年末が近づくと日本郵便が募集する年賀状の仕分けバイト。あれも「仕分け」の仕事の一種です。
ほかには「お中元・お歳暮」「宅配便」をはじめ、コンビニに並ぶお弁当なども、仕分けという作業工程を経て、私たち消費者のもとに届けられています。
今回は、商品が適切に流通するために欠かすことのできない仕分けという仕事についてご紹介します。
どう違うの? 倉庫内で行う「仕分け」とは?
知っているようで、意外と知らない「仕分け」の仕事。その内容について説明します。
仕分けとは?
仕分けとは、工場や運送会社の倉庫で、集められた荷物や製品を用途や住所などの指定に従って分類していく作業のことです。仕分けは、検品作業やピッキング作業と同じく、軽作業の一つに数えられます。倉庫作業というと、重い荷物の受け渡しをする力仕事を想像する人がいるかもしれませんが、年齢は20代から60代まで幅広く、女性も活躍しています。
特別なスキルがなくてもできるので、未経験から気軽にはじめられます。ライン作業ではないので、自分のペースで働くことができます。さらに、もしフォークリフトの免許や普通自動車運転免許を持っている場合は、重い荷物を運ぶことができる分、高い時給額で働ける可能性が高まります。
仕分けで扱うモノ
仕分け作業で扱うモノはバラエティに富んでいます。たとえば、運送会社での仕分けなら引っ越しや宅配物など大きさや重さの違うモノを住所に従って仕分けます。アパレル会社の仕分けなら、店頭に並ぶ前の商品やオンラインショップで販売している商品を扱います。ほかには生活雑貨や書籍、季節によってはバレンタインデーやお歳暮などのギフトを仕分けることもあります。
また、現場によっては仕分けだけでなく、ピッキング作業や梱包(こんぽう)作業、ラベル貼りなどを合わせて行うことがあります。倉庫内での仕分け作業では、荷物、製品の運搬にトラブルが生じないよう、素早く正確に進めることが大切です。
ベルトコンベアでの仕分けは何をするの?
食品や医薬品、化粧品などの分野では、より効率的な仕分け作業を行うために、ベルトコンベアやロボットアームといった機器が導入されているところがあります。
ベルトコンベアは、人手を使わずに重いモノや大量のモノを運ぶことができます。ロボットアームは、機種によって性能が違うものの、形や色、重量などを識別し、高速でモノを仕分けることができるので大幅な時間の削減につながります。
このようなベルトコンベアやロボットアームを使う現場で人が行う作業は、検品作業に似ています。たとえば、食品工場ではベルトコンベアに流れてくる果物や野菜のうち、鮮度や形の悪いモノ、傷のついたモノを目視で取り除いていく仕分け作業があります。同じようにロボットアームの場合は、仕分けられたモノの中に不良品が混じっていないかを人の目で確認します。
仕分けのお仕事のメリットとは?
軽作業と聞くと流れ作業をイメージしますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
物流の仕組みを間近で体験
仕分けの仕事は、普段なかなか関わることのできない、物流の一端を担える点が魅力です。製品や荷物がどのように消費者へ届くのか、物流の仕組みを肌で感じることができます。仕事をしていく中で、どんな製品が今売れているのか、逆に返品が多い商品は何かといったことを知ることができます。世に出る前の製品を誰よりも早く見ることができる点も、この仕事の魅力でしょう。
テキパキこなし確実に仕事をこなせる
仕分けの仕事は、一定の作業をミスがないように気をつけながらコツコツとこなしていくことになるため、集中力が自然に身につきます。さらに、テキパキと仕事をこなせば、毎日確実に作業を終えることができるので、「今日も目標をクリアできた」という達成感が得られます。こうした経験は、これからどんな仕事をするときにも役に立つでしょう。
重要性を増す「仕分け」の仕事
仕分けの仕事は、いわば物流の整理整頓役。ネット通販を利用する人が多くなり、たくさんのモノが日々全国を行き交う時代にあって、仕分け作業の役割はますます重要性が高まっています。コツコツ仕事をするのが好きな人、ていねいな作業に自信がある人はもちろん、物流の裏側に興味がある人にもオススメの仕事です。自分のスケジュールに合わせ、自分のペースで働くことができるので、空き時間を有効活用したい人にも向いているでしょう。
制作:工場タイムズ編集部