『君の名は。』が大ヒットしたことで一躍有名になった新海誠監督。
新海誠作品の魅力といえば、なんといっても透明感と青春要素たっぷりの美しい景色、風景のイラストですよね。中には「なんか見たことがあるかも…? 」と既視感を覚える景色もあり、作品の世界観に惹き込まれます。
熱心なファンの間では、実際に「このシーンは(きっと)この場所では? 」と聖地を特定する活動も活発です。
たとえば、2022年11月に公開された新海誠監督の最新作『すずめの戸締り』のポスターや小説の表紙で使われた風景は、大分県にある「旧豊後森機関庫(きゅうぶんごもりきかんこ)」だと噂されています。
そこで、今回は新海誠監督作品に登場しそうな幻想的な風景、スポットを多数ご紹介します!
最新作『すずめの戸締り』の聖地はどこ?
まず最初にご紹介するのは『すずめの戸締り』に出てきた(似ている)場所。
物語は九州の静かな町で暮らす17歳の高校生・岩戸鈴芽(いわと すずめ)が、扉の「閉じ師」である宗像草太(むなかた そうた)と出会うところからはじまります。
草太を追いかけた先では、廃墟にポツンと白い扉があり、その扉の向こう側からやってくるのは災い。しかし、閉じ師である草太は椅子に変えられて、鈴芽は戸締りを助けるために日本各地を旅する…というのがあらすじです。
新海誠監督ご自身が「日本各地を巡るロードムービー」と話していたということもあり、実際に九州や四国、関東など、鈴芽はさまざまな場所に行きます。
その中から「これってここだよね? 」という場所を2ヶ所ご紹介します。
大分県「湯平温泉」
こちらは、大分県にある「湯平(ゆのひら)温泉」で、映画の冒頭で鈴芽が歩いていた廃墟のある温泉街ではないかと言われています。
というか「ここしか考えられないでしょ!」というくらい似てますよね。赤い提灯もあります。
湯平温泉は鎌倉時代からあるらしく、あの有名な由布院温泉よりも古いんだとか。
映画では、右側に「つるや」の看板が確認できるのですが、2020年に起きた豪雨災害で被害に遭った「つるや隠宅」のことではないかという噂もあります。
自然災害をテーマにした作品であることからも信憑性が高そうです。
東京都 音無橋
続いてはこちら。
「すずめの戸締り」のなかで、鈴芽が橋から飛び降りるシーンを覚えてますか?
予告編にも出てきましたが、その橋に似ているのが東京都北区にある「音無(おとなし)橋」です。
正確には、映画のモデルとなった(と言われている)のは、御茶ノ水駅近くにある「聖橋」なのですが、その聖橋に似ている橋というわけです。この音無橋、実は聖橋をモデルにして作られたみたいなので、似ているのは当然かもしれません。危ないので、くれぐれも鈴芽の真似はダメですよ!
参考サイト:音無親水公園|東京都北区 |
『君の名は。』っぽい場所も探してみた
続いては、新海誠の名を世に知らしめた代表作『君の名は。』。歴代興行収入4位という記録を打ち立てており、主題歌も大大大ヒットしましたよね。
内容は東京で暮らす立花瀧(たちばな たき)と飛騨地方に住む宮水三葉(みやみず みつは)が、度々入れ替わって、大人になってから再会するというお話です。あまりに有名な作品なので説明はこれくらいで十分でしょう。
そして、三葉が暮らしている「糸守町(いともりまち)に似てる! 」と言われている有名な場所が幾つか存在するのですが、公式では「作中の湖は存在しないし、モデルも明確には決まっていない」とされています。
と言われましても、まぁ似ているので、噂のスポットを2つご紹介します。
長野県 諏訪湖
三葉が暮らしている糸守町にある「糸守湖(いともりこ)」。
糸守湖は作中に何度も出てきますが、三葉と瀧が出会うシーンは印象的でしたよね。
その湖と長野県にある「諏訪湖」がそっくり、というのはファンの間でも通説です。特に、諏訪湖の東側にある高台の「立石公園」からの眺めは糸守湖そのもの。
立石公園は駐車場もあり夜景がキレイなスポットとしても有名です。”カタワレ時”に2人が出会うシーン、再現したくなっちゃいますね。
参考サイト:諏訪湖 | 諏訪地方観光連盟 |
鹿児島県・宮崎県 霧島連山 韓国岳と大浪池
『君の名は。』の糸守湖に似ていると言われているもう1つの場所が、鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島連山にある「韓国岳」と「大浪池」です。
大浪池は火山湖で、天気次第では霧が発生してとても神秘的な景色になることでも有名です。
