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麻雀は仕事に役立つ⁉ オリンピックを目指す“マインドスポーツ”「麻雀」世界初のプロ麻雀リーグ『Mリーグ』に見る麻雀の魅力 ~前編~

2019/02/06公開

麻雀がオリンピックの正式種目に!? というニュースが話題です。工場タイムズ読者の中にも、普段から麻雀をたしなまれる方、もしくは昔やってたよ、なんていう方がいらっしゃるのではないでしょうか。

2018年10月にプロの雀士が7つのチームに分かれて闘う「Mリーグ」が開幕して以来、それまでの麻雀のダークなイメージが払しょくされて、クリーンなイメージに変わりつつあります。「レジャー白書2018」(公益財団法人 日本生産性本部)によると、日本では500万人もの方たちが麻雀を余暇として楽しんでいます。

エンタメ業界でも、今年4月には斎藤工さん主演の映画「麻雀放浪記2020」の公開が予定されていたり、麻雀を題材としたマンガやアニメが人気だったりと、改めて注目を集めています。また集中力や想像力が鍛えられるので、マインドスポーツ(頭脳運動)といった側面でも話題に。「(持続可能な)集中力が増して仕事で役に立った」「楽しく脳トレできた」「仕事やプライベートのストレス解消された」など、新しい魅力も多くの方に受け入れられています。

そこで工場タイムズでは、麻雀がオリンピックの正式種目となることを目指しているという「Mリーグ機構」に取材を敢行。「麻雀」の魅力や気になる仕事への影響について、徹底的に語ってもらいました。記事の最後には、バラエティーやグラビアで活躍中の女流プロ雀士・岡田紗佳さんのスペシャルコメントも!

若い世代を中心に、麻雀の熱狂的なファンが急増中の「Mリーグ」

パブリックビューイングで「Mリーグ」の試合をリアルタイムに観戦。プロの打ち方にファン同士が熱く意見交換する姿も!

21名の「Mリーガー」たちがユニフォーム姿で麻雀を戦う「Mリーグ」が、2018年に誕生しました。

「Mリーグ」の全試合が生中継されているインターネットテレビ局「AbemaTV」では、試合のたびに戦況やMリーガーのプロならではの打ち方に関するコメントが多く寄せられSNSでも拡散されるなど、ファンの間では熱狂的な盛り上がりを見せています。

若い世代を中心に「麻雀」の新しい風を吹き込んでいる「Mリーグ」を取材することで、麻雀界の最新事情がわかるはず! タバコの煙もくもく、徹夜、ギャンブル? などなど、少しダークなイメージがある麻雀ですが、「仕事に差し支える」ことなく楽しむ方法はあるのでしょうか?

様々な疑問を聞きに、「Mリーグ」の本丸・一般社団法人Mリーグ機構の塚本泰隆さんにお会いしてきました。

麻雀の「オリンピック正式種目化」。この大きな目標に向けて発足した「Mリーグ」

学生時代プロ雀士だった Mリーグ機構の塚本泰隆さん

——いま、麻雀ブームって本当にきているんですか?

塚本泰隆さん(以下、塚本):世の中の流れとして、麻雀ブームは「きてる」と思います。若い世代を中心としたインターネット麻雀の普及のほか、例えばシニア層が認知症予防のためなどで行う「健康麻雀」は、頭を使うだけじゃなく手先も使うので、良い刺激になるとされています。また、子供教室の知育のツールとしても注目されていたりします。

——そもそも「Mリーグ機構」とは、どんな機構なのでしょうか?

塚本:「Mリーグ機構」は、麻雀のプロスポーツ化を目的に設立された一般社団法人で、チームを所有している企業とプロ契約を結んだプロ雀士がチームを代表して試合に出場するという、世界初のプロ麻雀リーグ「Mリーグ」を発足しました。従来の麻雀は個人競技ですが、Mリーグは7つのチームが頂点を競い合う団体競技として、初年度は各チーム80試合を行い、3月からファイナルシリーズが始まります。

——「Mリーグ」の魅力って、なんですか?

