週末や連休シーズン、旅の予定はお決まりですか? 「普通のホテルじゃ物足りないなー」と思っている方におすすめなのが「泊まれる工場」です。
日本のものづくり技術がぎゅっと詰まった意匠の数々に、きっと感動するはず。そんな、工場やものづくりがコンセプトのユニークなホテルをご紹介します!
※新型コロナウイルスの影響で、営業日や営業時間の変更、休業になっている場合があります。お出かけを予定されている方は、事前に最新の公式情報を必ずご確認下さい。
「泊まれる工場」へ行こう!
泊まれる本屋に、泊まれる美術館…そんな「泊まれる○○」が流行中の昨今。それってつまり「宿泊施設で特別な体験をしたい」というムードが高まっているからだと思います。
せっかく滞在するなら、ただ泊まるだけでなく「この前こんな所に泊まったんだ〜」とつい人に話したくなるスポットがいい。
今回ご紹介する「泊まれる工場」も、そんな体験にフォーカスしたホテルなんです。
あなたも特別な宿泊体験、してみたくないですか?
町工場を感じるホテル「ホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田」
数多くの町工場が立ち並ぶ蒲田に、「ホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田」はあります。京急蒲田駅から徒歩3分というアクセス抜群のホテルです。
一見すると快適に過ごせそうな、スタイリッシュなシティホテル。
でも実はホテルの入り口からロビー、客室に至るまで、蒲田の町工場のものづくり技術がぎゅっと詰まったスポットなんです。
ただ滞在するだけでなく「蒲田ならではの町工場を感じる体験」ができるというわけ。なんだかワクワクしてきました。
ホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田には、地元の町工場とのコラボレーションによって生まれた工場プロダクトをたっぷり楽しめる仕掛けが多数隠されているんです。
気になるホテルの中は…?
ホテルには、実際に蒲田の町工場で使われていた機械や、各町工場の得意分野を結集して作られた「オシャレ」なオブジェやサインなどが、至る所に散りばめられています。
「工場で使われていた機械部品とホテルとの組み合わせ…さらにオシャレ…?」
「? 」ってなりますよね? そんな皆さんにぜひ体験していただきたいのが、そのオシャレさの秘密。とにかくステキなデザインなんです〜! 本当に! ほら見てください。
まずは、ホテルに足を踏み入れると目に飛び込んでくる、こちらの機械。
見てください、この存在感のある佇まい。まるで現代美術の作品のようにも見えてきます…!
これは大田区蒲田の町工場で使用されていたもの。よく使い込まれていることが分かりますよね。
旋盤機と言えば、高度経済成長期には「旋盤を1台買えば家が建つ」といわれ重宝されていました。昔から日本のものづくりを支え、見守ってきた機械。それが今やホテルの顔としてお客様を迎えているなんて…ちょっと感慨深すぎませんか?
町工場の技術が詰まった意匠の数々に感動!
ホテルには、他にもこだわりたっぷりの意匠が隠れています。
例えば、階数サインは全ての階で異なった技術が使われています。
金属切削やパイプ曲げ、溶接、そして塗装と、多くの町工場の技術がぎゅっと詰まっている作品です。デザインも洗練されていて、めちゃくちゃかっこいい…!
眺めているだけで、町工場の技術の高さ、そして働く職人たちの誇りを感じますよね。
続いて、旅の拠点となる客室も覗いてみましょう。
スタイリッシュな共同部分に比べて、ナチュラルなインテリアが印象的なお部屋。一体どこに町工場のエッセンスが隠されているのでしょうか?
