若い世代から「生まれる前だけどエモい」と人気の「平成レトロ」。つい何年か前までは平成だったのに、「え、平成ってもうレトロなの? 」と驚きですよね。
平成の中でも「平成レトロ」にあたるのは、平成元年〜平成10年くらいの時期。
通信機器が発達したり、パソコンが普及してライフスタイルが急速に変化したり。某女性芸人さんが「しもしもー? 」とネタをやる時のようなドデカい携帯が小型化され、携帯やPHSでどこにいても電話で話せるようになるなんてことが実現した時代です。
新しいものが次々と出てきて勢いがある時代を象徴するように、「ポップな色使いのアイテム」や「デコ電」「カラフルなメイク・ファッション」が人気を博しました。
この記事では、「まったりチル」が主流の令和の今にふさわしい「平成レトロ文化」をピックアップしてみました。ぜひ参考にしてみてください!
なぜ、平成レトロ?昭和レトロと何が違うの?
Z世代にとっての平成レトロは、生まれる前の時代に触れることができる、目新しい文化。また、Z世代の親にとっても、幼少期を過ごした時期として懐かしむ人が多数います。
そんなZ世代を中心に、令和の昨今、平成レトロのブームがやってきました。
平成レトロと昭和レトロの違い
平成レトロとは主に、平成初期を中心に流行っていたテイストのことを指す場合が多いようです。平成が始まった頃というと、現在のデジタル社会の前身のような時代で、アナログとデジタルの中間に位置する物が作り出されていました。
それに対して昭和レトロは、アナログ感が強い、高度経済成長期を軸にしたトレンドです。いわゆる、昔ながらの東京下町のような、あたたかみのあるノスタルジックな雰囲気をイメージすると、平成レトロとの違いが明確になります。
平成は、ギャルファッションやファミコン、ガラケーといった流行からくるポップなイメージ。一方、昭和は駄菓子屋や純喫茶、東京タワーなどの町並みから連想される、落ち着いた情緒あふれるイメージという違いがあります。
海外のレトロブーム
平成レトロと同時期に、韓国ではニュートロというレトロブームが起こりました。
カセットやLPなど、90年代前後のノスタルジックな物を取り上げた流行で、newとretroを組み合わせたニュートロという名称が付けられました。ファッションや音楽などの分野でも、レトロと現代のスタイルをかけ合わせた新しいジャンルとして、ニュートロブームの波がきています。
また、世界的にはY2Kファッションブームがおこり、日本でも2000年代前後の文化やファッションが昨今のトレンドです。Y2Kとは、Year2000の略で、ファッションを中心に2000年頃のリバイバルが起こっています。
レトロブームは日本のみならず、世界中で一定の周期ごとにまわっています。
「平成レトロはなんか違う…」「違和感がある」という声も?!
平成レトロがブームになる中、平成とレトロという単語の組み合わせに違和感を覚える人が一定数いるようです。「平成はまだ、レトロを付けられる覚悟ができていない」という声も聞かれます。
確かに、平成全体をレトロに結びつけてしまうと、「平成が終わったのは、ついこの間の出来事なのに…」と違和感を抱きやすくなってしまうかもしれません。
平成は、始まりと終わりの生活を比較すると、IT分野を中心に大きな進歩を遂げた時代です。平成初期の中にレトロを見い出すという解釈をすると、平成レトロはしっくりくる自然な言葉となって、今後も続いていくかもしれませんね!
ここからは、そんな平成の中のレトロを感じられる、平成ブームの中身をご紹介します。
平成レトロな音楽を楽しもう
現在もサブスクで特集が組まれ、人気がある「平成レトロソング」。皆さんはどんな曲を思い浮かべますか?
90年代はJ-pop全盛期。様々なアーティストが活躍していましたが「チルなんて関係ねぇ! 」とばかりにテクノやダンスミュージック、ロックなど近未来的・個性的・メッセージ性が強いものが人気でした。
90年代前半は「TRF」や「globe」「華原朋美」「安室奈美恵」などの「小室ファミリー」が大流行。後半は「モーニング娘。」や「宇多田ヒカル」など大物アーティストが続々とデビューしています。
TVありきな音楽
インターネットが発達していない時代だったため、TVでは音楽番組がたくさん放送されており、出演すれば人気が出やすかったのも特徴。CM・ドラマのタイアップから流行るものも多くありました。
音楽番組だけでなく「ポケットビスケッツ」「ブラックビスケッツ」などTV番組からデビューしたグループも。バラエティで活躍していた「猿岩石」がミリオンヒットを飛ばすなんてこともありました。
TVが情報源の平成初期はチャンネル選びが重要。ちゃぶ台はひっくり返りませんが、よくチャンネルの取り合いから兄弟・親子喧嘩にまで発展したものです。
音楽機器や記録媒体の進化がすごい!
