鉄道の旅で欠かせないものといったら、駅弁。全国各地には、その土地ならではの駅弁があります。たとえば、北海道ではいかめし、宮城県は牛タン弁当、富山県はますのすし、奈良県では柿の葉寿司などが有名ですよね。
中身で勝負! という駅弁がほとんどですが、見た目(容器)で勝負! という駅弁も。その多くは、容器がプラスチック製や陶器製で、再利用できるからエコだしお得なんですよね。なかには、容器目当てでその駅弁を購入する人もいるほど。
というわけで、今回は容器が個性的な駅弁をご紹介します。
見ているだけで満足! 容器がかわいい駅弁5選
実は、日本には約300の駅で2,100種類以上の駅弁があるんだとか。かなり個性的な駅弁もたくさんあるんですが、そのなかでも特に個性的な駅弁を5つご紹介。
飾っておきたいほどかわいい箱の駅弁ばかりなので、チェックしてみてくださいね。
①耳でも楽しめる!? 「モー太郎弁当」
最初にご紹介するのは三重県の松阪駅で購入できる、あら竹の「モー太郎弁当」です。名前がかわいい…けど、箱は牛の形をしていて、蓋はちょっとリアルな牛さんの顔。
黒毛和牛や生姜を使ったすき焼き弁当で、蓋を開けた瞬間から食欲をそそる香りが漂うんです! 松阪名物のすき焼きというだけあって、味も最高!
そして最大の特徴が蓋を開けると童謡「ふるさと」の音楽が流れることなんです。蓋の裏にセンサーが付いていて開けると音楽が流れ、閉めると音楽が止まる仕組みらしい。甘辛いすき焼きの香りとともに「ふるさと」が流れるなんて、エモいし不思議。もちろん、メロディー駅弁なんて日本初です。
モー太郎弁当は箱がプラスチック製だから洗えば再利用できるし、「ふるさと」が流れるセンサーも再利用可能だとか! 箱は小物入れとして、センサーはメッセージカードや手作りのプレゼントにセットして使うことができますよ。
②縁起を担ぎたいときにもおすすめ! 「だるま弁当」
群馬県の高崎駅や東京駅などで人気の駅弁が、たかべんの「だるま弁当」です。真っ赤なプラスチック容器は、だるまの形をしていて蓋にはだるまの顔。さすが、全国一のだるま生産地!
1960年に、高崎市郊外の「少林山達磨寺」で1月に開催される「だるま市」にあやかって作られたそうです。最初は陶器の器を使っていましたが、持ち運びやすいように、プラスチック製の容器に変更されました。
だるまの口の部分には細長い穴が空いていて、食べ終わった後は貯金箱として使えるんです。だるまは何かを祈願するときの縁起物として用いられるので、欲しいものを買ったり旅行に行ったり、目標のある貯金に使うといいかも。貯金をはじめる前に片目を入れて、目標達成したらもう片方の目を入れたい…!
肝心なお弁当の中身は、ごぼうを鶏肉で巻いた鶏八幡巻や穂先竹の子煮、赤と黒のこんにゃく、栗など色とりどりの具が入った釜めし風。ちょっと甘めの味付けで、素朴で懐かしい感じがする駅弁です。
③自然と笑顔になる駅弁「豚々拍子」
明治36年創業の神戸の老舗、淡路屋の「豚々拍子(とんとんびょうし)」も人気の駅弁です。新神戸駅などで購入でき、タコつぼのような陶器製の容器に入っています。
「豚々」の名前のとおり、容器には豚さんの笑顔がデザインされていて、見た瞬間からほっこり! 実は、豚々拍子はもともと2004年に販売されていました。
2020年に新型コロナウイルスが蔓延し、さまざまな我慢を強いられて笑顔が少ない日本に…。そんなときに「コロナ禍で笑顔が少なくなった日本に笑顔を届けたい! 」という思いから、2020年に再販を決意したとか。
中身は2004年当時と同じルーローハンで、味つけ卵や菜の花、細かく刻まれた豚肉などが上に乗っています。味もしっかり染みていて、冷めてもおいしいですよ!
ちなみに帽子を模した蓋には、細長い穴が空いているので食べ終わった後にこちらも貯金箱として使えます。蓋をいつでも開け閉めできるから、貯金してもすぐ使っちゃいそう…という人はミニ観葉植物を植えたり個包装のお菓子を入れたりするのもおすすめ。
④駅弁のなかではかわいさNo.1と噂の「雪だるま弁当」
新潟県の新潟駅や新津駅で購入できる、株式会社三新軒の「雪だるま弁当」は超かわいい駅弁! プラスチック製の容器は、雪だるまの形をしていて、眉毛や鼻を動かせるんです。開発中にどの表情がいいのかわからなくなって、購入者に決めてもらおうということで可動式になったみたいです(笑)
雪だるまの口には穴が空いているので、またまた貯金箱として再利用可能。駅弁の容器を貯金箱にできるのは定番みたいですね!
さて中身ですが、まず容器いっぱいに新潟産コシヒカリが敷き詰められています。その上に鶏そぼろや味つき数の子、しいたけ、かまぼこ、こんにゃくなど具材がぎっしり! ごはんだけでも絶対おいしいのにこの豪華さ。 量も充分あるので男性でも満足できるはず。
ちなみに、雪だるま弁当には定番の白以外に、青や緑、ピンク、オレンジ、黒の計6色が販売されています。黒の雪だるまは駅では販売しておらず、イベント時や事前予約のみの販売なのでかなりレアです!
ただ、今大人気のSnowMan(スノーマン)が新潟でライブを開催したときに、メンバーが「雪だるま弁当」を紹介したようですぐに売り切れてしまうことも多いようです。また、白以外の雪だるまで作るのは調理をする人の気分次第のようなので、色つきバージョンは見つけたら即買い必須ですね。
⑤エモさでは負けない! 「江ノ電弁当 タンコロ」
最後にご紹介するのは、福島県の小名浜美食(おなはまびしょく)ホテルが製造する「江ノ電弁当 タンコロ」です。江ノ電が走っている、神奈川県の鎌倉駅にある「ことのいち鎌倉」で購入できます。福島なのか、神奈川なのかちょっとややこしいかも。
タンコロというのは江ノ電初期の頃の愛称。1931年〜1980年頃は、単車(1両)で運行していて、コロッとした顔つきだったのでタンコロと呼ばれるようになりました。
この駅弁は、陶器製の容器がタンコロの形をしていてコロッと感が本物よりかわいい! くすみグリーンの車体や行き先表示が「藤澤」と旧字体になっているのもエモいですねぇ。
駅弁の中身はというと茶飯の上にアジフライやしらす、卵焼きなどが乗っていてかなりシンプル。でも、江ノ電が走る湘南の海を感じられておいしい! と評判なんです。
鉄道好きな人はもちろん、レトロなものが好きな人、湘南好きさんにもおすすめの駅弁です。ことのいち鎌倉には、いろんな江ノ電グッズが販売されているのでグッズをそろえてみるのも楽しいかも。
まとめ
さまざまな個性派容器の駅弁を紹介してきましたが、いかがでしたか?旅行のついでに駅弁を買うというより、駅弁を買うためにここに行きたい! と思ってしまいますよね。
エリアが限られているケースもありますが、ネット販売をしている駅弁もあるので気になる駅弁があったらぜひ購入してみてくださいね。