もうすぐバレンタイン。おいしそうなチョコレートがずらりと店頭に並ぶ季節ですね!
チョコと言えば、皆さん「フェアトレードチョコ」って聞いたことありますか?
フェアトレードとは、開発途上国で作っている商品を適正な価格で買うことで、生産者を守る取り組みなんです。
今回は、そんな「フェアトレード商品」にまつわるアレコレ、どんな商品があるのかご紹介します!
フェアトレードとは?
甘くて香り高いチョコレート。一口食べると幸せな気持ちになりますよね。
そんな日本人が愛してやまないチョコレートの原料となるのが「カカオ」です。これ、どんな所で作られて、どんなふうに日本に届いているんだろうと考えたことはありますか?
カカオは主に「カカオベルト」と呼ばれる熱帯地域で栽培されています。生産されたカカオは、中間業者が買い取り、世界中へ輸出されて、私たちのもとにも届いているのです。
しかし複数の中間業者が間に入ることで、立場の弱い生産者が十分な収入を得られないことも。こうした構造によって、貧困や児童労働、環境破壊などの問題が起きてしまっているのです。
デパートに並ぶきらびやかなチョコレートの影で、これほど悲しいことが起こっていたとは…。私たちに何かできることはあるのでしょうか?
フェアトレード商品で生産者をサポートしよう
途上国支援と聞くと、多額の寄付や海外ボランティアを思い浮かべる方も多いかもしれません。でももっと手軽にサポートできる方法があります。
それがフェアトレード商品の購入です!
フェアトレードとは、開発途上国で生産した商品を適正な価格で取引することで、現地で働く生産者の生活を守る「貿易の仕組み」のこと。
日本ではチョコレート以外にも、コーヒーや紅茶、スパイス、生花、コットン製品まで、様々なフェアトレード商品が販売されているんです。
おいしく、おしゃれな商品を買うだけで、世界にちょっとだけ貢献できるなんて、なんだか素敵じゃないですか?
そこで今回は、既に注目されているチョコレートだけではない、もっと皆さんに知ってほしいフェアトレード商品を3点ご紹介します。さっそくチェックしていきましょう!
People Tree「フェアトレードコーヒー ペルー」
まずご紹介したいのは、日本のフェアトレードブランド「People Tree」が販売している「フェアトレードコーヒー ペルー」です。
こちらのコーヒーは、やわらかい甘みと力強いコクが特徴。バランスがよく何杯飲んでも飽きがこない味わいで、朝の一杯にぴったりですね。
また、色鉛筆で描いたようなイラストのパッケージもとってもオシャレ。同ブランドのフェアトレードチョコレートと組み合わせて、プレゼントにするのもおすすめです!
20年後もおいしいコーヒーを楽しむために
コーヒー豆の主な生産地は、赤道付近の開発途上国。そこで生産されたコーヒー豆は、複数の中間業者を通じて、日本などに住む私たちの手元に届いています
People Treeのフェアトレードコーヒーは、そんなペルーの小規模農家が作る生産者協同組合「コクラ」とのフェアトレードで作られています。コーヒー豆の最低価格を保証しているので、レートに左右されず、農家の方が安定した収入を得ることができるんですって!
おいしいコーヒーを10年後、20年後も楽しむためには、農家に生産を続けてもらうことが必要不可欠。商売を続けるには、安定した収入があることは大切ですよね。
People TreeのECサイトには、他にもセンスのいいフェアトレードアイテムが多数販売されています。ぜひチェックしてみてください。
第3世界ショップ「カレーの壺 ペースト」
続いて紹介するのは、カレー好き必見の一品「カレーの壺 ペースト」です。
こちらは18種類以上のスパイスとハーブ、たっぷりの香味野菜が入ったスパイスペーストです。
商品の魅力は、1瓶で22皿分ものカレーが作れるというコスパの良さ! お好みの具材とココナッツミルクがあれば、あっという間に本格派のスリランカ・カレーが作れるという人気商品なんです。
タンドリーチキンやカレーピラフなど、色々なアレンジレシピも楽しめるというのも嬉しいですよね。
日本の「カレールー」がヒントに
このカレーの壺を考案・販売しているのは、スリランカの実業家マリオさん。
スリランカでは、スパイスを各家庭で毎回調合して使うのが主流でした。そこでマリオさんは、スパイスのセット販売やスパイスペーストを開発し、主婦たちから圧倒的な支持を受けました。ちなみに、これは彼が日本滞在時に見たカレールーから着想したそうですよ。
彼はカレーペーストやスパイスを製造する会社を経営する一方で、2000年に「RAPID」という農村開発プロジェクトを立ち上げます。
スパイスをはじめとしたスリランカの農産物の品質を高めようと、彼は現地の農家に栽培技術や品質管理を伝えました。その結果、よりクオリティの高いスパイスを生産できるようになり、農家の安定収入に繋がったそうです。
おいしくて便利なカレーペーストを買うことで、こうしたスリランカのスパイス産業を支えることができるとは! 同じくカレーを愛する日本人として、ぜひとも応援させてもらいたいものです。
「カレーの壺 ペースト」は、食料品店や通販でも購入できます。気になる方はぜひ試してみてくださいね!
patagonia「レトロX」
最後にご紹介するのは、誰もが知るアウトドアブランド「patagonia(パタゴニア)」のフリースジャケット「レトロX」です。
レトロXといえば、パタゴニアの冬の定番アイテムのひとつ。街で着ている人を見かけない日はないほどの定番商品ですよね。登山やハイキング用に作られただけあって、真冬用のアウターとしても使えるほど温かいのが特徴です。
でも、この名作フリースジャケットがフェアトレードって、一体どういうことなんでしょうか?
約9割がフェアトレード商品!?
衣料品の縫製工場の労働者は、昔から低賃金が問題になってきました。しかし、パタゴニアは自社で工場を持っていないため、直接工場にはたらきかけて賃金を上げることはできません。
パタゴニアの製品は、レトロXをはじめとしたおよそ9割の製品がフェアトレード認証を受けています。認証された商品1点ごとに、工場へ賞与が支払われる仕組みがあります。
この賞与は縫製工場で働く労働者に直接届けられ、託児所を整備するなど、働きやすい環境を整えるために使われているそうです。
アウトドア好き・ファッション好きでも、パタゴニアがこういった取り組みをしていることを知って購入している人は少ないのではないでしょうか?
このように知らず知らずのうちに購入している商品の中にも、意外なフェアトレード製品があるかもしれませんね!
まとめ
コーヒーやスパイス、衣料品…自分が気に入ったものだからこそ、どこから来たのかきちんと知っておきたいですよね。
買い物はいわば投票のようなもの。今回ご紹介したようなフェアトレードの商品を購入するだけで「開発途上国の生産者の暮らしを守りたい」という意思表示ができるんです!
あなたもフェアトレード商品を選んで、ちょっとだけ世界をよくしてみませんか?
制作:工場タイムズ編集部