皆さんの中にバイク(オートバイ)に乗っている人はいますか?
バイクには、通勤・通学など主に生活の足として利用するタイプや、オフロードバイクに代表されるスポーツ性を重視したタイプなどいろいろな種類があります。なかには「自動車よりもバイクが好き」「ツーリングが趣味で、週末はバイクで遠出する」という人もいるのではないでしょうか?
そのバイクをライダーの人たちが安全に乗ることができるように点検し、故障があれば整備したり修理をするのが「二輪自動車整備士」です。バイク好きの人にはピッタリの仕事です。
今回は、二輪自動車整備士についてご紹介します。
二輪自動車整備士の仕事とは?
まず、二輪自動車整備士の主な仕事内容について説明します。二輪自動車整備士は、バイクなどの二輪自動車を点検し、必要に応じて故障箇所の整備や修理を行う仕事です。バイクといっても50ccのスクーターのような小型から1000ccを超える大型まであります。こうしたいろいろな種類のバイクについて、それぞれステアリングやブレーキの調整、チューニング(性能を回復させたり高めること)を行い、バイクに安全に乗ることができるように整備します。主な職場は、自動車の修理工場やバイクショップ、ガソリンスタンドです。また、店舗によっては、バイクの販売や買い取り、査定なども二輪自動車整備士が担当します。
バイクに強いこだわりと愛着を持ったお客さんと直接コミュニケーションを取る機会もあるので、バイクに対する知識や技術だけでなく、社会人としてのマナーも大切です。最新の技術や流行などを常に意識して取り入れていくと、バイク好きなお客さんの信頼を勝ち取ることができるでしょう。仕事をしている間はずっとバイクのことを考え、バイクに触れる職場なので、バイク好きの人にはとてもやりがいがあるでしょう。
ちなみに「オートバイ」という言葉は和製英語です。英語で「バイク」は間違いではありませんが、どちらかというと自転車を指す言葉です。英語では「motorcycle(モーターサイクル)」という単語がよく使われます。
二輪自動車整備士になるためには?
次に、二輪自動車整備士になる方法について紹介します。二輪自動車整備士は国家資格で、試験に合格すると名乗ることができます。資格は1級から3級に分かれていて、それぞれ学科試験と実技試験があります。
試験は、自動車整備士養成系の専門学校を修了してから受験するのが一般的です。ほかには、大学や高校の機械科を卒業している人なら半年以上の実務経験があると3級を受験できます。高校の自動車科に在籍している人は、卒業と同時に3級の受験資格が得られます。自動車科や機械科を卒業していない人でも、1年以上の実務経験のある人は3級の試験を受けることができます。
筆記試験の内容は3級が「構造、機能及び取扱い法に関する知識」「点検、修理及び調整に関する知識」「整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する知識」「材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する知識」「保安基準その他の自動車の整備に関する法規」の5科目。
2級以上になると、それぞれの問題が高度になる上、「図面に関する知識」や「整備用機械に関する知識」が加わります。実技試験の内容は、「基本工作」「分解、組立て、点検及び調整」「修理」「整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い」の4科目です。級が上がるごとに難度も上がります。
二輪自動車整備士の資格について
二輪自動車整備士の資格は1~3級に分かれていることは、すでにお伝えしました。実際には3級だけでは初歩的な整備を担当するだけなので、2級の取得を目指しましょう。2級を取得するとバイク整備に関する知識と技術がひと通り身につきます。そのため、2級取得後、自動車整備工場やバイクメーカー、バイクショップなどに就職して整備士として活躍するというパターンが一般的です。
1級については、制度自体はありますが、試験は行われていません。バイク好きの人なら、大型バイク、なかでもハーレーダビッドソンにあこがれる人がいるのではないでしょうか?自動車整備学校の中には「ハーレーダビッドソン専科」という学科を設けているところもあります。一時は「バイク人口の減少」が指摘されてきましたが、40代、50代の男性を中心にバイク人気が復活してきて、「第3次バイクブーム」と言われています。なかでも中高年の男性には、ハーレーのような大型バイクが好まれると言われます。
根強いバイクファンはいつの時代も一定数必ずいます。そういう点を考えると、二輪自動車整備士の資格は将来性も十分と言えるでしょう。
趣味を仕事にできるのが二輪自動車整備士の魅力
バイクが大好きで、日頃からバイクをいじっている時間を幸せに感じる人にとっては、二輪自動車整備士の仕事は、まさに天職と言えるでしょう。仕事を通して、バイクの最新情報や技術を習得したり、めったにお目にかかれない珍しいバイクの整備を担当する機会もあります。職場には同じようにバイクをこよなく愛する先輩や同僚がいて、バイクにこだわりや愛情を持ったお客さんを相手にするため、バイク漬けの毎日です。つまり、趣味をそのまま仕事にできる、魅力的でやりがいの多い仕事なのです。興味のある人は、「一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会」のWebサイトなどで、さらに詳しい情報を調べてみてはどうですか?
制作:工場タイムズ編集部