「リサイクル」を意識して実行していますか?
リサイクルされる品目には「ペットボトル」「紙」「食用油」「インクカートリッジ」などいくつかの種類があります。
日頃から「ゴミの量をなるべく減らそう」「資源を有効に活用しよう」と考えて積極的にリサイクルに取り組んでいる人もいると思います。
では、リサイクルはどのような工程で行われているのでしょうか? 今回は、瓶のリサイクルに焦点を当て、リサイクルの工程などについてご紹介します。
どうして瓶をリサイクルするの?
ガラス瓶はリサイクルしやすく、地球に優しい容器です。まず、ガラス瓶のリサイクル方法についてお伝えします。
ガラス瓶には2種類ある
ガラス瓶には「リターナブル瓶」と「ワンウェイ瓶」の2種類があり、それぞれリサイクルの方法が違います。
リターナブル瓶
リターナブル瓶とは、資源ゴミとして回収した後に洗浄・殺菌をして、そのまま再利用するガラス瓶です。ガラスが欠けたり割れたりしない限り繰り返し使うことができます。
ワンウェイ瓶
ワンウェイ瓶は、一度使ったら細かく砕き、ガラス原料としてリサイクルするガラス瓶です。このワンウェイ瓶をリサイクルする場合は、瓶を色別に仕分け、洗浄した後、細かく砕いてガラス片(カレット)にします。このカレットは新しいガラス瓶だけでなく、アスファルトや建築用断熱材、歩道にあるタイルなどに幅広く活用されています。
ガラス瓶はいつからリサイクルされている?
ガラス瓶のリサイクルの歴史は古く、日本でも明治時代には使い終わった空き瓶を買い集めて売る業者が存在していました。ガラス瓶メーカーがリサイクルへの取り組みを本格的に開始したのは1974年のこと。その頃からワンウェイ瓶を使ったリサイクル方法が導入されるようになり、カレットの改修ルートの拡大や受け入れ基準の作成など、ガラス瓶のリサイクルが積極的に行われるようになりました。
新しい瓶へ生まれ変わる!リサイクルの工程
ワンウェイ瓶は一度溶かしてから再生するため、リサイクルされるまでにいくつかの工程を踏んでいます。ワンウェイ瓶が生まれ変わるまでの工程についてご紹介します。
資源化センターで分別
家庭や飲食店から回収された瓶は、市町村が管轄する資源化センターで「無色」「茶色」「その他の色」(黒・緑など)の3色に分別されます。このときに一緒に金属やプラスチック、耐熱ガラスでできたガラス瓶などの異物も取り除きます。分別が終わったガラス瓶は、カレット化を行う工場へと引き渡されます。
カレット工場でバラバラに
カレット工場に運ばれたガラス瓶は、細かく砕かれてカレットになります。その後、磁力や風力を使った選別機や金属探知器、ラベル・アルミ・陶磁器などを選別し除去する装置など、いくつもの機械にカレットを通して細かい異物を除去します。カレットに異物が混入していると新しいガラス瓶の強度に関わってくるので、この工程は瓶の品質に直結する重要なものです。異物が除去されたカレットは、今度はガラス瓶にリサイクルするための工場へと運ばれます。
ガラス瓶工場でリサイクル
カレットを溶解炉で溶かしたら、金型に入れて瓶の大まかな形を作ります。その後、圧縮空気で形を整えて冷やせば、新しいガラス瓶の完成となります。こうして作られた新しいガラス瓶は瓶詰工場へと運ばれ、中身を詰めたら商品として販売店に届けられます。
リサイクル率向上!エコロジーボトルとは?
1991年に画期的なリサイクルガラス瓶が誕生しました。それが「エコロジーボトル」です。最後は、このエコロジーボトルについてお伝えします。
エコロジーボトルとは?
エコロジーボトルとは、リサイクルされたガラス瓶の中でも原料としてカレットが90%以上使われている瓶のことをいいます。さらにその中でも、無色と茶色以外の瓶からできた「混色カレット」が90%以上使用されているエコロジーボトルのことを「スーパーエコロジーボトル」と呼んでいます。混色カレットでできたボトルはいくつかの色が混ざっているため利用を敬遠されがちでしたが、リサイクルの風潮の高まりとともにスーパーエコロジーボトルとして脚光を浴びるようになりました。スーパーエコロジーボトルの強度は通常のガラス瓶と比べても遜色はありません。
エコロジーボトルは環境に優しい
エコロジーボトルに限らず、カレットを原料にしてガラス瓶をリサイクルすると、ケイ砂(しゃ)や石炭石、ソーダ灰といった、ガラス瓶の主原料となる天然資源を節約することができます。またガラス溶解の際に消費するエネルギー量についても、カレットの使用比率を10%増加させるだけで、天然資源のみを使用した場合よりも約2.5%削減できます。つまり、原料の90%がカレットになっているエコロジーボトルは、理想的なリサイクル製品なのです。
リサイクルは一人ひとりの心掛けから
リサイクルの技術は進化しています。しかし、どんなに技術が発達したとしても、まず私たちがゴミの分別・回収に協力することからはじまります。リサイクルの起点は消費者である私たちなのです。大量消費時代は転換点を迎えています。これまでリサイクルを積極的に行ってきた人も、そうでない人も、これからゴミを捨てる際は、「どうすればゴミの量を減らすことができるか?」「どうすればリサイクルに協力できる?」を今以上に考え、取り組んでみてはいかがでしょうか?
制作:工場タイムズ編集部