みんながよく知るあの食べ物や飲み物、特徴のある見た目や形には実は理由があるって知ってますか?
今回の記事では、子供から大人まで誰もが一度は食べたことや飲んだことのある食品の秘密を解き明かしていきます。
駄菓子界の絶対的エース『うまい棒』! 中心に開いた『穴』の役目とは?
子供から大人まで幅広い世代から支持される「うまい棒」。口に入れたときのサクサク食感や、棒という名に違わぬサイズ感は価格以上の満足感を与えてくれますよね。
小銭を握りしめて通った駄菓子屋はもちろん、今ではコンビニやスーパーでもうまい棒を見かけます。ところで、なぜうまい棒の中心部分には穴が開いているのでしょうか?
うまい棒の中心に穴が開いている理由って?
中心に穴を開けることでうまい棒に均等に熱が伝わり、サクっとした特有の食感が生まれ、さらに耐久性も上がるそうです。人の手を渡り国内外に運送されるうまい棒、穴の開いたあの形状によって、うまい棒の美味しさが守られています。
実は「穴のないうまい棒」もある!?
うまい棒には一種だけ、穴のない「シュガーラスク味」が存在します。ラスク特有の食感に近づけるため、異例の「穴なしうまい棒」が誕生したのです。
さらに過去に販売された味を含めると60以上の種類があるようで、公式ツイッターの情報によると、「たこ焼き味」は特に手間がかかっていて、二度焼き二度仕上げをしている唯一のうまい棒とのことでした。
こんなにもこだわりの詰まったうまい棒ですが、原材料の高騰にも負けず穴のサイズ・長さ・幅を調整して対応しているようです。これぞまさに駄菓子界の絶対的エース! たゆまぬ企業努力に国民栄誉賞を送りたい!
夏の風物詩、ラムネにはどうして瓶の中に『ガラス玉』が入っているの?
さて次は、夏の風物詩、ラムネ(ラムネドリンク)についてです。カランカランと鳴る涼しげな音や光に当たってキラキラ輝くガラス玉、まさに夏にぴったりのドリンクですよね。ところで皆さんは瓶の中にガラス玉が入っている理由を知っていますか?
ガラス玉が必要になった理由
ラムネの販売当初、栓にコルクを用いるのが主流でしたが、炭酸が抜けやすく困っていました。試行錯誤の結果、ガラス玉を使って瓶の内側から栓をする方法が考えだされたのです。ガラス玉と原液が入った瓶に炭酸を注入して逆さまにすると、炭酸ガスの圧力でガラス玉が飲み口を塞ぐという仕組みです。
瓶の中は密閉されているので、向きを元に戻してもガラス玉は押し付けられたまま落ちてきません。なんだか不思議ですよね。というわけで、ラムネの中に入っているガラス玉は、炭酸が抜けるのを防止するためのものでした!
ガラス玉入りのラムネをうまく飲むコツ
飲み口をガラス玉が塞がないようラムネを飲むコツは、瓶の中央にあるくぼみにガラス玉を引っ掛けて角度をつけすぎずに飲むこと。これが意外と簡単に見えて難しく、カランカラン音が鳴るばかりで難しい!
最近ではプラスチックボトルに入ったラムネをよく見かけますが、これはラムネ用ガラス瓶の生産が終了し流通が減ったことが原因です。涼しげな音が響くガラス瓶入りラムネ、今ではなかなか見かけなくなってしまいました。
板チョコに入っている『溝』はなんのためにあるの?
等間隔に引かれた板チョコの溝は、実は「食べやすさを重視して生まれたデザイン」ではないんです! ではいったい何のための溝なのか、確認していきましょう。
素材の性質を活かしたデザイン
チョコレートは溶かした状態で型に流し、冷やして成形します。冷やすと体積が減って縮むため、溝が入っていると型からチョコレートを取り出しやすくなります。また溝があることによって、チョコレートと型の接する面積が増えるので熱が逃げやすくなります。
その結果、素早く均一に冷やすことができるので、くちどけのよい美味しいチョコレートを一度にたくさん作ることができるのです。
チョコレートを美味しく食べるコツ
家庭で簡単にできる、美味しいチョコレートの食べ方も一緒にご紹介します。冷蔵・冷凍保存したチョコレートを食べるときには、取り出してから30分ほど待ち、常温に戻してから食べるのがおすすめです。
チョコレートが変化を受けにくい気温は18~20℃で、暑すぎても寒すぎても、チョコレートの風味や食感を下げてしまうので温度管理が大切です。保存温度を変えたり、カットサイズを変えながら板チョコの食べ比べをしても面白いかもしれませんね。
仲良く半分こ『ポッキンアイス』は凍らせて食べるのは正しい食べ方じゃなかったって本当?
地域によって呼び方に違いがあるポッキンアイス! チューペット? 棒アイス? 今回は代表して「ポッキンアイス」と呼ばせていただきます。
そもそも「アイスじゃなかった」
さてこのポッキンアイス、アイスという呼び名ですが、販売当初は棒状の清涼飲料水として売られていました。その後改良を加え、棒の中程にくびれを入れて折れるようにしたところヒット商品となったようです。
くびれを入れた理由も販売メーカーによって回答が異なります。清涼飲料水が課税対象になることを恐れ、アイスとして販売したのをきっかけに食べやすいフォルムに改良した説、凍らせる時に中身が均等になるように入れた説、耐久性を高める説などさまざま。
半分に折って食べる発想は販売メーカーの意図とは違ったようですが、今では定番の食べ方として全国に広がっていますよね。
『金平糖(こんぺいとう)』の突起の数には決まりがある?
カラフルな見た目が可愛い金平糖。表面にあるチクチクとした突起の形が特徴的ですが、あの突起ができる理由をご存知でしょうか?
意図的なデザインではなくむしろ「突起物」
あの突起は「イガ」と呼ばれるもので、見た目を華やかにするためにデザインされたものではありません。金平糖は窯で作られるのですが、イガは回転する窯に核となるザラメやイラ粉を入れ、約2週間かけて全体をかき混ぜることで少しずつ出来上がります。
その日の気温や湿度によって窯に入れる糖や火力を微調整するのもポイントで、製造技術を身につけるまでになんと約20年の年月を要すると言われています。
昔は突起の数を数えながら作っていた!?
同じ釜で糖が均一に混ざるように金平糖を作ると、イガは同じ数あるいは誤差程度の仕上がりになると言われています。数字にこだわりすぎでは? と思うかもしれませんが、どうやらそれは今に始まったことではありません。
安土桃山時代、ポルトガルからやってきた金平糖を織田信長がたいそう気に入りました。それをきっかけに日本でも金平糖が作られるようになりましたが、将軍に献上する場合にはイガの数まで決められました。
げんをかついで、宇宙を意味する「天地六合(りくごう)」にかなった数ということで、イガの数は36個。長い時間をかけて1つずつ確認していたそうです。
まとめ
いかがでしたか。今回は身近な食品や飲み物の知っているようで知らない秘密を紹介しました。普段当たり前のように飲み食いしていたものにこんな秘密があったとは、なんだか面白いですよね。
少し視点を変えて、これってなんでだろう? と普段から考えてみると、食べ慣れているものやよく飲んでいる商品の面白い秘密を発見できるかもしれません。
制作:工場タイムズ編集部