おじいちゃんやおばあちゃんが思わず「おら、もうついて行けねぇ! 」と言うくらい、音楽環境の進化も目まぐるしかったのも平成初期ならではの特徴です。
CDのディスクは「8センチシングル」から12センチの「マキシシングル」が主流へ。当時はまるでCDの親になったかのように「大きくなったねぇ」とディスクの成長を見守ったものです。
録音媒体はカセットテープから「MD(エムディー)」へ移行…しようと思ったら、フラッシュメモリの登場で少しの期間で役目を終えてしまいました。
8 センチシングルで平成レトロ気分を味わおう
カセットテープは現在でも「CDラジカセ」を持っていれば気軽に使うことができます。
当時を知らない世代からは「A面」「B面」の入れ替え、巻き戻し作業の手間などの「不自由さ」が人気の秘密。
エモいと感じるか面倒と感じるかはあなた次第ですが、お母さんやお父さんが持っているカセットテープを借りて試しに使ってみるのも一興です。テープが弛んでいなくても伝説の巻き取り作業「鉛筆クルクル」ごっこをぜひ試してみてください。
今、平成レトロ気分を楽しむなら、8センチシングルを中古屋で買って帰り道に「CDウォークマン」で聴きながら帰るのもおすすめ。
「買ったCDを家に帰るまで待てずに聴いちゃう」気持ちをぜひ味わってみて! 間違いなくエモいはず。
平成レトロなおもちゃで遊ぼう!
平成レトロのおもちゃといえば、やはり「たまごっち」。今も販売しているので、知っている方も多いのではないでしょうか?
タマゴ型の液晶画面の中で、たまごっちのお世話をして育てるおなじみのゲームですが、平成初期には人気すぎて売り切れ必須の商品でした。
家族総出でお世話するたまごっち
ちょっと放置するとフンだらけになったら死んでしまう繊細すぎるたまごっち。持ち主の子どもが学校に行っている間は親が代わりにプレイすることに。
最初は嫌々やっていた親も、素朴で繊細なたまごっちに愛着が湧いていたかもしれません。うっかり放置して子どもに怒られるなんてこともしばしば。
デザインにパステルカラーが使われるなど、子どもらしく可愛いイメージでしたが、令和にはお洒落なデザインのたまごっちが再登場。ファッションアイテムとしてコーデに合わせて楽しめます。
クールなデザインなのに、画面の中は「あ、フンだらけになってる…」っていうのもシュールで面白いかもしれませんよね。
写真で平成レトロを表現してみよう!
最近はスマホで綺麗な写真が撮れますが、携帯に写真機能がない当時の若者は「インスタントカメラ」や「チェキ」を使って撮影していました。
友だちと遊びに行くときは大体「プリクラ」を撮るので、今より写真を撮ること自体が少なかった印象です。
当時の共通言語「写ルンです」を使って平成レトロ気分に
今も売っている、富士フイルムのインスタントカメラ「写ルンです」で写真を撮って写真屋さんに現像に出せば、平成レトロな気分を味わえるでしょう。
「どんな写真が撮れているのか」「むしろ撮れているのか? 」現像されるまでのワクワク感がそこにはあります。わざわざ焼き増しして友だちにプレゼントするのも楽しいですよね。
ちなみにインスタントカメラの写真は全然盛れませんのでご注意を! 盛れないどころか、現像したら暗すぎて見えないなんてことも。私たちはどこにいるの? と探しても永遠に行方不明です。
少しでも可愛く見せたいパートナーとの写真は、スマホか現代のプリクラで撮った方が良いかもしれませんね!
平成レトロの特徴・まとめ
令和の今、気軽に楽しめる平成レトロ文化をご紹介しました! いかがでしたでしょうか?
平成レトロは、平成中期〜後期しか知らない世代にとって「新しく感じるけどエモい」のが人気の理由。
「昭和レトロ」は昔すぎて身近に感じられないけど、平成レトロなら親世代から話で聞いたり、幼い頃にアイテムが家にあったりして身近に感じる方も多いのではないでしょうか?
平成レトロを令和の今に楽しむことで、さらにエモさが生まれるのかもしれません。「古き良き」ならぬ「新しき良き」平成レトロをぜひ味わってみてください!