建築の仕事にはいろいろな職種がありますが、その中の一つに「内装工」があります。
内装工は、建物の最終的な仕上がりを決める大切な仕事です。機能面だけでなく見た目にも美しい室内の空間は、内装工が自分のセンスを活かしながらつくり出したものです。
今回は、内装工の仕事内容や資格についてご紹介します。
内装工とは? お仕事の内容を紹介!
内装工は文字通り、建築物をつくるときに内装を手掛ける仕事です。内装工が行う作業は建築施工の最後のほうに行われるため、内装工の技術の良し悪しが、建物の完成度を左右するとも言えます。住宅はもちろん、学校やオフィス、商業施設、飲食店などいろいろな場所で、床のタイルや天井、壁紙などの内装を手掛けています。内装工の仕事は手作業で行う場合がほとんどです。たとえば公共施設などの広い場所であっても、継ぎ目が見えないように美しくタイルやシートを貼るといった仕事を行います。
内装工は、クロスの貼り付けや軽量鉄骨(LGS)の施工、床や天井、塗装などの内装全般を担当します。和室の障子の紙を貼ったり、窓にブラインドを取り付けたりすることも、内装工の仕事です。材料はメーカーによって違うことが多い上、内装工の中でそれぞれの専門領域が分かれています。たとえば、軽量鉄骨などから二重天井の下地や、壁に使用する下地をつくる「鋼製下地組立工」、木製や鋼製の下地に石膏ボードや合版などを貼る「ボード張り工」、壁紙を天井や壁などの下地に貼る「壁装工」、床に基準線を引き、床のシート張りやカーペットなどを敷く「床仕上工」などがあります。最近では、一人の内装工が複数の工程をこなす「多能工」も登場しています。内装工は、内装工事会社で働く以外に、経験を積んで独立したり、自分で内装工事会社を立ち上げる人もいます。
内装仕上げ施工技能士とは?
内装工としてキャリアアップしたい人にピッタリなのが「内装仕上げ施工技能士」という国家資格です。試験は「床仕上げ工事作業」「鋼製下地工事作業」「ボード仕上げ工事作業」「カーテン工事作業」に分かれています。等級はそれぞれ1級、2級、3級があります。受験資格は、1級が7年以上の実務経験か、2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験。2級は実務経験2年以上か、3級合格者。3級は特に受験資格はありません。この資格を取得すると、内装工としての技術がある証明として、会社や取引先からの評価を得やすくなります。特に現場では存在価値を示すことができるでしょう。
内装工を目指すには?
最後に、内装工になるための方法についてお伝えします。
内装工の魅力
内装工の魅力は、人々の住環境に対して自分の美的感覚やセンスを活かして影響を与えられることです。資格がなくても未経験から仕事をスタートでき、現場で実務経験を積んでいけることも魅力の一つと言えます。会社の中には、資格取得支援を行っているところがあるので、働きながら内装仕上げ施工技能士の資格の取得を目指すこともできます。職業訓練校などで技術を学ぶことも可能ですが、内装工事の会社にアルバイトとして入社し、そこで働きながら技術を習得し成長していけます。
内装工に向いている人
未経験からはじめられ、少しずつ経験を積んでキャリアアップできる仕事なので、経験の有無より継続して働く意思のある人が向いていると言えます。また、上でも触れたように、室内の空間を美しく、機能的に仕上げるために自分の美的感覚やセンス、空間判断力を活かすことができる仕事です。そのため、デザインやインテリアなどに興味がある人にも向いています。また、仕事には納期があり、限られた時間内でスピーディーに作業を行うので、一つのことをコツコツと根気強くできる人なら、なお良いでしょう。また、身体を動かす仕事なので、体力に自信がある人にも向いています。
建物の住み心地や使い心地を左右する内装工の仕事
内装工は、建物の住み心地や使い心地を決める大切な仕事です。どんなに外観が立派な建物でも、内装に問題があっては、魅力は台なしですし、使いにくさや暮らしにくさを感じることでしょう。内装工の仕事は、生活に欠かせない住まいに携わり、人々に快適な空間を提供するやりがいのある仕事です。ネット上には、内装工の仕事を紹介した動画サイトがたくさんアップされています。興味のある人はチェックしてみてはどうでしょうか?
制作:工場タイムズ編集部