実際に製造業で働く人にインタビューする企画も第3弾! 今回は、前職で大手メーカーの自動車の組立を行っていたというKさんにお話を伺いました。
半導体を製造する仕事に転職された経緯や、1日のスケジュール、プライベートな時間は確保できているのかなど、リアルな声をお届けします。
製造業で働くことを悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください!
インタビューにご協力いただいた方のご紹介
お名前:Kさん
業種:半導体・先端技術
職種:組立・組付け
雇用形態:派遣社員
前職:自動車の組立
前職では、大手メーカーで自動車の組立を行なっていたというKさん。学生時代から何かを作る仕事に興味を持っていたそうです。現職に就いた理由やお仕事の内容について詳しく伺わせていただきました!
インタビュー開始!
— 今日はお忙しいところありがとうございます! まずは現在のお仕事内容を教えてください。
Kさん:半導体を作る装置の組立を行なっています。基本的にライン作業ではないので、組立を時間で区切ってやっていますね。
— 装置の組立なんですね!
職場環境について
— どういった職場環境で働かれているんでしょうか?
Kさん:精密機械を扱っているので基本的にはクリーンルームで作業をしています。なので室内の温度は夏も冬も一定ですね。
同僚の半分は女性の方なので、工場にしては珍しいかなと思います。
— 女性の方の比率が高い職場なんですね。
Kさん:はい。年齢も20代〜50代後半まで、幅広い世代の方が働いていますね。
— そうなんですね。外国籍の方もいらっしゃるんですか?
Kさん:全体の10%くらいはいると思います。日本に住んで長い人だとコミュニケーションも取れますよ。
— 年齢も国籍も様々な方が活躍されている環境なんですね。
Kさん:そうなんですよ。あと今の職場は大手(企業)なのもあって、食堂や休憩室も完備されていますし、ご時世的に消毒なども徹底されています。
— なるほど。ちなみにKさんがお好きな食堂のメニューはありますか?
Kさん:カレーが結構安いんですよ。250円とかで食べれて。
— 250円は安いですね・・・羨ましいです(笑)
Kさん:(笑)
勤務時間について
— お仕事の繁忙期などはあったりしますか?
Kさん:半導体の需要がコロナ禍で高まっていたのもあり忙しかった時期もあったそうなんですけど、私が入ったタイミングはちょうど落ち着いていたんですよ。
— そうだったんですね。
Kさん:それこそ1日3時間近く残業したりと結構ハードだったと聞いています。ただ、今はもう落ち着いていますね。
— Kさんは時間通り上がれているんですね?
Kさん:そうですね。
— Kさんの勤務時間は固定でしょうか?
Kさん:職場では夜勤という扱いになるんですが、15:15〜23:50で働いています。日勤の方は8:30くらいから夕方までになりますね。
— 1日のお仕事の流れも教えていただけますでしょうか?
Kさん:休憩が3回ありまして、日勤の方だと10分休憩→お昼休憩→10分休憩という感じなのですが、夜勤だと食堂が空いてる時間の関係で先にお昼休憩があるんですよ。
食堂は18時までなので、17時半ごろに30分くらいのお昼休憩、そのあと2時間おきに10〜15分の休憩があります。
— なるほど。
Kさん:私がいるところはライン作業ではないので、一人ひとりに時間割的なものが割り当てられているんですよ。それを元に装置の組立を時間を区切ってやっています。なので休憩のタイミングも割と自由で、作業のキリがいいところで入っていますね。
— ご自身のタイミングで休めるのは働きやすいですね。お休みは固定で決まっているんですか?
Kさん:そうですね。土日祝日がお休みになります。
通勤について
— 職場までの通勤はどうされているんですか?
Kさん:自家用車で通勤しています。
— そうなんですね。ご自宅から職場までどのくらいかかるんですか?
Kさん:自宅からだと20分くらいですかね。徒歩だと難しい距離ですね。駅から送迎バスが出ているので、それを利用している人も多いですよ。
— 送迎バスがあるのは助かりますね。
仕事をする上で大切にしていること、やりがい、スキルについて
— お仕事をする上で大切にされていることなどはありますか?
Kさん:扱っているものがかなり高額なものになるので、本当に破損だったり傷だったりということには注意していますね。
— 精密機械ですもんね。今の仕事のやりがいはなんでしょうか?
Kさん:普通に過ごしていたら全く目に触れないもの、ハイテクな装置みたいなものを自分の手で組み立てているということ自体、私は楽しんでやっていますね。
— お仕事を楽しめているというのは大きいですね。今の仕事を通じて身に付くスキルや、欲しいと思っているスキルはありますか?
Kさん:精密機械なので、手先の器用さは磨かれますね。
あと、そこまで高度なことは行いませんがパソコンを操作することもあるので、メインの作業がない時などはパソコンを使用して表を作ったりということも行なっています。今後はパソコン作業に対してのスキルも身につけていきたいなと思っています。
— パソコンのスキルも身につけられるのはいいですね!派遣社員での勤務ということですが、昇給や賞与、またはそれに変わるものはありますか?
Kさん:基本的にはないですね。派遣会社によると思いますが、自分の場合はボーナス分も時給にのっているので他の派遣会社より時給はいいと思います。なので現状は特に待遇面で不満はないですね。
— 職場の環境に満足されているんですね!
前職を退職した理由は? なぜ現職を選びましたか?
前職の仕事内容と、やめた理由は?
— 前職はどのようなお仕事をされていたのですか?
Kさん:以前は大手メーカーの工場で自動車の組立を行っていました。
— 今の半導体のお仕事とは全く別の業務内容だったんですね?