そして、この大浪池には「ある伝説」があります。それは「お浪」という竜王の化身が村の庄屋の娘に生まれ変わったのですが、結婚の話が出た矢先に病気になってしまい、池に身を投げたというお話です。
それから、この池は「お浪の池」と呼ばれるようになり、いつからか「大浪池」と呼ばれるようになったんだとか。なんだか、切ないお話ですね。それはそうと、「竜王の化身が生まれ変わる」という非現実的な感じが『君の名は。』に通じるものがありますよね。
どの時間帯に行っても、神秘的な魅力がある場所なので、気になる人はぜひ行ってみてくださいね。
参考サイト:鹿児島県霧島市|霧島の山々 |
Z会『クロスロード』のCMに似ている場所
最後にご紹介するそっくりスポットは、2014年に新海誠監督が「Z会」の受験生応援CMとして製作した『クロスロード』。「観たことある! 」 という人も多いのではないでしょうか。
登場人物は塾がない離島で暮らす女子高生の海帆(みほ)と、都内でアルバイトをしている翔太の2人。
それぞれ違う土地、環境で大学進学を目指す2人がZ会の通信教育を通して人生が交差していくというストーリーです。
CM用に製作されたので短編アニメですが、長編として観たいくらいのクオリティです。そして、このCMに出てきた場所と似ているところがあるらしいのです。
その場所とは…?
福岡県能古島 渡船場
YouTubeのZ会公式チャンネルからアップされている動画で、冒頭に海帆がフェリーを見ているシーン。そのシーンに似ているといわれているのが、福岡県にある能古島(のこのしま)の渡船場なんです。
たしかに似てる…!
海帆の気分になってフェリーを見送りたい!
広島県 大崎下島
海帆が暮らす離島に似ていると噂されている場所がもう1つ。
それが、広島県呉市にある「大崎下島(おおさきしもじま)」。大崎下島には、海帆がZ会の申し込みハガキを出すシーンで登場した、円柱型のポストに似たポストもあるようです。
海の近くではありませんが、島の雰囲気がそっくりですね。
勝手に予想! 今後の作品に出てきそうな場所
これまでは、新海誠監督の過去の作品で出てきた舞台に似ている場所を紹介してきました。
せっかくなので、ここからは新海誠監督の作品にこれから出てきそうな、日本にある神秘的な場所や映えるスポットを独断と偏見でご紹介いたします!
山口県長門市 元乃隅稲成神社
最初にご紹介するのは、山口県長門市(ながとし)にある「元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)」。海沿いにある神社で、鳥居が123基もあるんですって!
海と空のブルーに真っ赤な鳥居が映えますね。神秘的だし、海沿いだし、何よりこの突き抜けるような爽快な景観がまさに! という感じがします。
参考サイト:元乃隅神社 | 山口県長門市観光サイト ななび |
香川県観音寺市 高屋神社
続いては、香川県観音寺市(かんおんじし)にある「高屋神社(たかやじんじゃ)」。
稲積山(いなずみやま)の頂上にある本宮の鳥居は「天空の鳥居」とも呼ばれており、観音寺市や瀬戸内海を一望できます。
実はこちら、新海誠監督ファンの間ではそこそこ有名な場所。
作品内でクリティカルに「もうここでしょ! 」というシーンは登場しませんが、それっぽいと多くの人が思うのも納得です。
もうこれだけ「新海誠っぽい」という意味で意思疎通ができるのであれば、いっそ、そういう形容詞をつくっても良いのかもしれませんね。
愛媛県 下灘駅
愛媛県「下灘駅(しもなだえき)」も新海誠監督の次の作品でモデルになりそうな場所の1つ。乗り場は柱と屋根だけで、目の前には海! 隣の電柱も良い味出していますね。
実際、こちらも有名なスポットで「HERO」「リバース」など、いろんなドラマや映画の撮影で使われています。だって、キレイだもの。そりゃあ、使いますよね。
ぜひ、新海誠監督にもいつか描いて欲しいものです。(願望)
参考サイト:下灘駅 | 海の見える駅 |
まとめ
新海誠監督ご本人が「ここをモデルにしました」と名言はしていないものの「ここでしょ!? 」って思えるほど似ているところが結構ありましたね。
当たり前のようにある道路や橋、観光地も、新海誠監督の手にかかると、すごくキラキラして見えるから不思議です。
それっぽい場所を特定するも良し、似ている場所を探すのも良し、各々の楽しみ方で新海誠作品を味わってみてください。