私たちはテレビやラジオ、洗濯機、炊飯器などいろいろな電子機器に囲まれて生活していますが、そのほとんどにハンダ付けの技術が使われています。
今回はそんな電子機器に欠かせない技術である「ハンダ付け」の資格について紹介します。ハンダ付け関連の資格には基礎レベルのものがあるので、趣味でやってみたい人にもオススメです。
いろいろある! ハンダ付けの資格
ハンダ付けは資格を持っていなくてもできますが、技術の確認やスキルアップをしたいときには資格を活用してみましょう。ハンダ付けに関連する資格をいくつか紹介します。
ハンダ付け検定
日本はんだ付け協会が中心となって行っている検定です。ハンダ付けの技術を多くの人に習得してもらえるようにこの検定がつくられました。
ハンダ付け検定には1級、2級、3級があります。3級は趣味でハンダ付けを行う人や初心者の人に向けた初級レベルです。2級は鉛をほとんど含まないハンダを使う技能の認定です。これは重工業や電子機器の製造業で使われることが多い技術です。1級はハンダ付けの技術をほかの従業員に教える立場にある人が対象になります。受験する条件は特にないため、初心者や未経験者でも受験できます。
電子機器組立て技能士
電子機器の組立て作業に関する検定試験です。特級と1級、2級、3級に分けられています。3級は初心者の人でも受験できます。電子機器組立て技能士は国家資格なので、取得後はその後のキャリアステップの有力な武器になるでしょう。未経験の人は3級の取得を目指しましょう。資格取得を成長の目安に、技術を練習する計画を立ててみてはいかがでしょうか。
日本溶接協会 マイクロソルダリング技術資格
日本溶接協会が行っているマイクロソルダリング技術資格の検定は、数 mmや数cmのハンダ付けを行うための資格です。マイクロソルダリングは、パソコンやゲーム機器に含まれるメモリーなどの部品を組み立てるときに必要な技術です。この技術のおかげで、デジカメや携帯電話はより小さくなりました。
資格のレベルは、
「オペレータ」
「上級オペレータ」
「インスペクタ」
「実装工程管理技術者」
「インストラクタ」
「技術者」
と上がります。まずは、オペレータ資格を目指しましょう。18歳以上で3か月以上実務の経験があれば受験ができます。
資格取得のメリット
いろいろな資格がありますが、ハンダ付けの資格取得には共通のメリットがあります。
実践的な技術を手に入れる
ハンダ付けの基本的なやり方や失敗した時の対処法などが学べるため、ハンダ付けの実践的なスキルを身に付けることができます。
知識が身に付く
技術だけでなく、ハンダやハンダゴテの種類をはじめとした道具についての知識を学べます。普段自分が使っている道具だけではなく、ほかの道具の知識を増やすことで製品に応じたハンダ付けができるようになります。
趣味に活かすことができる
ハンダ付けの資格は趣味にも活かすことができます。鉄道模型の制作や電子機器の改良などが趣味の人は、ハンダ付けの技術が役に立つでしょう。
ハンダ付け検定の受験ステップ
ここからは、初心者の人が良く受験する「ハンダ付け検定」について紹介します。
受験に条件はあるの?
ハンダ付け検定は年齢や性別、実務の経験に関係せず、初心者や未経験の人でも受験できます。
申し込み方法は?
Webサイトもしくはファックスを使って申し込みます。ファックスの場合、まずハンダ付け検定のホームページから「ハンダ付け検定の講習申込書」をダウンロードし印刷します。そして必要事項を記入し、指定されたファックス番号に送付します。
どんな試験の内容なの?
50分の筆記試験と120分の実技試験が行われます。筆記試験はハンダ付けの基本的な知識に関する問題です。実技試験は「プリント配線板へ部品を取り付ける作業」と「コネクタとケーブルを繋げる作業」を行います。プリント配線板とは電子機器の回路を支える緑の板のようなもので、携帯電話やパソコンから宇宙機器まで幅広く使われています。
資格の勉強方法には、ハンダ付けの技術を説明している教材や練習用のハンダ付けキットなどがあります。それらを使って自分で練習するのも良いですし、講習会に参加して学ぶのも良いでしょう。「ハンダ付け 講習」で検索すれば、講習情報を掲載しているWebサイトが見つかります。
電子機器を支える技術
パソコンやゲーム、スマートフォンなどを動かすパーツを組み立てるうえで、ハンダ付けは大切な工程です。資格はレベルに応じて用意されているので、初心者の人や趣味として興味がある人にもオススメの資格です。すでにハンダ付けを行っている人はハンダ付け検定の内容を見て、自分の技術力がどれくらいのものなのか一度確認してみるのも良いでしょう。
制作:工場タイムズ編集部