学校に通っている時は「早く卒業して大人なりたいなぁ」とか「給食は似たようなメニューの繰り返しで飽きた…」と思っていませんでしたか?
でも卒業して月日が経つと、友達と遊んだ校庭や居眠りして授業を受けてた教室、理科室の独特なニオイなど、すべて懐かしく感じませんか? 「できればまた学生に戻りたい…」と思う人も多いはず。
実は日本各地には、廃校になった学校に宿泊できたり、学校の中で食事ができたりする施設に再利用している場所があるんです。廃校ではないのに、あえて学校のようなインテリアにした居酒屋も。
そこで今回は、学校気分を味わえるお店や施設をご紹介します。
学校でお酒が飲める「個室家座香屋6年4組」
最初にご紹介するのは、「東京」「大阪」「名古屋」にある「個室家座香屋(いざかや)6年4組」です。入り口には黒板があって、廊下を進むと6年4組の教室。音楽室や理科室、校長室まであります!
「あの頃」をテーマにしたこの居酒屋では、店内に入った瞬間に小学校に通っていたあの頃を思い出せるんです。教室にはランドセルもあるし、勉強机と椅子もあって学校気分を思う存分楽しめます。
さらにメニューには「揚げパン」「カレーライス」「ミルメーク」など、懐かしの給食もたくさんあります。もちろんおつまみやお酒の種類も豊富で、「白組!冷奴」「紅組!キムチ、文化祭の焼きそば」など、ネーミングも面白いんです。
学校でお酒を飲むという、本物の学校では絶対にできない体験ができますよ。
子どもに戻れる遊びもたくさん
個室家座香屋6年4組は、学校にいる気分で給食やお酒を楽しむだけではありません! 子どもに戻れる遊びやイベント、コースもたくさんあるんです。
たとえば、お誕生日コースではバースデーケーキはもちろん、友人たちからの成績表もついてきます。小学校で卒業式コースは、特別デザートや卒業証書&筒があって送別会にもピッタリ!
ほかにも「給食コース」「女子会コース」「食べ飲み放題コース」などが楽しめます。ちなみに、コースには駄菓子食べ放題のサービスもついています。
毎日、算数や国語などの抜き打ちテストが行われていて、これが意外と盛り上がるらしいです。ちょっと復習してから行くのもアリですね。
明治・大正・昭和を感じられる「おいしい学校」
山梨県では、明治・大正・昭和を感じられる複合施設「おいしい学校」が人気。南アルプス富士山に囲まれて、自然豊かで農作物に恵まれたとてものどかな場所にあります。
昭和40年代に廃校になった小学校を活用した施設で、3つの時代に建てられた校舎があるんです。昭和に建てられた校舎の中には、地元の食材を味わえるレストランや直売所、宿泊施設があります。
レストランはイタリアンと和食の2店が入っていて、和食のお店では「校長先生のお弁当」というメニューもあります。かなり豪華そうですよね…。おいしいものを食べたら、地元で育てたハーブを使った浴場「香りの湯」でリフレッシュするのがおすすめです。
明治や大正に建てられた校舎は、資料館のようになっています。校舎の中に入ると、木造の廊下や階段などがエモくて、その時代に生きていないのに懐かしい気分になりますよ。
学校に泊まって地元食材を堪能
「おいしい学校」というくらいなので、宿泊して、じっくりと地元食材を堪能するのがおすすめ! レストランでは野菜や果物はもちろん、甲斐牛や富士桜ポーク、甲斐サーモンなど、地元の肉や魚も味わえます。
でも、やっぱり学校といえば給食。ここでも地元食材で作ったカレーライスやシチューなどの人気給食メニューを食べることができます。食器は、廃校になる前に実際に使われていたもので、テーブルは昔ながらの机と椅子。
そして、すべてのメニューに瓶牛乳付き! 小中学生の時は、ご飯に合わないし給食当番の時に重くて持つのが嫌だったから「瓶牛乳はいらない」って思っていたけど、今なら素直に受け入れられる気がする…。
南アルプスと八ヶ岳を望める部屋で一晩ゆっくり休んだら、帰る前に物産館でショッピング。新鮮な果物で作ったジャムやジュース、ドライフルーツはお土産としてはもちろん、自分用としてもおすすめ。
ほかにも、たくさんの特産品がそろっているので、学校気分を味わうついでに、山梨も堪能しちゃいましょう!
