私たちが生活するなかで必要な家電や食べ物など、ほとんどのモノは工場で作られています。
工場と聞くと、四角い建物がいっぱい並んでいて、どの工場も見た目は同じようなイメージがありませんか? 実は、なかには「えっ、これ工場なの!? 」って思うような工場もあるんです!
そこで今回は、皆さんにそんな変わった工場を多数ご紹介します。
なぜ生まれた? ユニークなデザインの工場たち
日本には、小さいものから大きいものまで、さまざまな工場があります。なかには、会社の特色を前面に出した工場も。
たとえば、おやつカンパニーの工場の壁面には「ベビースターラーメン」のキャラクターが描かれています。
2022年に完成したセーラー万年筆の広島工場は、上から見ると万年筆のペン先の形をしているんです。
ただ、これらは外観で何の工場かわかるのですが、なかには「えっ、何の工場?」「これが工場なの!? 」と思うような工場もたくさんあります。
そのなかでも特に「変わってるな…」と思う工場をご紹介しますね!
まるで近代アート? 舞洲ゴミ処理場【大阪府】
変わってる工場として有名なのが、大阪にある「舞洲ゴミ処理場」。これがゴミ処理場!? なんだか、近代アートって感じの工場ですよね!
正式には、舞洲ゴミ処理場はゴミ焼却場の「大阪市環境局・舞洲工場」と、汚泥処理場の「大阪市都市環境局・舞洲スラッジセンター」の総称です。
建設の経緯、いろいろあるよね
この2つの建物は、少し離れたところにあって管轄も違うのですが、どちらも世界的なアーティストであるフンデルトヴァッサー氏がデザインした建物なんだとか。
その経緯としては、人工島である舞洲を「2008年のオリンピックの開催地に! 」という計画のもと、島を魅力的にする一環だったとのこと。
ただ、2008年のオリンピックは北京が選ばれたので、市民からはかなり批判があってしまったそうです。あわせて約1400億円もかかってるし、「税金の無駄遣い」と怒りの声が上がってしまうのも、分からなくはないです。
とはいえ、お金をかけただけあって、設備・機能については最先端!
1日最高900トンのゴミ処理ができたり、屋上に降る雨水を排水処理水に利用できたり。
今、こうやって「変わった工場」として注目も集めているから、結果的には建てて良かったってことかもしれませんね!
モデルは世界遺産、日本食研 KO宮殿工場【愛媛県】
続いて紹介するのは、愛媛県にある日本食研の「KO宮殿工場」。焼肉のたれ「宮殿」のCMでも出てきますよね。
こちらの工場は世界遺産の「ベルヴェデーレ宮殿」をモチーフにして建てられたようです。庭も建物も、どこからどう見ても、宮殿にしか見えない。ただ、すごいのは外観だけではありません。
エントランスホールには、高級感のある絨毯や甲冑、そして天井に大きなシャンデリア。「これはもう工場ではなく宮殿なのでは?」 と思わずにはいられません。
日本の食文化を世界中に発信!
宮殿をモチーフにした工場を作った経緯としては、「100年保つ工場を作りたい」と考えた時に、ヨーロッパの城が思い浮かび、それを実現したんだとか。
さらに、中世ヨーロッパの宮廷晩餐会は食文化の発展の源であったことから、「日本の食文化を世界へ! 」という思いも込められています。
事前に申し込みをすれば見学もできるので、気になる方はぜひ、チェックしてみてくださいね!
通称「ラスボス」三菱マテリアル九州工場【福岡】
福岡県にある「三菱マテリアル九州工場」。大正9年に操業した歴史のある工場で、セメントなどを製造しています。
工場の別名はなんと”ラスボス”…! 昼間に遠くから見ると、たくさんジェットコースターがあるように見えますが、夜になって照明がつくと重厚感たっぷり、まるでゲームに登場するラストステージのような外観があらわになります。
パイプがうねっているところとか、光に照らされるとすごく威圧感がありますよねぇ。工場夜景としても有名で、対岸から見ると水面に映った光がさらにきれいなんですって!
未来都市? 環境局施設部 中工場・エコリアム【広島】
最後にご紹介するのは、広島県にある環境局施設部 中工場の「エコリアム」。実は、こちらのエコリアムもゴミ処理場。
厳密にいえば、「エコリアム」はゴミ処理場の2階中央にある貫通通路(吹き抜けの工場見学スペース)の名称です。
ゴミ処理場のマイナスイメージを一新
ゴミ処理場は、無機質で臭いといったマイナスのイメージがつきもの…。
そういうイメージを覆すために作られたのが、この施設です。エコリアムという名前は「エコロジー」と「アトリウム(広場)」を組み合わせた造語なんだとか。
設計したのは世界的に有名な建築家・谷口吉生氏で、美術館の名手とも呼ばれています。美術館のような洗練されたデザインになっているのが納得できますね。
この通路の両側に見えるのは、シルバーの配管のゴミ焼却装置なのですが、一定間隔に木が植えてあって、未来都市を彷彿とさせるような美しい景観が特徴的です。
たしかに、ゴミ処理場の建設は地域の住民にとって、必要であることは理解できても、そう簡単に受け入れられるものではありませんよね。
ただ、こうして安全面や臭いなどの環境対策のみならず、景観や外観のイメージを工夫して「地域自慢の施設」にするという取り組みにとても感動しました!
まとめ
今回は、日本各地にある変わった工場を紹介してきましたが、いかがでしたか? どの工場も、会社や作る人の想いが込められていて、とてもステキでしたね!
私たちの生活に欠かせないというだけではなく、楽しい気分にさせてくれる変わった工場たち。ぜひ、一度訪れてみてくださいね!
制作:工場タイムズ編集部