工場や倉庫での仕事に興味があるなら、フォークリフトの免許取得を考えてみてはいかがでしょうか。

フォークリフトは、物流や製造の現場に欠かせない存在です。そのため、免許を持っているだけで仕事の幅がぐっと広がり、今までよりも幅広くお仕事を探すことができるんです。

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まずは知っておきたい!フォークリフト免許は2種類ある

実は、フォークリフトの資格には2つの種類があります。

一つは「フォークリフト運転技能講習修了証」で、一般的に「フォークリフト免許」といえばこちらのことを指します。

他にも修了試験のない「フォークリフト運転特別教育修了証」があります。「フォークリフト運転技能講習修了証」と比べて講習時間が短く修了試験が無いのが特徴ですが、運転できるのは「最大積載荷重1トン未満のフォークリフト」に限られるため、仕事で使える場面は限られています。

フォークリフト運転特別教育修了証フォークリフト運転技能講習修了証
費用40,000円前後(教材費含む)
運転出来るフォークリフト最大積載荷重1トン未満のフォークリフト最大積載荷重1トン以上を含む、すべてのフォークリフト
講習時間短い(12時間)5日間(31時間)
修了試験なしあり(学科試験・実技試験)
仕事で使える場面は限られる一般的に「フォークリフト免許」を指すときはこちらの資格のこと。

※費用は教習機関により異なります。

フォークリフト免許は労働安全衛生法によって定められています。

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(就業制限)

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なつてはならない。

3 第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。

参考URL:労働安全衛生法

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フォークリフト免許の講習について

では先程紹介した「フォークリフト運転技能講習修了証」の講習内容を紹介します。

講習は大きく分けて「学科講習」「実技講習」に分けられており、合計5日間の日程で行われます。

カリキュラム
学科(1日目)走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識4時間
荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識4時間
運転に必要な力学に関する知識2時間
関係法令1時間
学科修了試験
実技(2~4日目)走行の操作20時間
荷役の操作4時間
実技修了試験
合計時間35時間

※上記は自動車免許がない場合の講習時間です。普通免許を所持している場合は、学科の一部(4時間)が免除となり31時間に短縮されます。

1日目:学科講習|安全にフォークリフトを運転する基礎を学ぶ

学科講習では、安全に運転するためのルールを学びます。時間は、普通自動車免許を持っている方なら合計7時間程度です。

  • 走行に関する装置の構造(4時間):エンジンの仕組みやブレーキの種類など、フォークリフトがどう動くかを学びます。
  • 荷役に関する装置の構造(4時間):荷物を持ち上げる「フォーク」や油圧装置など、荷物を運ぶ仕組みを学びます。
  • 運転に必要な力学(2時間):「力学」と聞くと難しそうですが、荷物の重心や安定性など、安全に運ぶための基本的な知識です。
  • 関係法令(1時間):仕事に関わる法律(労働安全衛生法など)について学びます。

どの科目も、講師がテキストに沿って分かりやすく教えてくれます。講習の最後に試験に出るポイントを教えてくれることも多いので、しっかり聞いていれば心配ありません。

学科試験:「足切り点」をクリアすればOK

学科試験は、講習で学んだ内容から出題されるマークシート形式のテストです。合格基準は以下の2つで、これは多くの教習機関で採用されている基準です。

  1. 全体の合計点が満点の60%以上であること
  2. 各科目で配点の40%以上の点数を取ること
科目配点合格に必要な点数(足切り点)
走行装置の知識30点12点以上
荷役装置の知識30点12点以上
力学の知識20点8点以上
関係法令20点8点以上
合計100点60点以上

つまり、どれか一つの科目が極端にできなくても、他の科目でカバーしつつ、苦手な科目でも最低4割正解できれば合格できる仕組みです。これが合格率の高さに繋がっています。

実技講習:運転が初めてでも必ず乗れるようになる

実技講習では、実際にフォークリフトに乗って操作を練習します。普通免許を持っている方なら合計24時間。指導員がマンツーマンで丁寧に教えてくれるので、運転経験がなくても安心です。

  • 走行の操作(20時間):安全確認、発進・停止、前進・後進、カーブ、方向転換など、基本的な運転操作を繰り返し練習します。
  • 荷役の操作(4時間):パレットに積まれた荷物を、安全に持ち上げたり、降ろしたり、指定の場所に運んだりする練習をします。

最初は機械の大きさに戸惑うかもしれませんが、数時間もすれば誰でもスムーズに操作できるようになります。

実技試験:減点方式だから「焦らない」が一番のコツ

実技試験は、講習で練習したコースを走り、荷役作業を行うテストです。

持ち点は100点満点。そこからミスをするごとに点が引かれていく減点方式で、最終的に70点以上残っていれば合格です。

よくある減点ポイントは以下の通りです。

  • 安全確認を忘れる(発進時、後進時、周りを見ないなど)
  • 時間オーバー(焦って操作が雑になる)
  • フォークの操作ミス(パレットに強く当てる、高さが不適切など)
  • 脱輪や接触

逆に言えば「安全確認をしっかり行い、焦らず、練習通りに操作する」ことさえ守れば、大きく減点されることはありません。万が一ミスをしても、落ち着いて次の操作に移ることが合格への鍵です。

まとめ:フォークリフト免許は、未経験からでも取れる確実な武器

ここまで見てきたように、フォークリフトの免許は、講習と試験の仕組みそのものが、受講者を合格させるために作られています。

  • 免許は2種類あるが、仕事で使うなら「技能講習」一択
  • 学科試験は、各科目の最低点をクリアすればOK
  • 実技試験は、減点方式なので焦らず安全確認を徹底すれば合格できる
  • だからこそ、合格率は98%以上と非常に高い

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試験や講習に関するQ&A

Q1. もし試験に落ちてしまったら、どうなりますか?

A1. 教習所によりますが、ほとんどの場合、後日、補講や再試験を受けることができます。追加で費用がかかる場合があるので、申し込みの際に確認しておくと安心です。

Q2. 運転が下手で、実技講習についていけるか不安です。

A2. 心配いりません。指導員は「全員が未経験」という前提で教えてくれます。最初はうまくできなくても、練習時間内に必ず運転できるようになるカリキュラムが組まれているので、安心して取り組んでください。

Q3. 学科で分からないことがあったら質問できますか?

A3. はい、できます。講習の合間の休憩時間や、講習後に気軽に質問できる雰囲気です。分からないままにせず、その日のうちに解決しておくことが合格への近道です。