塚本:麻雀は、観て楽しめるものなので、テレビやネット動画などのコンテンツとして適しているんです。ゲーム自体が非常におもしろくて、いろんな駆け引きがあって、1ゲーム中にいくつもドラマが生まれます。まさに「試合」なんですが、その模様をリアルタイムの映像で楽しめるようにしたのが「Mリーグ」です。実際に戦っている選手には当然わからない相手の手牌が観戦者には丸見えになるわけですから、フィジカルでぶつかりあうスポーツ観戦とは違った楽しみ方ができます。

——麻雀はスポーツだと、聞いたことがあります。

塚本:はい。麻雀は「マインドスポーツ」です。勝ちに対して貪欲に、頭を働かせて、いろんな感情を隠したり表したりして闘うスポーツです。各チーム、誰が出場するかというところから戦略を練り、個人ではなくてチームでの勝ちにこだわるのがMリーグです。チームを所有している企業の期待を背負って半年間戦い抜く、健全なマインドスポーツだと認識しています。

——麻雀をオリンピックの正式種目にしたいって、本当ですか?

塚本:麻雀の「オリンピック正式種目化」。この大きな目標に向けて「Mリーグ」は発足しました。麻雀の競技性の問題として、ルールが統一されていないというのがあるんですが、まずはそこから取り掛かりました。国ごとにルールが違いますし、同じ国でも例えば日本の既存ユーザーはローカルルールで麻雀を楽しんでいます。

オリンピック競技のように世界中が観戦するケースでは、代表的なルールは1つであるというのが不可欠なんです。ですので、まずは「Mリーグ」のルールが世界基準として採用されることを目指しています。「日本の麻雀ルールって、Mリーグルールだよね」という意味で、「Mリーグ」がフロントに立てればベストです。

——「Mリーグ」は、どんな方に見られているんですか?

塚本:視聴人数という点で、手応えは感じています。女性比率も2割ありますし、麻雀ファン以外にも視聴いただけています。麻雀ルールを知っている人たちでは、30代~40代より上は麻雀離れしているケースが多いのですが、観戦するだけでも楽しめると思います。10代~20代であれば、マインドスポーツのカッコよさに惹かれて、自分も出てみたいと思ってくれるのでは? と期待しています。「クラブチームのために打つ」というこれまでの麻雀にない新しい形は、ファン層拡大につながっていくと思います。

麻雀をスタジアムで観戦するという、まったく新しい楽しみ方

東京の臨海エリア「港区海岸」にあるスタジアムで観戦する「パブリックビューイング」では、若者たちの熱気があふれる

——実際の「Mリーグ」の試合について、教えてください。

塚本:「Mリーグ」の試合は、選手4人以外は誰もいないスタジオで行われます。そして、その模様を隣接する別の建物でパブリックビューイング観戦できるのが「Mリーグ」の醍醐味なんです。パブリックビューイング席は、「みんなで観る」ということを促進させる目的で作られています。AR機能に対応している最新カメラを使用することで、ゲームの様子と選手の情報を同時に視聴でき、ゲームの勝ち負けだけではなく、プロたちの打つスタイルや緊張感までをも楽しめます。サッカーでゴールを決めそうなところをみんなで応援するのと同じ感覚で、ゲームを観てもらいたいと考えています。

最新の全自動麻雀卓は真っ白。手元が明るく見やすい

選手4人が戦う舞台は、圧迫感がなく、ゲームに集中できる雰囲気

臨場感あふれるAR機能に対応する、最新カメラ。日本国内で常設所有しているスタジオは「Mリーグスタジオ」だけ

スタジオ設計もこだわりが満載

——試合を中継する裏側は、どうなっていますか?

塚本:スタジオがある建物も、細部にこだわっています。デザイナーNIGO氏に控室まわりをデザインしていただき、見た目のカッコよさも追求しました。

選手の控室はメジャーリーグの選手のように、大きなロッカーを完備。在室を知らせるランプは(場風を意味する)「東」「南」「西」「北」とし、各部屋の外に設置しています。集中力を高めるためにブレンドしたオリジナル珈琲などの嗜好品も選手に好評です。麻雀のイメージを、明るくて健康的なものとするために、小さなことも手を抜かずに取り組んでいます。

