日常生活の中に何気なく溶け込んでいる自動販売機。コロナ禍で非接触での買い物ができるメリットから、様々な企業が参入しています。今では飲み物やお菓子だけではなく、冷凍食品、できたて熱々の麺類、高級アクセサリーや香水など幅広いジャンルの商品が自動販売機で買えるようになりました。
自動販売機にハイテク技術を追加したもの、例えばカメラを搭載しAI(人工知能)が内蔵された進化系自動販売機は顧客ニーズにマッチした商品の提供ができるようになっています。
近年、SNSなどでなにかと話題になっている自動販売機。その話題の理由と進化系自動販売機について、また買ってみたくなるような(?)変わり種自動販売機をご紹介します。
自動販売機がアツい理由とは?
なぜ自動販売機がアツい?その理由を調べてみました。
いつでも買える手軽さ
自動販売機は基本24時間365日いつでも購入できます。画像やサンプル陳列などで商品が一様にチェックできるため、店内に入って商品を探すスタイルのコンビニに比べ手軽で、待ち時間もありません。
商品を選んでから自分のものになるまでの時間がとにかく早い。この「速さ」に魅力を見出す若者に受けているようです。
キャッシュレス決済機の普及
一昔前の自動販売機での購入は現金のみの販売でした。ところが最近の自動販売機はクレジットカードやデビットカード、電子マネーやスマートフォン決済、QRもしくはバーコード決済など、さまざまな種類のキャッシュレス決済に対応できるものが増えてきました。
現金を持たずスマホひとつで交通機関を利用し、買い物をする若い世代。そのニーズにもこたえられる自動販売機が増えてきたことも人気のポイントだと考えられます。
コロナ禍による非接触での買い物
コロナ禍で人対人の買い物が敬遠され、非接触で買い物が完結する自動販売機が見直されるようになってきたことも理由の一つ。
タッチパネルやボタンなど人が触れる部分が抗菌加工されているタイプも増え、今まさにニーズに応えられる販売方法だといえます。
自動販売機で購入すること自体がエンタメ
生活に必要なモノ、便利なモノが身の回りにすでにそろっている現代。「モノ」に価値を感じる「モノ消費」よりも、「経験」や「感情の高揚」といった目に見えないモノ、いわゆる「コト消費」に価値を見出す人が増えてきました。
「自動販売機で商品を選んでタッチパネルを押す→スマホで決済→商品が手に入る」この一連の経験がエンタメとして捉えられていると考えられます。
販売商品の多様化
販売商品の種類も多様化しています。自動販売機には主に保温、冷蔵、冷凍などの機能が備わっており、これらの機能にレンジ機能を追加し、熱々の麺類の販売、冷蔵ではケーキ、野菜、果物といった食品、また冷凍で餃子や一流レストランのグルメが購入できる自動販売機が登場しました。
食品以外にもアクセサリー、服、香水などの自動販売機も。ネットで商品を買う感覚で「ポチる」代わりに「タッチパネルでポン」と購入でき、そのまま持って帰れることも魅力のひとつでしょう。
進化系自動販売機とは?
最新のハイテク技術を駆使した賢い自動販売機も増え、よりニーズに合った商品の提供が可能になっています。また「ここでしか手に入らないグッズ」のプレゼントなど、消費者のハートをガッチリつかんだサービスが「買ってみたい」気持ちにつながるようです。
カメラ搭載、AI(人工知能)内蔵型
自動販売機にカメラを搭載しAI(人工知能)が内蔵されたものは、購入希望者個人にぴったりの商品を提案するレコメンド型自動販売機として活躍しています。
また搭載のカメラは購入者や興味を示した人をチェック、内蔵されたAIがその人の外見や性別、視線などの情報を分析し、どのような人にどのような商品が売れるのかをリサーチできます。
付加価値サービス追加型
スマホのゲームとタイアップして、自動販売機がゲームの拠点やバトルポイントとして登録されているものがあります。
例えば伊藤園はスマホゲーム「ポケモンGO」とタイアップし、登録された自動販売機が「ポケストップ」(ポケモン捕獲に必要なツールを入手できるポイント)や「ジム」(他プレイヤーとのバトルポイント)としてゲーム内に登場しています。
また、アパレルブランドの「NEW ERA」では羽田空港の出発ロビーにキャップやソックスなどの自動販売機を設置。購入時に限定のステッカーがプレゼントされます。
災害対策対応型
「ライフライン自動販売機」と称されるタイプです。対応の自動販売機は緊急時の避難場所に指定されている病院や学校といった場所に設置されています。
