工場タイムズで1月に新作の「鉄工所にも花が咲く」についてインタビューさせていただいた、漫画家・野村宗弘先生。著書ではほかに、工場を舞台にしたマンガ「とろける鉄工所」も人気です。今回、新しく『マンガでわかる溶接作業』が発売。溶接作業の入門書として、ぜひチェックしてみてください!
野村宗弘先生が、工場タイムズに『マンガでわかる溶接作業』の“誕生秘話”を語ってくれました!
えー…
「とろける鉄工所」が終わって数年経った頃でした。また「とろ鉄」描きたいな~なんて思ってたら、オーム社の人から「溶接マンガやりませんか」と嬉しいお誘いがありました。
『マンガでわかる溶接作業』てなもんを作りたいとのことでして、そりゃ、飛びつきますよね…。
「また小島さん(顔の長いおっさん)が描ける!!」と。
打合せのときに編集さんが「この本、いい本なんです」と野原英孝先生の溶接の本を持ってきました。
その表紙に見覚えがある僕…。
野原先生の本、持ってるどころか前によくしてもらってた方でして。偶然なんですがほんと久々の再会。
そこで、野原先生と一緒に本を作ることに。
溶接コンビの結成です。
まあここからが大変で、一応溶接を仕事にしていた僕からすると
「マンガで溶接がわかるわけないじゃろ…めちゃくちゃ深い世界なんに…」と、こっそり思ってたりしてたのですが、
受けたからにはできるだけ、「わかる」に近づけるように頑張らねば!で、試行錯誤の日々…。
「教科書」的な要素が強いこのマンガ。「わかる」という言葉がおっかなくてですね…
「わかる」ということばに押しつぶされ、
長い長い、筆の進まない日々が続いてました…。しんどー。
そんな僕を励ましつつ静かに見守ってくださる、あたたかい編集さん。焦る僕…。進まない作業。
やっぱり焦りだす編集さん。
そんな時、野原先生が「マンガがおもしろいを一番優先してー」と、さらっとおっしゃるではないですか。
そこからは、本の内容構成はこっちに任せてもらって、先生にこまかい部分での実際はこうですよっていうところを解説でフォローしてくださることに。
「わかる」の部分は先生任せで解決です。(他力本願ですがいいのです。)
で、できたのが、
僕のマンガがボケで、先生の解説がツッコミの28話の溶接のマンガです。
ほんと漫才コンビのようにさせていただきました。
このスタイルのおかげで、自分でいうのもなんですが、ものすごくわかりやすい本になったと思います。
編集さんも安心したことでしょう。
あ、僕がこの本で、めちゃくちゃ気に入ってるところが。
「とろける鉄工所」の表紙のデザインもしてくださった、装幀デザインのナルティス新上さんのアイディアで、汚れた手で本を触っても大丈夫なように、カバーを外した本体表紙に「ビニル加工」をして、汚れがついても拭ける表紙に。
溶接をする新人さんや工業高校の生徒さんなんかが「わからんなー」って時にすぐにその場で手にとって調べて貰えたらいいなと思います。
内容も実際僕が溶接始めたころに「わからんなー」と、困ったことを主に描きました。
作業着の洗濯ってどうしたらいいん?って感じのことまで描きました。
(溶接関係の経営者さん、新人教育に最適ですぜ……)
もちろん溶接やってなくても、一応単行本一冊分のお話として話の流れも作ってるので、
「とろ鉄」好きだったよーって方も是非是非。(製作秘話でしれっと宣伝。終わり)__
【溶接の最強ユニット!】[漫画]野村宗弘と[解説]野原英孝による、ユニークな溶接入門書
野村宗弘の大人気コミック「とろける鉄工所」のキャラクターたちが大活躍!
さと子のぶっとび溶接を手堅くフォローするのは、溶接業界人材育成の第一人者である野原英孝氏による確かな解説。
溶接作業の[初歩の初歩]が、マンガで楽しく学べます。
溶接技術者を志望する入門者や溶接実務に携わる初心者、若手技術者の方々におすすめです。
概要
書名 マンガでわかる溶接作業
著者 漫画:野村宗弘 解説:野原英孝
価格 本体価格1,600円+税 定価1,728円
造本 A5判 168頁
発行 2018年04月25日
出版元 オーム社
http://shop.ohmsha.co.jp/shopdetail/000000005658/
内容紹介
▼登場キャラクター紹介
のろ鉄工場長
小島さん
その娘さと子
小島班三人衆の北さん
吉川コーイチ
[スペシャル]
北さんの奥さん
息子ポコちゃん
▼コンテンツ
プロローグ 溶接は熱いっ、んで暑い!!
1章 ようこそ!溶接の世界へ
2章 溶接やる前、これ知っとこ
3章 被覆アーク溶接は棒使い
4章 「半自動アーク溶接」~スパッタとともに~
5章 つやつや上品、TIG溶接
6章 溶接実務のファーストステップ
エピローグ さと子、資格試験に挑戦!
付録 溶接技能者資格について
溶接キーワード
文・イラスト/野村宗弘、株式会社オーム社、工場タイムズ編集部
写真・制作協力/株式会社オーム社