試合が終わったあと、選手がパブリックビューイングの会場に駆けつけてお話しをするファンサービスもあります。観客と一緒に写真を撮ったり、ファンミーティングみたいな雰囲気でたくさんの方々にお楽しみいただいており、今シーズンのチケットは全て完売しました。

実況、解説席

大リーグを思わせる、広々としたMリーガー(選手)控室

在室を知らせるランプは「東」「南」「西」「北」。デザインはNIGO氏が手掛けている

選手の集中力を高めるオリジナルブレンドの珈琲

飲料水もMリーグのロゴ入りと、こだわりが

編集室ではARの技術者が1試合1試合リアルタイムに対応

麻雀にはリラクゼーション効果もあり、ストレス解消につながる

——麻雀は仕事や実生活でどのように役立ちますか?

塚本:麻雀は、4人集まらないとできない、時間がかかる、タバコの煙が気になるなど、趣味として気軽に楽しむにも社会人にはハードルが高い要素がいくつもあります。ですが、最近はインターネット麻雀などの普及のおかげで、少し事情が変わってきたんです。

ゲームは仕事の休憩時間にも手軽にできますし、スマホを使う若者にも始めやすいコンテンツです。10分程度で気分転換になるので、仕事でストレスがたまったときや、通勤中などの空き時間にゲームで麻雀に触れていただけたらと思います。脳トレにもなるので、リフレッシュコンテンツとも言えますし。もちろん本気で対戦することで集中力が鍛えられるので、仕事にも役立ちます。

子供の麻雀教室やゲームによって小さいころから麻雀脳を鍛えていくことで、将棋の藤井聡太さんのようなスターが生まれるかもしれません。マインドスポーツとしての麻雀が、これからさらにメジャーになっていくことを、願っています。

特別コメント!「美しすぎる女流プロ雀士」岡田紗佳プロが語る『麻雀の未来』

岡田紗佳(おかだ・さやか)。1994年2月19日生まれ。数々のバラエティー番組出演のほか、グラビアアイドル、ファッションモデルとしても活躍中。日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士。2018年9月放送の「芸能界麻雀最強位決定戦 THEわれめDEポン」(CS フジテレビONE)では、超最難関の役として知られる幻の役満「九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)」を成立させ話題に!

岡田紗佳:実家に全自動麻雀卓があったので、6歳のころから家族と一緒に麻雀をしていました。ルールは、日本麻雀とは役の数や牌の数が違う、中国麻雀です。なので、3年くらい前まで日本麻雀のルールを知らなかったんですよ。プロになってみようと思い、2年くらい前から日本のルールを勉強して覚えました。

「Mリーグ」は麻雀のイメージアップに大きな貢献をしていると思いますし、団体競技として新しい魅力も発信しています。そんな「Mリーグ」のルールが世界基準になれば、オリンピックの正式種目化も夢じゃないかもしれません!

************
「Mリーグ」が盛り上がり、広く認知されてファン層が拡大することで、麻雀のイメージはますますクリーンになっていくことでしょう。「マインドスポーツ」としてオリンピックの正式種目を目指すなど、「Mリーグ」を中心にした麻雀界の動きもさらに活発になってきています。

麻雀は真剣に打てば高い集中力が身に付くので、仕事面でのメンタル強化も期待でき、娯楽コンテンツとしても手軽にストレス解消できます。多忙な社会人にとって、強い味方になってくれる麻雀。さっそく始めてみませんか?

次回「後編」は、俳優の萩原聖人さんに麻雀の魅力を徹底的に語っていただきます。意外にも!? 仕事にも役立つアドバイスが満載です!

続き(後編)を読む

「魅せる打ち方にこだわり、麻雀ファンのすそ野を広げていきます。麻雀、Mリーグのことならなんでも聞いてください!」(萩原聖人)

<公式サイト>
M.LEAGUE(Mリーグ)公式サイト
https://m-league.jp/

<公式Twitter>
Mリーグ(プロ麻雀リーグ) (@m_league_)
https://twitter.com/m_league_

<Mリーグ パブリックビューイング チケット購入サイト>
https://t.pia.jp/pia/events/m-league/

取材・文/志野順子(コレロ)、撮影/五十川満、編集プロデュース/藤田薫(ランサーズ)

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