通常は飲料の自動販売機ですが、災害で停電した場合、簡単な操作で充電池から自動販売機に必要な電力が送られ、被災者に飲料などを無償で提供できるタイプです。
社会貢献型
搭載されているカメラが自動販売機本体の防犯機能だけでなく、社会貢献にもつながっています。災害時に被害地域の映像などを送ることができるので、遠隔地から被害状況の把握が可能になります。
また「地域防犯型自販機」と呼ばれるタイプは近隣で犯罪や事件が起こった場合に録画した映像データを警察に提供し、「街の見守り」役として犯罪防止に貢献します。
知名度向上のための看板型
自動販売機はインターネットのみで販売展開している、D2Cブランドにとっては新たな顧客獲得のチャンスでもあります。ターゲット層が行きそうな商業施設や娯楽施設などに設置することで広告塔の役割になるのです。
インパクトのあるデザインの自動販売機で足を止めてもらい、ブランドを知ってもらうことで大きな宣伝効果になるといえます。
買ってみたくなる!変わり種自動販売機5選
全国にある「え!?」と驚くような商品が販売されている変わり種自動販売機。
その中から選りすぐりの5つをご紹介します。
昆虫食の自動販売機【東京都】
根性試しになりそうな昆虫食の自動販売機。実は昆虫はタンパク質や食物繊維が多く、これからの栄養として注目されているそう。でも、見た目が…。コオロギ、サソリ、タガメ、イモリなど、「本当に食べて大丈夫?」と心配になるラインナップが30種類近くそろっています。
初心者用に粉末を配合して作られたクッキーやプロテインバーなども。
おひとついかがですか?
昆虫食自動販売機
設置場所:アメ横センタービル
東京都台東区上野4-7-8
全国の珍サイダー自動販売機【福島県】
インスタやテレビ番組でも取り上げられた農道脇にあるコインロッカータイプの自動販売機。全国各地の珍しい瓶サイダーが2本ずつ購入でき、どれも500円。
「鰻サイダー」や「長崎かすていらサイダー」「カレーパンサイダー」など。聞いただけで「え!?サイダー?」と驚くはず。「どんな味?」と、興味本位で試したくなりますね。
珍サイダー自動販売機(Google mapにも載っています)
設置場所:福島県福島市町庭坂矢細工5
プチプチ緩衝材の自動販売機【愛知県】
割れ物に巻くプチプチ緩衝材の本社前に設置されたプチプチの自動販売機。赤、緑、青、黄などカラフルなプチプチが購入できます。
商品は幅60cm 長さ42mのプチプチのロールなので、抱えるほどのビッグサイズ。この「買ってどーするの?」というツッコミが入る自動販売機がウケるみたいです。
おまけとして、おもちゃクリエーターの高橋晋平さんが制作した謎解きクイズもついてきます。ストレス発散に、プチプチしながらクイスを考えるのも楽しそうですね。
プチプチ+ナソ解きクイズの自動販売機
設置場所:川上産業
愛知県名古屋市中村区千成通2丁目50
https://www.putiputi.co.jp/putilabo
仏像の自動販売機【京都】
嵐電の太秦広隆寺駅の近くやのホームに仏像の自動販売機があります。2~3cmほどのかわいいミニサイズの仏像やおみくじ、数珠などが購入できます。「仏像!?」と驚くのは日本人だけらしく、外国人の観光客からは人気だそう。
どんな仏像が販売されているのか、見てみたくなりますね。そしてご利益はいかに?
仏像の自動販売機
設置場所:太秦広隆寺駅、駅近く
京都府京都市右京区太秦組石町
AI分析によるオリジナルアイカラーの自動販売機
機械の前に立つと顔の印象や輪郭、肌の色などを写し、AI技術と独自の分析により、その人に合うアイカラーを4色、26色の中から選び出してくれます。
「自分に合う色」をAIが調べてくれるというサービスで注目されています。アイシャドウの保護シートには名前がプリントされる特典付きです。
KATE iCON BOX
設置場所:期間により移動のためサイトでご確認ください
https://www.nomorerules.net/
まとめ
いま自動販売機がアツい理由と進化系自動販売機について、また変わり種自動販売機5選を解説しました。自動販売機はいつでも購入でき、非接触でサービスが受けられることから人気になってきています。また「コト消費」を重視する若い世代のネタ提供にも。
最新技術搭載の自動販売機は防犯の仕事もこなす頼りになる存在ですね。これからも時代のニーズ合にわせて「え!?こんなものまで売っているの?」と驚かされる様々な自動販売機が登場するかもしれません。
あなたの街にも「変わり種自動販売機」があるでしょうか? ぜひ調べてみてくださいね。
制作:工場タイムズ編集部