「趣味はカメラ」「ものづくりが好き」「旅が好き」…そんなあなたにおすすめのスポットがあります。それが近代化産業遺産です!
近代化産業遺産とは、日本の近代化に大きな役割を果たした文化遺産のこと。全国にある工場や病院、旅館の建物などが指定されています。
日本の「近代化」の時期…つまり江戸時代や明治時代に作られた建物や機械なので、佇まいも雰囲気もめちゃくちゃカッコいいんです。きっと写真好きにはたまらないはず!この記事では、そんな近代化産業遺産に指定されたスポットをご紹介します。
※新型コロナウイルスの影響で、営業日や営業時間の変更、中止になっている場合があります。お出かけを予定されている方は、事前に最新の公式情報を必ずご確認下さい。
カメラを持って撮影旅へ!
「近代化産業遺産なんて堅苦しそう」って思っている方もいるかもしれません。でも、中には有名な観光地も多いんです。
例えば、長崎県の「軍艦島(端島)」。日本のものづくりを支えた「石炭」の採掘が盛んに行われていた島で、日本だけでなく海外でも有名なスポットですね。
あとは、温泉好きの聖地「道後温泉本館」も近代化産業遺産に指定されています。どうでしょう? 少し身近に感じられてきませんか?
ちなみに近代化産業遺産に指定されている建造物は、経済産業省のHPからチェックできます。その中から今回は「ここを紹介したい!」とピックアップした3つの遺産を紹介します。行楽シーズンに、ぜひカメラ片手に近代化産業遺産を訪ねてみましょう!
「韮山反射炉」静岡県伊豆の国市
まず最初にご紹介するスポットは「韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)」です!
写真を見ると分かるとおり、どこかヨーロピアンな雰囲気の塔が2基。積み上げられたレンガ、そしてクロスした木組みを観ていると、なぜか某進撃アニメを思い出しました…!
自然豊かな伊豆の国市にあり、春は桜、秋は紅葉と、四季折々の自然とともに撮影が楽しめますよ!
「反射炉」って何?
反射炉とは、金属を溶かすための「溶解炉」のこと。
韮山反射炉は幕末期に水戸藩が作ったもので、外国船に対抗できる大砲を作るために作られました。ちなみに実際に使われていた反射炉は、国内でここ韮山反射炉しかないんだそう!
そんな功績が認められ、2007年に近代化産業遺産に指定された後、2015年には世界遺産に登録されています。
運が良ければ、世界遺産が2つ同時に見える?!
韮山反射炉に行った際、晴れていたら絶対に立ち寄ってほしいのが「展望デッキ」です。
展望台から反射炉を眺めて、「あら上から見ても素敵…」なんて思っていると、なんと反射炉の向こうには雄大な「富士山」が!
もしかして世界遺産が同時に2つ見える場所なんて、日本でもほとんどないのでは…?(あったらすみません)
しかし、そんな夢のコラボレーションが期待できるのは快晴の日のみ。「我こそは晴れ男 / 晴れ女だ! 」という方はぜひチャレンジしてください。
観覧時間 | 9:00~17:00(3月~9月) 9:00~16:30(10月~2月) |
入場料 | 一般 500円 生徒児童 50円 |
アクセス | 伊豆箱根鉄道 駿豆線「伊豆長岡駅」から徒歩約22分(巡回バス8分) |
「陶栄窯」 愛知県常滑市
続いてご紹介するのは、愛知県にある「陶栄窯(とうえいがま)」。焼き物の町としても知られている常滑市にあります。
注目なのは、現存する日本最大級の「登り窯」。規則正しく並んだ8つの窯は、レンガ造りでなんともノスタルジックな雰囲気が素敵なんです。
また窯には合計10本の大きな煙突があり、その隙間から見える青空もこれまた気持ちいい。心行くまで写真を撮った後は、ぼーっと空を眺めていたくなりそうです。
登り窯と常滑焼
登り窯は、坂道を登るように高さの違う部屋が並んでいます。
一番下で炊いた火の熱が、上へ上へと上っていくので登り窯と言うんだそう。一度の火入れで沢山の製品を均一に焼くことができるというわけ。
陶栄窯の登り窯は明治20年頃に作られ、昭和49年まで、なんと87年も使用されていたとのこと。意外と最近まで使われていたんですね…!
ちなみに東京駅新丸の内駅舎の屋根も、実は常滑焼でできてるんです。昔も今も、常滑焼は身近なところで生活を支えてくれているんですね~。
窯の周辺にはおしゃれスポットも
陶栄窯のある「やきもの散歩道」は、映画「20世紀少年」のロケ地としても使用されるほど、レトロで趣ある町の姿が残っている人気スポット。一周ぐるりと回るだけで、撮影スポットに次々と出会えますよ。
窯の周辺には常滑焼の専門店やおしゃれな飲食店もあるので、お出かけにもぴったりです。
観覧時間 | 自由 |
入場料 | 無料 |
アクセス | 名鉄 常滑駅から徒歩約15分 |
「角島灯台」山口県下関市
最後にご紹介するのは、山口県下関市にある「角島灯台(つのしまとうだい)」です。この澄み渡った青い空にそびえ立つ白い灯台…めちゃくちゃ美しくないですか?!
ちなみに角島灯台は全国でも数少ない登れる灯台。105段のらせん階段を上っていくと、灯台の上からは日本海の絶景が楽しめるんです!
雄大な海と空、どちらも存分に楽しめるスポット。ぜひ足を伸ばして出かけてみてください。
今も船を導く石造りの灯台
角島灯台は、明治9年に初点灯した日本海側で初めての洋式灯台として知られています。地上30mの石造りの灯台は、イギリス人技師「R・H・ブラントン」の指導で作られ、当時としては日本で最も高いものでした!
ちなみに灯台は今も現役。つまり、夜に稼働している姿も観ることができるんです! ライトアップされた灯台もとってもロマンチックなので、もし機会があればぜひ夜にも訪れてみてくださいね。
「角島大橋」も見逃せない
角島灯台に行く前に必ず渡ることになるのが、絶景スポットとしても有名な「角島大橋」。コバルトブルーの海にゆるやかに伸びる美しい橋は、車のCMなんかでもよく使われているので、ご存じの方も多いかもしれません。
海の中を駆け抜けるように橋を渡って、真っ白な灯台へと向かう旅。写真だけでなく、記憶に残る旅行になること間違いなしですね!
観覧時間 | 9:00~17:00(3月~9月) 9:00~16:30(10月~2月) |
入場料 | 灯台参観寄付金 200円(中学生以上) |
アクセス | JR山陰本線 特牛駅下車後 バスで約25分、 灯台公園前下車後 徒歩約5分 |
まとめ
写真映えするスポット「近代化産業遺産」。全国の数あるスポットの中から、特におすすめしたい遺産を3つご紹介してきました。
近代化する日本を支えたものづくり…人々の気持ちに思いを馳せながら撮影すると、なんだか私(カメラ初心者)もいい写真が撮れそうな気がしてきました!
次の週末は、近くの近代化文化遺産に出かけてみようかなと思います。写真好きそして旅行好きな皆さんも、イチオシの産業遺産があったらぜひ教えてくださいね!
制作:工場タイムズ編集部