牛乳やヨーグルトなどの乳製品を好きな人はたくさんいるでしょう。
「おなかがゴロゴロするので牛乳はちょっと…」という人でも、「カルシウムを摂取するため」とか、「免疫力を上げるため」などの理由で、乳製品を積極的に取っている人がいると思います。
この乳製品、工場ではどのように作られているのでしょうか? 今回は、乳製品の基礎知識と、試飲・試食ができる乳製品の工場見学をご紹介します。
牛乳のもと、「生乳」って?
まず、「牛乳」とは何かについて詳しくお伝えします。
スーパーやコンビニで売られている、いわゆる普通の「牛乳」は、「生乳」(せいにゅう)を加工殺菌したものです。生乳とは、牛からしぼられたまま、何も手を加えられていない状態のお乳のことです。しかし、食品衛生法においては、その状態で販売することは禁止されています。そのため、許可を受けている工場で加熱殺菌をした上で、パックや容器に詰められ、「牛乳」として、私たち消費者のもとへ送り出されます。
また、厚生労働省の定める法律により、水や添加物を混ぜたり、成分を除去することが禁止されています。これを「成分無調整」といいます。一般的に牛乳は、「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」の6つに分類されます。ただし、厳密には、「無脂乳固形分(牛乳内のタンパク質・糖質・無機質)が8.0%以上、乳脂肪分(牛乳内の脂肪分)が3.0%以上」の条件に合うものだけが「牛乳」と定義づけられています。この基準で考えると、「牛乳」と表記できるのは、「牛乳」「加工乳」「乳飲料」のみとなります。
「成分調整牛乳」とは、生乳から脂肪分やミネラル、水分などの一部を除去したものです。「加工乳」は、濃厚タイプの牛乳や、脱脂粉乳などを使った低脂肪牛乳のことです。普通の「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」は牛乳から単純に脂肪分を除去したものなので、その点が違います。「乳飲料」はコーヒー牛乳や果汁入りの乳飲料などのことです。
牛乳からできる製品って?
次に、牛乳から作られる製品について説明します。
まずは乳製品です。乳製品は生乳から作られます。乳製品は大きく「液状乳製品」と「非液状乳製品」の2つに分けられます。液状乳製品は主に、乳飲料やヨーグルト、クリーム、練乳などのことです。一方、非液状乳製品には、バターやチーズ、アイスクリームなどがあります。
牛乳から作られるのは乳製品だけではありません。牛乳から「繊維」を作ることができます。牛乳のタンパク質である「カゼイン」を原料に、アクリルやレーヨンを混合させて繊維を作ります。牛乳から作った繊維は、保温性や吸水性に優れ、肌に優しいという特徴があります。そのため、ネクタイ、タオル、下着などの製品に使われています。ほかには、石鹸、入浴剤、化粧品などに牛乳が利用されています。
乳製品が作られる工場を見学してみよう!
最後に、試飲・試食ができる乳製品の工場見学を紹介します。
雪印メグミルク・海老名工場(神奈川県)
飲用牛乳工場として国内最大級の規模を誇っています。牛乳やヨーグルトドリンク、果汁飲料などの製造工程を見学できます。試飲や試食もできます。また、工場見学の最後には、まるで大きな牛乳パックを体で担いで、グラスに注いているような記念写真を撮れる撮影スポットがあります。
http://www.meg-snow.com/fun/factory/ebina.html
小岩井乳業・小岩井工場(岩手県)
岩手県雫石町の「小岩井農場」は、牛の乳しぼりからポニーの乗馬を経験することができ、子どもから大人まで楽しめる人気の観光地です。小岩井工場は小岩井農場の中にあります。小岩井農場で育てた新鮮な牛の乳を使って、牛乳やバターを製造していて、日本最古の煉瓦サイロを持っていることでも有名です。雄大な自然に囲まれた環境で飲むしぼりたての牛乳はまさに絶品。事前予約が不要で、自由に見学できます。
http://www.koiwaimilk.com/company/factory/#koiwai
明治・みるく館(茨城県)
「ブルガリアヨーグルト」や「おいしい牛乳」で知られる明治。サービスドリンクを飲みながら映像を見たり、実際に工場内を見学しながら製品が作られていく様子を見ることができます。また、等身大の牛の模型を使った乳しぼり体験や、牛乳や乳製品について楽しく学べる「クイズのめいろ」も人気です。帰りにはお土産もあります。予約制で、2人以上から受け付けています。
https://www.meiji.co.jp/learned/factory/moriya/index.html
美味しくて、健康に良い乳製品
美味しいだけではなく、健康にも良い乳製品。最近では、「腸内環境を整えること」の大切さが浸透してきて、積極的にヨーグルトを食べるようにしている人もいるのではないでしょうか?工場見学では、試飲・試食しながら乳製品作りの製造工程を学ぶことができます。乳製品好きな人、興味がある人は、ぜひ一度、出掛けてみてください。
制作:工場タイムズ編集部