社員食堂は、すべての従業員が利用できます。しかし、食物アレルギーがある人は、社員食堂を利用することに抵抗があり、お弁当を持参する人が多いようです。食物アレルギーへの認知度は高まっていますが、実際にすべての企業がアレルギー対応をするまでには至っていません。では、食物アレルギーがある人は、本当に社員食堂を利用できないのでしょうか?
食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、特定の食物を摂取したり触れたりすることで起こるアレルギー反応です。主な症状としては、蕁麻疹や湿疹、下痢、嘔吐、腹痛、咳、喘鳴などです。症状が重い場合には、呼吸困難や意識消失、血液低下などのアナフィラキシーショックを引き起こす恐れもあります。最悪の場合には、死に至ることもあるのです。
特定材料7品目
加工食品で表示が義務付けられている特定材料は、以下の7品目です。
えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)
表示義務があるのは、基本的には容器包装された加工食品のみです。しかし、上記7品目は、アレルギー発症数が多く、症状が重篤なため、社員食堂でも表示されている可能性もあります。
特定原材料に準ずるもの21品目
表示義務はありませんが、表示が推奨されているアレルギー物質は以下の21品目です。
アーモンド・カシューナッツ・くるみ・ごま・あわび・いか・いくら・豚肉・牛肉・鶏肉
さけ・さば・大豆・まつたけ・やまいも・オレンジ・もも・バナナ・キウイフルーツ・
りんご・ゼラチン
症例が一定数報告されてはいますが、特定原材料に比べると症例が少ない食物です。
こんな食堂だったら利用できるかも!
食物アレルギーがある人は、食べたいものを自分で選択できるビュッフェ形式の社員食堂であれば、利用しやすいでしょう。また、社員食堂の運営形態が外部委託の場合は、アレルギー情報を記載しているケースもあります。栄養士が在中しているなら、当日のメニューのアレルギー情報を聞いてみるとよいでしょう。
いろいろな社員に合ったこれからの社員食堂
工場では外国人労働者も多く、宗教上の問題で豚肉や魚などを食べられない人もいます。近年、大手企業ではそのような外国人のためにベジタリアンメニューやハラルフードを提供している社員食堂もあります。食物アレルギーを持つ人も増加傾向にあり、アレルギー対策をする企業も少しずつ増えています。これまでアレルギーが原因でランチに苦労していた人も、社員食堂で気軽に食事を楽しめるようになるといいですね。
制作:工場タイムズ編集部