Kさん:そうですね。
— なるほど。差し支えなければ退職した理由も伺えますか?
Kさん:頭の上を車が流れてくるという状況で1日中上を向きながら働くため、首から背中への疲労がきつかったんですよ。あと私は学生時代に首を怪我していまして、長時間上を向いていると眩暈がするため肉体的に厳しかったですね。
別工程に移動させてもらったのですが、そこは業務自体がなかなかハードだったので退職を決めました。
— Kさんには負担が大きいお仕事だったんですね。
現職を選んだ理由は?
— 今のお仕事に就くにあたって、どういった条件で探されていたんですか?
Kさん:やっぱり給与面は重要視しましたね。あと勤務の時間帯っていうのもあったんですけど、どうしても日勤のお仕事だと時給もだいぶ低くなってしまうので。
前職が大手メーカーだったこともあり給与は高かったので、あまり差をつけたくはないなと思っていました。ただ、前職では肉体的な負担も大きかったので、そことのバランスを見ながら探していましたね。
— 給与面と前職を退職した要因を払拭できるお仕事を探されていたんですね。今のお仕事を選んだ決め手はなんだったんでしょう?
Kさん:実は今のところに入社するにあたって、3社ほど派遣会社に登録していました。その中で、最終的に選んだ派遣会社は担当者の方がしっかりしていて安心感があったんですよ。
どうしても派遣の担当者さんって適当な人もいたりして、実際に働いてみたら話と違ったり、相談の連絡がつかなかったり、退職の話が進まなかったりということもあって。
今回の担当者さんは安心できたというのが大きかったですね。
— 働く上でその部分は気になりますもんね。
Kさん:どうしても直雇用ではなく、派遣されてというワンクッションがあるので、担当者さんと意思疎通が取れないと不安になりますね。
— しっかりした担当者さんと出会えたのが決め手だったんですね。働く前と後で仕事にギャップを感じることはなかったですか?
Kさん:全くないですね。イメージ通りでした。
製造業界で働いていてよかったこと、苦労したこと
製造業界で働いてよかったこと
— 製造業でのお仕事をしていて良かったなと感じることはありますか?
Kさん:体を動かしているので事務的なお仕事よりも逆に、休みの日の肉体的なギャップと言いますか、休んでる時は休んでるなと感じられるので、メリハリがしっかりつけられますね。
— 仕事を引きずらないのは良いですね。
Kさん:製造業だけに当てはまることではないと思うんですけど、仕事の時とそうじゃない時とで、工場だとオンオフがはっきりしていて、大型連休もありますし、生活しやすいリズムかなと思います。
— 仕事の時間とプライベートの時間を、きっちり分けられるお仕事なんですね。Kさんは仕事終わりや休日といったプライベートのお時間は何をされていることが多いですか?
Kさん:釣りが趣味なので、休みは釣りをしていることが多いですね。
— 釣りが趣味なんですね!海釣りですか?
Kさん:そうですね。海での船釣りを楽しんでいます。子どもの頃から釣りは好きで、今でも続いている趣味ですね。
— 仕事とプライベートは両立できているんですね?
Kさん:両立できていますね。釣ってきた魚を家で捌いて食べるのが楽しみなんです(笑)。
— それは良いですね〜!
製造業界で働いて苦労したこと
— 逆に、これまで苦労したことや、もしあればどうやって乗り越えたのかもお聞かせいただけますか?
Kさん:慣れない作業や、人によっては習熟してもできない作業もあったりしますね。自分は当てはまらなかったですが、年齢が高めの人だと視力の問題や手の震えなどで作業ができないということもあります。
極論言ってしまえば、いつまでもできる仕事ではないのかなと。
— 歳を重ねることからは逃れられないですもんね・・・そこはこの先どうするかなど考えられているのでしょうか?
Kさん:今の会社ですと、派遣の期間が満了した後に直雇用になれる制度があるので、そうすると仕事の内容も組立という実務から管理業務の方になっていくので、ゆくゆくはそちらの方にシフトできればなと考えています。
— 現場で実業務を行うというところから管理職へのキャリアチェンジを目指されているんですね。
今後の目標と、製造業界で働く人へのアドバイス
— 今後の目標があれば教えてください。
Kさん:目標はやっぱり正社員雇用ですね。自分の年齢を考えると他の仕事に転職してということもハードルが高いと感じていますし。
— またイチから仕事を覚えるのは大変ですもんね。それでは最後になりますが、これから製造業で働く人・働きたい人へメッセージやアドバイスなどあればお願いします!
Kさん:今回の転職で気づいたのですが、同じ工場の仕事でも給与面が時期によって差があるんですよ。
時代にマッチした仕事を探していくと、求人数も多かったり、時給が高かったり。例え家から近かったとしても、求人数が少ない業界だったりすると、せっかく仕事を覚えたのに切られてしまうともったいないので。
なので時代の流れを考えながら仕事探しをするのが良いのかなと。
— 今求められているものが何か、需要が高いものは何かを考えながらお仕事を探すということですね。
Kさん:そうですね。あとは派遣の場合はやっぱり担当者とどれだけ密に連絡が取れるかも大事ですね。
まとめ
製造業界でのお仕事は休みが不定期という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、固定でお休みが決まっている企業も少なくありません。
プライベートな時間もしっかり確保したいという方も働きやすい工場のお仕事もありますよ!
また、Kさんのアドバイスにあった「時代にマッチした仕事探し」という観点は長く続ける上で大事なことだなと感じました。
今後も実際に働いている方々の声を伝えて、製造業の魅力を発信していきます!
制作:工場タイムズ編集部