図書館といえば、本がたくさん置いてある静かな場所で、なんだか落ち着きますよね。子どもの頃には、本を読んだり借りたりするために通っていた人も多いと思いますが、大人になって図書館に行った記憶はありますか?
大人になると平日は図書館に行く時間がないし、本のためだけに出かけるのがちょっと面倒に思えることも。だから、大人になって1度も行っていないという人も多いはず。
そこで今回は、おもしろい図書館をご紹介します! 実は、本を読むついでに○○ができる図書館がたくさんあるんです。時間を作ってわざわざ行きたくなるほどに!
本好きの人はもちろん、楽しいことが好きな人やお出かけ好きな人にもおすすめなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
コレが図書館!? 美しすぎる「水戸市立西部図書館」
最初にご紹介するのは、美しすぎる図書館として有名な、茨城県にある「水戸市立西部図書館」です。中世ヨーロッパ風の円形ドーム型の建物で、外観を見ただけでタイムスリップしたような気分になれるんです。
この図書館を設計したのは新居千秋という人物で、実はこの新居氏は横浜の赤レンガ倉庫2号館なども手がけています。しかも1993年に、図書館は建築界の芥川賞と呼ばれる「吉田五十八賞」も受賞。
これだけでも行ってみる価値はありそうですが、館内の造りも美しいんです。この図書館は、中央部分が吹き抜けになっていて、2階の壁面に本棚が並んでいます。1階部分も、本棚が円形に並べられていて、360度どこを見ても本!
ここには約10万冊の本が貯蔵されているのですが、フロアの中央に立つと本に包まれているような感覚に。ソファもあるから、ゆったり落ち着いて読書できそうですね。
実は、あの映画のロケ地
水戸市立西部図書館は雰囲気のよさが理由で、映画やドラマのロケ地として使われることも多いんです。
たとえば、岡田准一と榮倉奈々が主演の映画「図書館戦争」。映画内で、主人公が勤務する基地である武蔵野第一図書館の一部として、戦闘シーンなどがこの図書館で撮影されました。図書館の廊下には、撮影時の写真やポスターなどが展示されているみたいですよ!
そのほかにも、中村倫也主演の映画「水曜日が消えた」、高畑充希主演のドラマ「同期のサクラ」、SKE48のミュージックビデオなども、水戸市立西部図書館で撮影したそう。
撮影は基本的に休館日に行われるので、遭遇することはないと思いますが「あの芸能人が来たんだ!」 と考えるだけで興奮しますね! 許可を貰えば、館内での写真撮影ができるので、映画やドラマの聖地巡りとしてお出かけするのもおすすめですよ。
大人の大人による大人のための図書館「森の図書室」
次にご紹介するのは、大人の大人による大人のための図書館「森の図書室」。「どういうこと?」と思っている人もいるはず。簡単に言うと、お酒を飲める図書館なんです!
この図書館は、オーナーが「働いている大人でも、気軽に利用できる図書室をつくれないか?」と考えて開業。公共の図書館って閉まるのが早いから、仕事が終わってから行けないですもんね。まさに、大人のための図書館!
でも、これだけではありません。実は、ここでは食べたり飲んだりしながら本を読めるんです。もちろん、お酒も飲めるし会話もOK。一般的な図書館で禁止されていることをできるなんて、背徳感もありますね…!
