小学生のころ、自由研究で自分の好きな作品をつくったり絵を描いたりしますよね。その作品をコンテストに応募して、なにかの賞を受賞したなんて人もいるのではないでしょうか。最近、そのような「モノづくりコンテスト」が増えています。業界や年齢に関わらず、初心者や未経験の人でも参加できるコンテストがほとんどです。そこで今回は、身近になりつつある「モノづくりコンテスト」について迫ります。
モノづくりコンテストとは?
これまでのモノづくりコンテストは、自動車整備部門や電子回路組立部門など、専門分野を扱う学校や団体などが主催をしていました。そのため、工業高校の学生などが習得した技術を使って競争し、披露する場という印象を持っている人もいるでしょう。技術を持っていない学生や一般の人にとっては、ハードルの高いコンテストがほとんどでした。
しかし最近では、応募資格自由というコンテストが増えています。大学や研究機関だけでなく民間企業もコンテストの開催に積極的です。若い世代の製造業離れを防ぐための試みとして、モノづくりコンテストを開催しているのです。そのため、技術やモノづくりに詳しい人以外の参加がしやすくなりました。
どうやって応募するの?なにをつくればいいの?
モノづくりコンテストの情報はインターネットで調べることができます。「モノづくり コンテスト」と検索してみましょう。開催情報や概要、応募要項などについて知ることができます。応募資格のところに、「一般」や「自由」という表記があるコンテストは、経験や立場に関係なくより気軽に参加できるのでオススメです。
もし参加したいコンテストが見つかったら、応募するための提出物を確認しましょう。作品制作部門であれば、コンテストの内容に沿った作品を提出します。また、作品の提出ではなくアイデアだけで応募できるコンテストもあります。この場合は、企画書やプレゼンテーションの資料を提出すれば応募完了です。
作品のテーマは、コンテストごとにたくさんあります。「エコ」がテーマのコンテストでは、普段はゴミとなるペットボトルなどの材料からつくられた作品が並びます。また、電話会社が開催する「未来の携帯電話デザインコンテスト」や新時代を想像した「発明コンテスト」など、コンテストごとにユニークなテーマが選定されています。
どんなコンテストがあるの?
「一般企業」「地域」「研究機関と民間企業の連携」など、コンテストにはいろいろな主催者がいます。以前よりも主催者の幅が広がったので、コンテスト自体のテーマや趣旨も幅広くなりました。高度な技術の発表だけではなく、世の中にない画期的な作品やアイデアが広く募集されています。では、どのようなコンテストが開催されているのでしょうか。近年開催されたコンテストの例を紹介します。
「3Dプリンタによるデザインが可能で、皆に驚きを与えるモノ」
IT企業が開催したコンテストで、話題の3Dプリンタを活用したモノづくりコンテストです。応募作品は、ファッション、インテリア、フィギュアなど幅広く集められました。
アイデアがあれば、初心者でも簡単にモノづくりができる「3Dプリンタ」の技術や魅力をPRするために開催されたコンテストです。
「ビジネスに新しいアイデアを」
企業、教育機関、行政の三者連携で開催されたコンテストです。製品やソフト、ビジネスコンテンツなどに対して新しいアイデアが集められました。
学生の研究意欲を向上させ、斬新なアイデアで産業を活性化することを目的として開催されました。アイデアのみで応募が可能で、企画書による書類審査が行われました。
「伝統工芸を日常の生活に取り入れる」
自治体と教育機関によって開催されたコンテストです。常識にとらわれない工芸品の使い方に関するアイデアが文章やイラストで集まりました。
伝統工芸品を日常的に使うイメージが薄れてきています。そのため、伝統技術が生まれた地域であっても工芸品の利用が昔に比べ減っています。コンテストを開催することで工芸品が注目を浴び、地域の活性化を目指しました。その目的通り、伝統技術が生まれた地域以外からの応募もたくさんありました。
あなたのアイデアが商品に!
3Dプリンタなどによって、自分のアイデアをより簡単に実現できるようになりました。今後技術が進歩すれば、初心者にとってのモノづくりへのハードルは今よりも下がるでしょう。また、実際にモノはつくらなくても、アイデアだけで応募ができるコンテストに参加すれば気軽にモノづくりに関わることができます。応募されたアイデアを実際に商品化するコンテストもあります。あなたの応募したアイデアが街中のお店に並ぶかも?
制作:工場タイムズ編集部