生産管理の仕事は、納期やコスト、品質などが計画どおりにできているかをチェックすることです。
まさに工場の舵取り役ともいうべきこの仕事。今回は生産管理の仕事に必要な資格についてご紹介します。
生産管理の資格とは?
生産管理とは、製品の生産が計画どおりに行われているかを管理することです。計画が遅れているようなら改善するよう担当者に指示を出します。工場だけではなく、資材の購入から製品の開発まで、生産にかかわるすべての管理を幅広い知識にもとづいて行います。
生産管理オペレーション
生産管理オペレーションの試験範囲は大きく8つに分けられます。作業の流れや工場内の設備をチェックする「作業・工程・設備管理」、生産をストップさせないための「資材・在庫管理」、部品や原材料を必要な部署に運ぶ「運搬・物流管理」、品質を維持する「品質管理」などがあります。そのほかにも「原価管理」、「納期管理」、「安全衛生管理」、「環境管理」が挙げられます。
生産管理プランニング
生産管理プランニングの試験範囲は大きく6つです。生産ラインに関する流れを総合的に管理する「生産システム・生産計画」のほか、「品質管理」、「原価管理」、「納期管理」、「安全衛生管理」、「環境管理」です。
両者の違いとは?
生産システムを実際の運用面で支える「生産管理オペレーション」に対し、「生産プランニング」は設計や計画の段階に焦点を当てています。生産管理部門は両者によって成り立っているので、両方の資格を習得することで生産管理のプロフェッショナルとして活躍できます。
生産管理の資格を取得するメリットとは?
生産管理オペレーションと生産管理プランニングには、3級と2級があります。それぞれのレベルをいつ取得すればいいのでしょうか。
初級者レベル ★☆☆ 3級の取得
3級は基礎知識を身につけることが目的です。まったく知識のない人が幅広い専門知識を身につけることで、上司の指示を正しく理解して作業を進めることができます。これによって担当した仕事を的確に行うことができるようになるでしょう。初心者だけでなくリーダークラスまで対象にしています。
中級者レベル ★★☆ 2級の取得
これまでに学んだ知識を生かし、チームをまとめて業務を行う能力を身につけることが目的です。自分だけが理解するのではなく、部下の教育にも役に立つでしょう。生産管理を担う課長やマネージャー・シニアのベテランクラスまでが対象のため、キャリアアップを目指す人には強力な武器となります。
資格を取るには?
資格を取得するには、どこに申し込みをして、どこで試験を受けるのでしょうか。「生産管理オペレーション3級」と「生産管理プランニング3級」を例に、日程や費用などの概要をご紹介します。
申し込み方法・受験会場・費用
申し込みはインターネットや郵便払込票、または企業による一括申請が可能です。3級であれば受験費用は約6000円。全国の都道府県に設けられた試験会場で受験ができます。
試験概要・合格率
試験は4つの選択肢から正しい答えを選ぶ形式です。40問出題され100点満点です。大体6割以上の正解が合格の基準です。試験時間は110分。合格率は5~6割程度です。
受験者の内訳
20代・30代・40代がそれぞれ3割ずつを占めています。業種別に見ると、3割強は製造業で働いている人ですが、情報通信業や運送業など幅広い業種から受験者が集まっています。
過去の問題と勉強方法
過去の問題では、正誤問題や正しい専門用語の当てはめ、必要とされる動作や生産形態の名前を選択する問題などが出題されています。この試験で問われるのは、生産の基礎構造から作業の改善方法、納期などのスケジュール管理、棚卸し作業の行い方、設備劣化の防ぎ方など、生産管理をいろんな角度からとらえることができる能力です。受講期間が4カ月間で料金2万円程度の資格講座などもあり、勉強方法が不安な人は活用するといいでしょう。
強力な武器になる生産管理の資格
生産管理を基礎から学び、現場でスキルを磨きながらチームを引っ張っていける資格が「生産管理オペレーション」と「生産管理プランニング」です。毎日の仕事はもちろん、会社からの信頼獲得やキャリアアップに役立てることができます。すでに職種に就いている人は知識の確認として受験してみてはいかがでしょうか?
制作:工場タイムズ編集部