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精米工場でおいしい白米に! 日本人の主食「お米」はどう作られる?

2017/01/15公開 / 2023/06/01更新

昔から日本人の食卓に欠かせない主食として食べられ続けてきた「お米」。

最近では海外でもお寿司や丼物などの日本食がブームになり、外国人にも白米が食べられる機会が増えました。稲刈りされたお米は精米工場で玄米から白米になります。

今回は、精米工場で白米が作られるまでの工程を中心に、米作りについてご紹介します。

日本の米作りはどう変化してきたの?

日本の米作りはどのようにはじまり、どう変化してきたのでしょうか?精米工場の話の前に、まずはお米の栽培の歴史と米作りの流れについてお伝えします。

米作りの歴史

日本の米作りは、今から約3000年以上前の縄文時代からはじまりました。中国から日本の九州地方へ伝来されたといわれる稲作技術は、縄文時代から弥生時代にかけて日本全国へ拡大していきました。九州地方から東へ伝わっていった米作りが、すでに弥生時代には青森県まで伝わっていたことを示す遺跡も見つかっています。米作りの歴史は古いのですが、昔と今の米作りでは少し違いがあります。たとえば、種まき作業において、昔は直接田んぼに種をまいていましたが、現代では種を発芽させて苗に育ててから田んぼに植えています。収穫についても違いがあります。昔は実った稲穂の部分だけ刈り取っていたのに対し、現代では稲を根元から刈り取っています。

お米ができるまでの流れ

現代の米作りはどのように行われているのでしょうか?お米ができるまでの流れを工程別にご紹介します。

4月:筋まき

米作りの最初の作業は、筋まきといってお米の種を土にまくことです。これは、田植えに使う苗を育てるための種まき作業になります。種まきが完了した苗箱は専用のハウスへ運び、1カ月ほど日差しに当てて育てます。

5月:田んぼに肥料をまく

お米に栄養を与えるために田んぼに肥料をまきます。化学肥料を使わない農家では、前年のお米のもみ殻などを肥料として使います。そして、まいた肥料を田んぼになじませるため、田んぼを耕します。

5月下旬~6月ごろ:田植え

育てた苗を田んぼに植えます。

6月下旬~7月ごろ:田んぼの水管理

稲の間に2~3mおきに溝をつけていきます。深さ15cmくらいの溝をつけることで、稲が水分や栄養分を吸収しやすくなります。

9月下旬~10月ごろ:稲刈り

実った稲を刈り、いよいよ収穫となります。

精米って何?おいしいお米ができるまで

精米とは玄米を白米にすることです。収穫されたお米が精米工場で精米される工程について説明します。

もみすり

収穫された稲には、もみと呼ばれる黄色い殻がついています。この殻を取り除く作業がもみすりです。もみすりをすることによって、玄米が出来上がります。

ふるい

網の目がついたふるいにかけて、大きな石やゴミなどを取り除きます。

計量

ふるいにかけた後の玄米を計量し、一定量ずつ米袋に詰めます。

保管

袋詰めした玄米を15度以下の温度の貯蔵庫で保管します。一定の温度で保管することで、お米が焼けるのを防いで品質を保ちます。

精米機

保管していた玄米を精米機に挿入し、ぬかを取り除きます。この作業により、玄米が白米に変わります。

石抜き機

石抜き機を使って細かい石を取り除きます。

色彩選別機

黒や茶色っぽく着色した粒を選別します。この作業で斑点粒や焼け米、未熟米、虫食い米などを取り除き、白いお米だけを残します。

細米選別機

砕けてしまった米や、規格より小さなお米を取り除き、形のきれいなお米だけを残します。

出荷

これまでの工程で選別されたお米を計量・袋詰めし、出荷します。

お米を健康的においしく食べるには?

最後に、お米の栄養素やおいしい食べ方についてご紹介します。

お米に含まれる栄養素

お米は、パンや麺類などのほかの炭水化物食品とは違って塩分を含んでいないのが特徴です。脂質も比較的少ないため、低カロリーでヘルシーな食品です。お米のでんぷんは消化によく、長時間エネルギーが持続するので、脳の働きを活性化するのに役立ちます。また、タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素もバランスよく含んでいます。

ごはんのおいしい炊き方、食べ方

お米は吸水性が高く、水に触れると匂いを吸収しやすくなります。お米を洗うときは、ぬかの匂いを吸収してしまわないように、最初に入れた水はすぐに捨てましょう。炊き上がったごはんは、すぐにしゃもじでほぐして空気を含ませるとおいしくなります。ごはんに合うおかずの献立といえば、昔から言われている一汁三菜です。汁物1品、主菜1品、副菜2品といった伝統的な献立は、魚や野菜中心のおかずなので、栄養バランスがよくごはんとの相性もぴったりです。

「食べる」以外のお米の用途

お米はそのまま食べるだけでなく、日本酒の原料としても使われます。日本酒に使われるお米は、食用に比べて大粒でタンパク質が少ないという特徴があります。日本酒はお米が原料というだけあって、日本食にもよく合います。

日本の食卓を支える精米工場

一般の家庭で購入するお米は、精米工場で精米された白米が一般的です。一方、街角に設置されたコイン精米機で精米する人や、家庭用精米機を使って精米する人もいます。精米したてのお米の味は格別です。近年は日本の食事も多様化し、和食以外にも洋食や中華料理、イタリアン、フレンチなど食べ物の選択肢が増えましたが、これからもおいしくてヘルシーなお米が長寿の国・日本を支えていくことでしょう。今度、コイン精米機が設置されているのを見掛けたら、一度利用してみてはどうですか?さらに精米に興味が湧いてくるかもしれませんよ。

制作:工場タイムズ編集部

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