定期的に通いたくなる「むろと廃校水族館」
高知県室戸市にある「むろと廃校水族館」。ここは、廃校になった椎名小学校を利用して開業した水族館です。建物はキレイに改修してありますが、教室や机、椅子などの設備はそのまま利用されています。
むろと廃校水族館では50種類1000匹以上のお魚を見ることができるのですが、このお魚たちは、地元の漁師の定置網にかかったり、水族館の職員が釣った魚だから、季節によって展示される種類が変わります。
この水族館は、日本ウミガメ協議会が運営をしていて、館長曰く「ここはデパートではなく、コンビニのような水族館」だそうです。デパートには食料品だけではなくて、洋服や日用品などいろんな物が売っているけど、コンビニにはありません。
それと同じように、一般的な水族館にはイルカやラッコなどのメジャーな水生動物がいますが、この水族館にはいません。でも、身近な魚たちがたくさんいて、コンビニのようにいつでも気軽に行ける水族館なんです。
25mプールにサメ、跳び箱に金魚?
むろと廃校水族館では学校の設備を水槽として使っているので、意外なところに魚が潜んでいるんです。例えば屋外にある25mプールでは「シュモクザメ」「カワハギ」「サバ」「ウミガメ」などが泳いでいます。水泳の授業で利用していたプールに魚が泳いでいる光景は、本当に不思議な感覚になります!
体育の授業で使っていた跳び箱も水槽になっていて、「金魚」「シチセンスズメダイ」などが展示されています。そして、小学校の廊下にある手洗い場。ここは、シンク部分を水槽にしてあって「アサヒガニ」「ナマコ」「ヒトデ」「エビ」などが潜んでいるんです。しかも、タッチプールだから、好きなだけ触れることもできますよ。
海の生き物を見たり、学校の懐かしさを感じたりするだけではなく、「コレを水槽にしたの!? 」というアイデアも楽しめる施設です。
離島の廃校ならではのエモさ! 「ネコノシマホステル」
最後にご紹介するのは、香川県の佐柳島(さなぎしま)にある「ネコノシマホステル」です。ここは、廃校になった佐柳小学校をリノベして開業した宿泊施設。
昭和29年に建てられた校舎はほとんどそのままなので、外観はもちろんですが校舎内もエモい! この学校に通っていないし、自分が通ったのは木造校舎でもないのに、不思議と懐かしい感じがしてくるホテルなんです。
しかも、佐柳島は周囲6kmほどの小さい島なので、校舎の窓から海が見えます。客室になっている図工室や図書室、理科室などからも瀬戸内の海が見えて、朝は水平線から昇る朝日が目覚まし代わりに。人口も約80人ほどで街明かりも少ないから、夜は星空がキレイ!
学校気分は味わえるし、ゆったりした空気感で仕事や人間関係の疲れも吹き飛びそうなくらい。こんな体験ができるのは、離島の廃校を活用したホテルだからこそ! ですよ。
猫もお気に入りの学校
猫好きさんはチェック済みかもしれませんが、実はこの佐柳島には、たくさんの猫が暮らしているんです。だから、”ネコノシマ”ホステルなんですね。
フェリーを降りた時から、たくさんの猫たちがお出迎えしてくれます。そして、ホテルに生まれ変わったこの学校も、島の猫たちはお気に入りみたいで、音楽室や校庭など、いろんなところで猫たちと触れ合うことができます。
ホテルでは、自転車の貸し出しもしているので、島を散策するのも楽しそうですね。さらにたくさんの猫たちと触れ合えますよ。
島の散策をして疲れたら、元職員室のカフェ「喫茶ネコノシマ」でひと休み。フェリー会社が、このカフェのために自家焙煎したコーヒーや、佐柳島のおじいちゃん・おばあちゃんが育てたいちじくで作ったデザートを味わいながら、のんびり過ごしましょう。
まとめ
学校気分を味わえる4つの施設・お店をご紹介しましたが、いかがでしたか? 学校気分の味わい方や楽しみ方がそれぞれ異なっていて、全部行きたいくらいですよね。
大人になると、子どもの頃はよかったなぁと、考えることもたまにはあると思います。小学生の時は、学校は給食だけが楽しみだったんですけどね。
そんな時には、学校気分を味わえる施設やお店で、子どもの頃に戻ってのんびり楽しく過ごしてみてくださいね。