準会員制ですが、会員じゃない人も利用可能。会員になると、割引があったり、好きな本をメッセージ入りで置くこともできます。
本にちなんだメニューを味わえる
飲食可能な森の図書室の楽しみは、やっぱりフード・ドリンクメニュー。ここでは、本にちなんだメニューがたくさんあるんです。そのメニューを少しだけご紹介。
・燻製ニシンの虚偽(そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ)
・ポテチ(フィッシュストーリー/伊坂幸太郎)
・セロリと牛肉の煮物(世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹)
・オリーブ(恋はいつも未知なもの/村上龍)
・ウォッカトニック(ノルウェイの森/村上春樹)
・シシリアンキッス(神様のボート/江國香織)
まだ読んだことがない本でも、メニューを見たら読んでみたくなりますね。ちなみに、ドリンクメニューはカクテルの種類が豊富。ソフトドリンクもあるので、酔っぱらわずに本を読みたい人も楽しめますよ。
本に囲まれて一晩を過ごせる図書館「暁」
佐賀県佐賀市にある「暁(あかつき)」は、なんと泊まれる図書館。この図書館を開館した白石隆義氏は、もともとは古本屋を経営していて、クラウドファンディングによって賛同者と資金を集めたあと、築100年以上の古民家をリフォームしてつくられました。
最大の魅力は、1日1組限定だから好きな時に好きなだけ本を読めること。本を読みながら眠りについたり、寝転んで本を読んだりするのもOK。自然豊かな地域で近くには古湯温泉もあるので、本と一緒にゆっくりした時間を過ごせます。
友人や恋人と利用するのはもちろんですが、1人でまったり過ごすのもおすすめです。夕食・朝食付きのプランだと、佐賀県産の食材を使った料理を本に囲まれて味わえますよ。
蔵書は誰かが選んだ「お気に入りの本」
暁で所蔵している本は、1400冊ほどしかありません。一般的な図書館に比べるとかなり少ないですが、この約1400冊の本にはいろんな思いが込められています。
その理由は、ここの本はすべて誰かが選んだ「お気に入りの本」だから。オーナーの白石氏がこの図書館を開館する時に、九州の本好きに「自宅の本棚にずっと置いておきたい本」を20冊ずつ選んでもらって、その本が置かれているんです。
そのため小説だけではなく、写真集や絵本、詩集、そして漫画など、幅広いジャンルの本があります。そして、すべての本に「なぜその本が大事なのか」という理由が添えられています。
その本への誰かの想いを知ることで、本を読む楽しさをさらに感じられます。
12万冊以上の漫画を読み放題! 「吉備川上ふれあい漫画美術館」
最後にご紹介するのは、岡山県にある「吉備川上ふれあい漫画美術館」です。ここは、大正時代から現代までの12万冊以上の漫画を思う存分に読める図書館なんです! 大正時代の漫画も読めるってスゴイ!
2000年代以降、漫画に特化した図書館も増えてきましたが、この吉備川上ふれあい美術館が開館したのは1994年。結構早いですよね。実は、図書館がある高梁市川上町では、明るく楽しい地域・夢とロマン溢れる町を目指して、1988年から漫画でまちづくりを行っているんです。この町で生まれ育ちたかった!
名誉館長は有名漫画家の富永一朗氏で、富永氏が描いた原画や作品集などが展示されたスペースもあります。
寝転んで漫画を読める!
吉備川上ふれあい美術館は2階建てで、1階と2階に読書スペースがあります。1階は一般的な図書館と同じように、本棚や机・椅子などがあって、好きな漫画を読むことができます。
そして、この図書館で魅力的なのが、2階にある「ごろごろ読書室」。1階にある漫画を持って来て、カーペットの上に座ったり寝転んだりして漫画を読めるんです! しかも、枕やブランケットの持込みもOK。至福のひと時を過ごせそう!
館内にはカフェやレストランのような食事をできる場所はありませんが、入場券があれば何度も出入り可能に。朝から漫画を読んで、ランチに出かけて、また午後から漫画を読むなど、1日中楽しめる図書館です。
まとめ
さまざまな図書館をご紹介しましたが、行ってみたい図書館はありましたか? どの図書館も魅力的で、地元なら毎日でも通いたいくらいです! 旅行に行くなら、この図書館をメインにスケジュールを組みたいですね。
図書館は天候に関係なく楽しめるので、雨の日や暑い日、そして読書の秋にも、ぜひ利用してみてくださいね。