清掃というと、日常生活での「掃除」を思い浮かべるかもしれません。ところが「仕事としての清掃」となると、家事レベルの掃除だけでなく、専用の機械を使った大掛かりな掃除や、大量のゴミを集め処分をするといった多種多様な作業が行われます。
今回はそんな仕事としての清掃について、具体的な仕事内容や魅力、適している人などをご紹介します。清掃の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてください!
清掃の仕事の種類
まずは清掃の仕事の種類を、作業が行われている場所と仕事内容とに分けてみていきましょう。
作業をする場所
清掃の仕事は主に以下のような場所で行われています。
1. 駅や商業施設
清掃の仕事が行われている場所として特に多いのが、駅や商業施設をはじめとした、多くの人が毎日訪れる施設です。このような施設内では、トイレのような特に汚れやすい場所以外でも1日でゴミや汚れが目立つようになることから、清掃員が常駐していることも少なくありません。
2. オフィス
特に規模の大きいオフィスでは、社員が清掃を行う暇がないといった理由から清掃員を雇っていることが多くあります。オフィスでの清掃業務は床の掃除やごみ回収が基本となり、中には社員が出勤する前の早朝にすべての作業を行っているところもあります。
3. 航空機や列車の内部
航空機や列車内でも清掃の仕事は行われています。これらのような乗り物の場合、乗客が下りてから次の乗客が来るまでの短い時間ですべての作業を終わらせなければならないことが多く、スピーディーな作業が求められます。
4. 病院
病院は常に清潔でなければならないため、専用の機械を使って清掃を行うことがあります。また、大きな病院では入院患者の迷惑にならないよう気を配りながら清掃を行うことも重要となります。
5. ホテル
ホテルの客室清掃もまた清掃の仕事の代表的なものとして挙げられます。ホテルでは清掃やごみの回収だけでなく、リネン(主にシーツやタオル)の交換なども同時に行うことがあり、ここでもスピーディーな作業が求められます。
仕事内容
仕事を行う場所にもよりますが、清掃の仕事では主に以下2つの作業をメインに行うこととなります。
1. 公共の場所の掃除
清掃の仕事では、公共の場所のゴミや汚れを除去する作業を行うのが基本となります。また公共の場でこれらの仕事を行う際、そこにいる人の邪魔にならないようにしながら清掃作業をするにはどうしたらよいか、といったことも考えなければなりません。
2. ゴミの回収
掃除で集めたゴミは回収し、決められた方法で処分することになります。仕事として清掃を行うと、家庭で出るごみとは比べ物にならないほどの大量のごみが出ることもあるため、場合によっては自治体が行っている通常のゴミ回収を利用できないこともあり、独自の処分方法を確保する必要もあります。
清掃の仕事の魅力
清掃の仕事には以下のような魅力があります。
公共の場で「縁の下の力持ち」になれる
清掃の仕事は決して目立つ仕事ではありませんが、公共の場を常にきれいな状態にする上で欠かせない存在です。そのため、この仕事をする人はまさに「縁の下の力持ち」になり、この点は清掃の仕事の大きな魅力のひとつといえます。
早起きの習慣が身につきやすい
公共の場所やオフィスなどで行われる清掃の仕事は、人が多く集まる前に行ったほうが早く終わらせられるため、早朝から業務を開始していることが多い特徴があります。よって、早起きの習慣が身につきやすい、という点もまたこの仕事の魅力といえるでしょう。
副業としても適している
作業を行う施設や場所の大きさにもよりますが、清掃の仕事は数時間で終了することがほとんどです。そのため、その仕事をするだけで丸一日を費やすということは少なく、他の仕事との両立がしやすいという点でも大きな魅力があります。このことから、清掃の仕事は副業としてもおすすめです。
高齢者を雇用しているところが多い
多くの会社は60歳を定年としていることから、高齢者が新たな仕事を始めるのは難しいでしょう。しかし清掃の仕事は、家事として行っている日常で得たスキルをそのまま活かせることから、高齢者でもすぐに慣れることができるため、多くの会社では高齢者の雇用を積極的に行っています。
安定して仕事がある
汚れた場所をきれいにしたい、という欲求は多くの人が常に持っていることから、清掃の仕事が極端に需要が少なくなる可能性は極めて低い職種だといえます。このことから、安定して仕事があるという点もまた清掃の仕事の魅力のひとつとなります。
スキルアップを目指すことができる
清掃の仕事は未経験でも行うことができますが、「ビルクリーニング技能士」などの資格を取得すると、携われる仕事の幅が広くなるだけでなく、資格保有者を対象とした手当を基本給とは別にもらえることもあります。このことから、スキルアップを目指すことで向上心を持って仕事に臨める点もまたこの仕事の魅力となります。
清掃の仕事に適性がある人
清掃の仕事は、特に以下のような人に向いているといえるでしょう。
黙々と仕事をこなせる人
清掃の仕事では、基本的に毎日同じ作業を繰り返し行います。また、業務自体も単純作業を繰り返すのが基本となるため、黙々と仕事をこなせる人ほど清掃の仕事に向いているといえます。
普段から身の回りの整理整頓を徹底している人
自宅での掃除をしっかりと行い、整理整頓も徹底している人は汚れた場所をきれいにするスキルが身についているといえます。このようなスキルは仕事として行う清掃でも活かすことができます。
経済的にある程度の余裕がある人
清掃の仕事のデメリットのひとつとして「給料が高くない」という点が挙げられます。時給制であることが多いにもかかわらずフルタイムで働ける仕事は少ないことから、経済的にある程度余裕のある人にとって、この仕事は向いているといえるかもしれません。
人のためになる仕事をしたい人
汚れていた箇所をきれいにする、溜まっていたごみを回収する、といったことは毎日の積み重ねですが、確実に人のためになる仕事だといえます。よって、人のためになる仕事をしたいと考える人もまたこの仕事には向いているといえます。
清掃の仕事の志望動機の例文
以上のことを踏まえ、清掃の仕事に応募し、履歴書を作成する際には以下のような志望動機を記載するのがおすすめです。
例文1
「貴社が行っているオフィスでの清掃業務では、限られた時間内ですべての作業を済ませるための迅速さが求められると考えます。私は一人暮らしをしていることもあり、日ごろから自宅での掃除や洗濯などの家事をいかに早く終わらせるか、ということを考えることが多く、このことは貴社の清掃業務でも活かせると思い応募いたしました。」
例文2
「私は大量の商品を扱う倉庫で発送作業を行う仕事に就いていた経験があり、そこでは同じ作業を何時間も継続して行うための集中力と忍耐力を身につけることができたと自負しています。このスキルは貴社が行っている商業施設での清掃業務にも活かすことができると考え、応募いたしました。」
清掃の仕事は必ずしも簡単とはいえない
清掃の仕事というと簡単なのでは?というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際は、商業施設やオフィスでの清掃は家庭での掃除に比べ規模が大きく、必ずしも簡単とはいえません。また多くの職場では限られた時間内に決められた範囲の清掃を済ませなければならず、同じ作業をコツコツと行える忍耐力が自分にあるのか、といったことを考えた上で応募するのがよいでしょう。
制作:工場タイムズ編集部