答えはベッドのヘッドボードや棚板。材料に一般住宅の壁や床の下地に使われる「針葉樹合板」が使用されているのです。
普段は主役になることはない工場の大量生産品ですが、木目の美しさや温かみも十分感じられますよね。隠れてしまう部分まで手を抜かない。そんな工場の細やかな仕事に、つい思いを馳せてしまいました。
1階には、カフェスペース「EXPRESS Café」も併設されています。ゆったりと朝の一時を過ごすも良し、旅の思い出を語るも良し。木の質感を基調とした落ち着いた空間なので、仕事スペースとしても活用できそうですね。
各町工場の仕事を間近で見て、深く知ることができるのがホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田の魅力。一度泊まったら、普段何気なく眺めていた町工場を見る目が変わるかもしれませんね。
ホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田 | |
住所 | 〒144-0035 東京都 大田区 南蒲田 1丁目 3−15 |
電話 | 03-3733-5511 |
アクセス | 京急蒲田駅から徒歩3分 |
公式サイト | https://tokyokamata.hotelorientalexpress.com/ |
ものづくりのまちの日常を楽しむ「SEKAI HOTEL Fuse」
近鉄大阪線 布施駅から徒歩約5分。まずはノスタルジックなアーケード街の中に佇む「SEKAI HOTEL Fuse」のフロントへ。
元婦人服店だったという建物が雰囲気たっぷりで、素敵なんですよねー。ちなみにフロントのある客室棟の1Fはカフェ&バーを兼ねていて、ちょっとした休憩スポットとしてもおすすめです。
フロントで客室の鍵を受け取ったら、そのまま外へ出て商店街のアーケードを進みましょう。
「えっ、まずは客室に行くんじゃないの?」と思った方、安心してください。実はこのホテル、商店街に点在する古い建物をリノベーションし、客室として活用しているんです。
SEKAI HOTELは、まち全体をひとつのホテルに見立てた「まちごとホテル」。ホテルが提携するまちの飲食店や銭湯が、ホテルの食事会場になり、大浴場になっているという訳です。
だから、商店街で食べ歩きを楽しんだ後は、レトロな銭湯で温まって、そのままアーケードを歩いて客室へ…なんて過ごし方ができるんですよ。(最高じゃないですか?! )
そんなホテルのコンセプトは「旅先の日常に飛び込もう」。宿泊客がすぐに「まちの一員」になれる、初めてなのに「ただいま」と言いたくなる、そんな不思議な気分が味わえるスポットなんです。
客室は「泊まれる町工場」
ホテルのある東大阪と言えば、街面積あたりの町工場の数が日本一の「ものづくりのまち」。
それにちなんで、ホテルの客室も町工場の雰囲気を感じるつくりになっています。
客室の中へ一歩足を踏み入れると、そこにはインダストリアルかつモダンな空間が広がっています。とってもスタイリッシュ!
ソファの下をよく見てみると、工場で使われる木製パレットが使われていたりと、細部までこだわりのあるつくり。ヴィンテージ家具のような雰囲気もあって、すごくおしゃれなんですよね。
ちなみにこれらの家具や照明は、東大阪市の町工場の事業者と、ホテルの親会社であるリノベーション会社が共同開発しているもので、客室はショールームも兼ねているのだそう。
実際に使ってみることで、町工場の技術を肌で感じることができそうですよね。
客室に設置されている照明は、無骨な中にもスタイリッシュさを感じるデザインで、インテリアのアクセントになっています。
照明はホテルのフロントにて購入できるそうなので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
大阪人お墨付き!人情のまち東大阪へ
ホテルのある商店街は、人情味ある下町の雰囲気が今も残るエリア。観光地ではないけれど、初めて来た方を温かく受け入れてくれる懐の深さがこのまちの魅力なんです。
町工場の職人と商人たちが紡いできたまちは、大阪生まれの人にも「これぞ昔ながらの大阪の雰囲気」と言わしめるお墨付きなのだそう!
客室の窓から外を覗けば、東大阪で暮らしている人々の日常がすぐそこにあります。一度泊まったら、きっとまた活気あるまちの人たちに会いに来たくなるはずですよ。
SEKAI HOTEL Fuse | |
住所 | 〒577-0841 大阪府 東大阪市 足代1-19-1 |
電話 | 06-6748-0750 |
アクセス | 近鉄大阪線 布施駅から徒歩約5分 |
公式サイト |
まとめ
ものづくりや町工場がコンセプトのホテルを2件ご紹介してきました。「日本のものづくりを支えてきたのは、小さな工場の技術だ」なんてよく言われているけれど、普段は中々意識することはないかもしれません。
でも、工場の製品に囲まれた部屋で過ごしてみれば、その技術の凄さを改めて感じられるはず! 世の中のどんな需要にも応えられる技術の高さを直に感じ、ものづくりに携わっている人々の姿に思いを馳せる。そんな体験ができるのが「泊まれる工場」なんです。
他にも工場やものづくりをコンセプトにしたスポットがあれば、ぜひ教えてくださいね!
制作:工場タイムズ編集部
写真・取材協力:ホテル オリエンタル エクスプレス 東京蒲田、SEKAI HOTEL Fuse