「太陽光発電」という言葉を聞いたことはありますか?なかには、自宅の屋根にソーラーパネルをつけているという人もいるかもしれませんね。
この太陽光発電、2011年の東日本大震災に伴う原発事故の影響や、2016年4月からスタートした電力自由化によって、近年大きな注目を集めています。
今回は、太陽光発電の仕組みやメリットについてご紹介します。
太陽光発電について教えて!
そもそも太陽光発電とは何でしょうか?まずは、太陽光発電の基礎知識をお伝えします。
太陽光発電とは?
太陽光発電とは、屋根に取り付けたソーラーパネルを使って太陽光を電力に変える発電方式のことです。別名「ソーラー発電」とも呼ばれます。ソーラーパネルには、光エネルギーを電力に変える「太陽電池」がたくさんついています。その歴史は意外と古く、太陽電池が発明されたのは1954年で、1958年にはすでに実用化されています。
太陽光発電の仕組み
太陽から地球に向かって降り注ぐ「光エネルギー」がソーラーパネルに当たると、そこで「光起電力効果」(ひかりきでんりょくこうか)という現象が起こり、電気が生まれます。その発電した電気を「パワーコンディショナー」という機器を使って、一般家庭などで使えるように変換します。変換された電気は「分電盤」という箱を通して、建物内に送られます。発電した電気が多くて使いきれない場合は、余った電気を売ることもできます。
太陽光発電はなぜ注目されてるの?
太陽光発電はなぜ今、注目されているのでしょうか?続いては太陽光発電のメリット・デメリットと、電力自由化による影響についてお伝えします。
太陽光発電のメリットとデメリット
自宅にソーラーパネルを取り付けて太陽光発電をすることには、いろいろなメリットとデメリットがあります。
【メリット】・電気料金を安くすることができる・メンテナンスの必要がほとんどない・石油燃料を使わないため、有害物が発生するのを防げる・余った電気を電力会社に売ることができる・設置可能な面積や場所が多く、導入に必要な条件も少ない・設置することで国や自治体から補助金を受け取ることが可能になる・停電時の備えになる
【デメリット】・ソーラーパネルの価格が高く、設置するのにコストがかかる・ソーラーパネルが重いため、屋根や屋上に負荷がかかる・発電できる電力量が天候によって左右される・一度設置をすると引っ越しがしづらくなる
自宅でつくった電気を企業が買い取ってくれる!?
2016年4月から電力自由化の対象が一般家庭や商店まで拡大されるようになり、電力会社や料金のメニューを自由に選べるようになりました。また、ソーラーパネルを設置している家庭や商店は、「新しい電力会社」として電気を販売することもできます。電力自由化によって、いろいろな企業が電力事業への新規参入に名乗りを上げ、各社は電気を安定的に供給するために、大手の発電事業者から電気を買い取ったり大規模な太陽光発電所の建設を行うなど、動きを活発化させています。
工場で太陽光発電しよう!
一般家庭だけでなく、工場の屋根を有効に使って太陽光発電をする企業もあります。最後に、工場と太陽光発電の関係性についてお伝えします。
工場が太陽光発電するメリット
工場を持つ企業が太陽光発電を導入することには、大きく3つのメリットがあると考えられます。
電力購入費を削減できる
多くの機械を扱う工場では、毎日たくさんの電力を必要とします。工場の屋根にソーラーパネルを設置し、電気を発電してそれを自社で使用すれば、電力を確保するためにかかるコストを大幅に削減できるようになります。
企業のイメージアップにつながる
太陽光発電は、石油を使わないので、CO2発生を大幅に削減できます。環境問題への取り組みは企業の社会的責任でもあるため、太陽光発電を導入することは企業のイメージアップにつながります。
断熱効果で空調コストを削減できる
工場の屋根に置かれたソーラーパネルが太陽光の熱を吸収することによって、遮熱効果を発揮して建物内の気温が上昇するのを防いでくれます。企業にとっては空調の使用量を抑えられるため、特に夏場には嬉しいメリットです。
工場は太陽光発電に打ってつけ
広い敷地と屋上を持つ工場は、太陽光発電にとても向いています。工場の敷地を発電所として有効活用すれば、工場内に電気を供給してコストを抑えられるだけでなく、企業のイメージアップにもつながります。今後、工場に太陽光発電が本格的に導入されていく可能性が考えられます。太陽光発電に興味がある人は、資料などを取り寄せて読んでみてはどうですか?エネルギー問題に関心を持つようになったり、「自宅にも太陽光発電を取り入れてみるか」と考えるきっかけになるかもしれませんよ。
制作:工場タイムズ編集部