異なることから、自身の場合に置き換えて考えることも重要となります。工事現場の場合、機能性だけでなく動きやすさも重視しなければならないことから、スポーツ用品店でも販売されているネックウォーマーやスポーツ向けのタイツ、動きやすい素材が使われた電熱服は防寒対策としても突出して適しているといえるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部