接客業に抵抗がある方やコツコツとした作業が好きという方の中には、漠然と工場で働きたいという考えを持っている方も多いかもしれません。しかし、単に工場での仕事といってもその種類はさまざまであり、どのような製品を製造している工場が自身に合っているのか分からないという方も多いことでしょう。
そのような方におすすめしたいのが自動車工場です。今回は、自動車工場での仕事内容や働くことで得られるメリットをご紹介しますので、就職活動中の方はぜひ参考にしてみてください。
日本の自動車製造業
モノづくりは戦後の日本における高度経済成長の象徴といっても過言ではなく、日本国内にはさまざまな企業の工場が存在します。これらの工場は現在でも日本の産業を支える中心的存在となっており、そこでは多くの従業員が働いています。
目覚ましい発展を遂げた日本のモノづくりにかかわる技術の向上は、やがて世界的にも高い評価を受ける商品の生産にも活かされるようになり、中でも自動車は日本のモノづくりを代表する商品として世界中に輸出され、多くの国々で高い評価を得るようになりました。
これにより日本産の自動車に対する需要は世界中で高まると共に、常に高い状態を維持できるまでになり、現在でもその状態は続いています。そのため、日本産の自動車は日々世界中に輸出されており、国内に多数存在する自動車工場では多くの自動車が生産されています。
このことから、自動車工場における求人状況は常に高い状態を維持しており、中には未経験者の採用も積極的に行っている工場もあります。また、その雇用形態は正社員だけでなく、期間工の派遣社員やアルバイトにいたるまでバラエティに富んでおり、比較的就職がしやすい業界ともいえます。
以上のように、国内に多数存在する自動車工場は十分な実績と安定した需要があるという点で優れており、日本の自動車製造業自体が就職先としてもよい条件の揃った業界であるといえます。
自動車工場の仕事内容
続いては自動車工場で実際に行われている仕事の内容をご紹介します。自動車を製造する工場には、自動車の組み立てを行う工場と部品を製造する工場が存在しますが、今回は前者の仕事内容だけに焦点を絞りたいと思います。
機械操作(マシンオペレーター)
自動車の製造工程には、人が直接行うと危険な作業も多いことから、それらの作業は機械やロボットで行います。
このような機械の操作は自動車工場における主な仕事のひとつとなっており、入社後はその操作方法から覚えるというケースも少なくありません。また、この仕事には機械を作動させる前に自動車の部品を所定の場所に設置するといった作業も含まれます。
機械操作は正しい手順や部品の数量を間違えない限り、大きなミスにつながることは少ないため、比較的初歩的な仕事といえます。
組み立て
自動車工場での仕事と聞いて真っ先に思い浮かべるのが、部品を人の手で組み立てていく作業という方も多いかもしれません。実際、この作業は自動車の製造過程の多くの部分を占めており、自動車工場におけるメインの仕事と考えて差し支えありません。
この工程は基本的に流れ作業となっており、ライン上に流れてくる車に自身が割り当てられた部品をひたすら取り付けていくのが主な作業内容となります。また、部品によっては一人では持ち上げられないほど重い場合もあるため、二人一組で作業を行う工程もあります。
溶接・塗装
自動車の部品の中にはただ組み立てるだけでなく、溶接によって強度を高めながら組み立てていくものも存在します。この溶接作業もまた自動車工場における仕事のひとつとなります。
また、見た目のよさも重視される自動車は塗装も重要となり、その作業もまた自動車工場で行われています。溶接と塗装は共に高い技術が必要であるという共通点があり、入社後いきなりこの作業を任されるということは極めて少ないでしょう。
検査・検品
安全性の高い自動車を製造するためには細かな部品にいたるまで十分な検査・検品を行う必要があります。検査・検品作業は組み立て作業の前後など、複数の段階で行われることが多く、組み立て作業を行うだけの十分な力のない人を配属するケースも多いようです。
整備・修理
自動車工場の中では、修理依頼が来た車や中古車の整備・修理も行われています。ただし、これらの作業を行うためには自動車整備士などの資格が必要であり、派遣社員やアルバイトで入社した場合、この仕事を任されることはほぼないでしょう。
自動車工場で働くメリット
自動車工場で働くことを検討中の方の中には、自動車工場で働くメリットを知りたいという方も多いことでしょう。続いてはその詳細をご紹介します。
未経験でも働きやすい
自動車工場で行われている仕事の中でも、派遣社員やアルバイト、期間工に割り当てられるものの多くはマニュアル化がされており、教えられたことをしっかりと確認しながら作業を行うよう心掛けていれば、未経験であっても働きやすいというメリットがあります。
また、派遣社員やアルバイト、期間工がマニュアルのない高度な技術を必要とする作業を任されるのは、入社から数年が経過してからというケースが多いため、未経験として入社しても、次から次へと新しいことを覚え続けなければならないことは少なく、自分のペースで作業方法を覚え、仕事をこなせます。
稼ぎやすい
自動車工場は夜間も稼働していることが多く、夜勤もできます。夜間帯は割増賃金となることから、短期間で稼ぐことができるという点も自動車工場での仕事のメリットといえます。
また、とりわけ期間工の場合、給料とは別に食事手当がつくことや、格安の賃料で寮を利用できることもあるため、一般的なアルバイトや派遣社員と比較しても稼ぎやすい仕事となっています。
技術を身につければステップアップもできる
自動車工場では、入社したばかりのころは組み立てや機械操作の簡単な作業を任されることが多いですが、経験を積んでいくと溶接や塗装を行うこともできます。また、働きながら自動車整備士をはじめとした資格を取得すれば、別途手当がもらえるばかりか正社員としての登用も期待できます。
このように仕事を通して技術を身につけていけば、ステップアップが望めるという点も自動車工場で働くことのメリットです。
安定して仕事がある
派遣社員として働く場合、派遣切りに対する不安を感じるという方も多いかもしれません。しかし、自動車は国内販売だけでなく、海外向けの輸出でも一定の需要があるため、自動車工場内に限定しても安定した仕事があり、派遣切りの恐れが少ないという点もまた大きなメリットとなっています。
自動車工場で楽しく働こう!
自動車工場での仕事は未経験でも行えるうえに稼ぎやすいという点で、ほかのアルバイトや派遣社員の仕事よりもよい条件がそろっています。
また、長期間にわたって自動車工場で働くには、何よりも自分自身が楽しみながら働くことが重要です。そのためには、入社前に工場見学で職場の雰囲気を確認し、自分の性格に合っているかどうかという点を見極めたうえで応募をするのもおすすめです。
制作:工場タイムズ編集部