TOP > 技術 > クール素材をフル活用して暑さを乗り切ろう!

クール素材をフル活用して暑さを乗り切ろう!

2022/07/07公開 / 2023/06/21更新

地球温暖化の影響で、猛暑から酷暑に年々変化しています。コロナ禍でマスク生活になったことも影響して、熱中症で救急搬送される人も増えています。そんな酷暑を涼しく過ごすために活躍しているのが「クール素材」。工場での仕事は、暑い場所での作業もあるので、クール素材は強い味方です。また、熱帯夜で寝苦しい日が続くと、睡眠不足になって仕事にも支障がでますよね。ここでは、暑い夏を乗り切るためのクール素材・グッズについて紹介します。

なぜ涼しく感じるのか?

クール素材は、なぜ涼しく感じるのか不思議ですよね。実際、その生地自体が冷たいわけではなく、あくまでも冷たく感じる性質があるというだけです。

冷たく感じる理由は、自分の熱が触れた生地に移動するためです。熱は、温度の高い方から低い方に移動する性質があります。レーヨンキュプラなど熱伝導率が高い素材は、熱をたくさん奪ってくれるため、冷たく感じるというわけです。

また、接触冷感素材が使われた製品には、「吸汗速乾」「吸水速乾」と書いてあるものもありますよね。これは、汗を早く吸収・乾燥する性質があり、べたつき感が軽減されるので、快適で涼しく感じるのです。

接触冷感素材あれこれ

クール素材は、触ると冷たく感じる生地のことで、「接触冷感素材」ともいいます。使われている素材は、化学繊維だとレーヨンキュプラがほとんど。この2つの素材がクール素材として使われるのは、以下のような接触冷感に優れた性質を持っているからです。

・繊維中に多くの水分を含む
・熱伝導率・熱拡散率が高い
・触れたときに少し硬く感じる

代表的なクール素材

●東洋紡の「アイスマックス®」

熱伝導率が高い特徴を持った繊維「イザナス®」の特徴を生かし、夏用寝装素材として開発された生地が「アイスマックス®」です。優れた熱伝導率と熱拡散率が体温の上昇を抑えるため、高い接触冷感性を得ることができ、敷きパッドピロパッドなどの寝装のほか、ハンカチネッククーラーなどにも使われています。

●クラレトレーディング「ソフィスタ®」

綿や麻のように水とのなじみがよい性質をもっていて、合成繊維でありながら、天然繊維の機能を併せ持つ繊維といわれています。さらに、天然繊維よりも速乾性が優れており、水分に素早くなじみ、拡散して乾燥させることができます。冷感商品としてシャツの販売から始まり、今では衣料全般へ用途が広がっています。

●東レ「クールイン®f」

吸放湿性と接触冷感性にすぐれた特殊なナイロン素材です。高い吸放湿性で肌の水蒸気を吸い取り、吸収した水分を放出します。ムレ感やベトつき感をすばやく低減してくれるので、衣類・スポーツウェアなどの裏地や、夏の夜を快適にする素材として、枕カバー敷きパッドなどに使われています。

●ユニチカトレーディング「打ち水」

ポリエステル長繊維使いの織・編物で、肌側の水分拡散層が汗を素早く吸収し、生地の表面で気化促進繊維が蒸発を加速することで、衣類内の温度を2〜3℃下げる効果があります。速乾性にも優れるため、運動後の汗冷えを防止する効果もあり、スポーツウェアなどを中心に根強い人気がある素材です。

触るとヒンヤリ感じる接触冷感素材は夏には欠かせないアイテムに!

繊維工場でのお仕事

年々気温が上昇している現代において、より快適に過ごすための「クール素材」は欠かせない存在となっており、多くの繊維メーカーが競ってさまざまな繊維の開発を行っています。そんな繊維を製造している工場では、どんな作業があるのでしょうか?

繊維製品の加工・製造

工場によって作業は異なりますが、織物や生地などを生産する工場では、織機に糸をセットする作業や、織られた繊維を染色する作業などがあります。

繊維の検品・検査

わたしたちの身の回りには、衣類をはじめ、繊維を使った製品がたくさん溢れていますが、その製品を世の中に流通させるためには、品質や性能などがきちんと規格を満たしているかを検品・検査する必要があります。出荷する前に、破損はないか、品番や数量などが間違っていないかなどチェックしていきます。

出荷に関わる作業

検品・検査が終わったら、次は出荷の準備です。出荷に関わる作業には「仕分け」「ピッキング」「梱包」などがあります。製造された製品を送り先や用途によって分類していく作業が「仕分け」、仕分けされた製品を指示通りに取り出したり、運び足したりする作業を「ピッキング」、最後、段ボールや緩衝材を使って商品を荷造りする作業に「梱包」があります。

 

クール素材やクールグッズを活用して暑さを乗り切ろう!

冷暖房完備」の工場が増えていますが、製造業や建設業など、業務によっては暑い場所で作業しなくてはならないケースもありますよね…。そんな人には、クール素材の衣類を着用するほかに、冷却ベストネッククーラーファン付き作業服などを活用すると、より快適に過ごすことができるのではないでしょうか。日々、進化するクール素材やクールグッズ。家でも、職場でもうまく活用して暑さを乗り切りましょう!

ファン付きの作業服は仕事用としてだけではなく、最近ではプライベートで着用している人も!

制作:工場タイムズ編集部

NEW

  • メタリック塗装の“影の主役”アルミペーストの製造とは?
  • 失敗しない転職がしたい!若手が押さえるべきポイントはどこ?
  • 社員の個性が店をつくる!トレジャーファクトリーの魅力と自由な企業文化を紹介!
  • 「地味だけど超重要!」原料調合・成形業務のリアルとやりがいとは?
  • 未経験からの転職は「準備」で決まる!今すぐできる6つの行動リスト
あわせて読みたい
  • ポリッシャーとは?半導体製造工場の要がわかる基本ガイド
    • #ものづくり
    • #作り方・工程・仕組み
    • #半導体・IC
  • グラインダーとは?半導体製造の重要ツールを知ろう!
    • #ものづくり
    • #作り方・工程・仕組み
    • #半導体・IC
  • 半導体ウェーハとは?スマホとクルマを支える技術を知る3つのポイント!
    • #ものづくり
    • #半導体・IC
    • #製造業の知識
  • フォトソリグラフィとは?スマホとクルマを支える技術を知る3つのポイント!
    • #作り方・工程・仕組み
    • #半導体・IC
  • 1 / 10
PICKUP
  • 特定化学物質作業主任者
    特定化学物質作業主任者とは? 資格や仕事内容をもっと知りたい!
  • ロウ付け
    ろう付けとは? はんだ付けとの違い、必要な道具、手順、役立つ資格
  • フォークリフト 種類
    フォークリフトの種類とは? それぞれの特徴と運転に必要な資格を解説
    • #フォークリフト
  • 求人 電話
    求人に応募する際の電話のかけ方とは? 必要な準備と大切なマナー
    • #就職・転職・キャリア
  • 1 / 10

NEW

  • メタリック塗装の“影の主役”アルミペーストの製造とは?
  • 失敗しない転職がしたい!若手が押さえるべきポイントはどこ?
  • 社員の個性が店をつくる!トレジャーファクトリーの魅力と自由な企業文化を紹介!
  • 「地味だけど超重要!」原料調合・成形業務のリアルとやりがいとは?
  • 未経験からの転職は「準備」で決まる!今すぐできる6つの行動リスト

TERND HASHTAG

RANKING