はじめまして、工場タイムズの運用メンバーTと申します。
突然始まった「気になる製品を調査してみた」という企画。
記念すべきかどうかはさておき、第1弾の担当を任されてしまった。
そもそも事の発端はある日の会議だった。
議題についての話し合いが終わり、予定より時間が余ったので軽い雑談タイムへと突入した。画像生成AIでイケメンを創出することに精を出すNさんのオタ活事情であったり、姉妹サイト「工場ワークス」のTwitterキャンペーンとして肉をばら撒くKさんの恋愛事情だったり、各々プライベートを存分に楽しんでいるのが伝わり微笑ましかった。
が、ボス(編集長)が休日にカップヌードルミュージアムに行ったという話が出て様子が変わる。
ボス「久々にそういう施設に行ったんだけど、音声ガイドがスマホのアプリでびっくりしたんだよね」
N「そうなんですか??私もそんなに行く機会ないから知らなかった〜」
K「機材を用意する必要がなくなるから結果的にコスパは良いんですかね?」
さっきまでの女子会ランチタイムみたいな空気感が薄れ(そもそもアラサーおじさんの自分がその場にいる時点で女子会ではないのだが)、仕事モードへと軌道修正される。会議終了の予定時刻まで残り5分。このタイミングで仕事モードにならなくても。
ボスは僕をチラッと見た。僕は必死に気づかないふりをしたが手遅れだった。
ボス「Tくん、気になるから調べてみてよ。記事にしたら面白そうじゃん」
T「え、僕ですか?」
抱えている案件がいくつかあった。ボスだって知ってるはずである。しかしボスは綺麗な眼(まなこ)で僕を見つめて顔を縦に振る。そんな余裕ないよ・・・と冬空の下で凍える子犬のような目で見つめ返してみたが、ボスは「じゃあ今日の会議はこれにて終了〜みんな今週もよろしくね」と爽やかな笑顔と共に会議室を後にするのであった。
一瞬、時が止まる僕。時間差でNさんやKさんに「助けて・・・」と目で訴えてみたが、「ドンマイ」と肩を叩かれて終わる。
無駄に長い経緯説明になってしまったが、そんなわけで始まった本企画。最後までお付き合いいただけますと幸いです。
とりあえず調べてみよう「教えてGoogle先生」
とにもかくにも調べないと話は進まない。きっかけはボスが足を運んだ「カップヌードルミュージアム」。そもそも僕はカップヌードルがそんな施設を構えていたことを存じ上げなかった。
わからないことはGoogle先生に聞こう。サジェストを見る限りボスは横浜に行ったようだ。
当たり前だが、検索結果の一番上に公式サイトと思われるページが表示される。サイトへ移動して下の方にスクロールすると「設備・サービス」というリンクがあった。クリックすると音声ガイドの説明が記されており、アプリの名前が判明した。
「CUPNOODLES MUSEUM YOKOHAMA」
いや、まぁそれはそうなのだ。わけわからない名前が付いていたらどうしようかと思っていた。
ひとまず私物のiPhoneにアプリをインストールしてみる。どうやら施設の該当箇所に行くと位置情報を取得して音声が流れる仕組みのようだ。あとは施設のインフォメーションとフロアガイドもアプリ上で確認ができた。自分のスマホだけで完結できるのは便利なのかもしれない。
しかし、これだけで記事にするのは流石に薄い。
お前誰だ?新顔「MUSENAVI」
「アプリの販売元を確認してみるか」と再びアプリストアを覗いてみる。
販売元:NISSIN FOODS HOLDINGS CO.,LTD.
そうですか。そうですよね。予想通りと言えば予想通りなのだが、公式(日清さん)が出してるんだから公式に決まっているのだ。どうしたものか。ひとまずアプリ名でGoogle先生に聞いてみる。
すると検索結果の2番目に「MUSENAVI」という新顔が現れたではないか。ひとまずサイトへ飛んでみる。
アプリのダウンロード、ご利用方法・・・特に新情報はなさそうである。「そもそもこのサイトは何なのか」と思いながら下までスクロールすると
アプリに関するお問い合わせ先として日清ではない会社の名前があるではないか!
ひとまずリンクが貼られていた「ピープルソフトウェア株式会社」のサイトを覗いてみる。どうやらアプリ開発を行っている会社のようだ。
サービス一覧の中に先ほど見ていた「MUSENAVI」の名前が。この会社のサイトだったようだ。
導入実績を見る限り、かなり幅広く手がけていた。僕も行ったことのある「角川武蔵野ミュージアム」の名前もあり勝手に親近感が湧く。「CUPNOODLES MUSEUM YOKOHAMA」のアプリもこの会社のサービスを利用して制作されたようだ。
問題はここからである。個人で調べる分にはここまでの情報をボスに共有して終わりで済む。しかし、今回はこれを記事にしなくてはならない。今のところひたすらググった話をして終わりそうである。
やはり話を聞かせてもらうしか・・・
アプリを導入するわけでもない上に、知名度のないメディアサイトから質問させてくださいなどと言って答えてもらえるのだろうか。不安でしかないがこのまま初稿を提出したら確実にボツ。「お願いしますご担当者様」と神に祈る気持ちで問い合わせフォームから連絡を送る。
数日後、メールボックスを開くとそこにはピープルソフトウェア株式会社の方からの連絡が!
そこから何度かやり取りをさせていただき、オンラインで取材させてもらえることになりました。これでボスに叱られずにすみそうです。
MUSENAVIの担当者様にインタビュー
今回お話を伺わせていただいたのは、ピープルソフトウェア株式会社の営業グループに所属されている田中様。問い合わせ内容に目を通してくださり本当にありがとうございます(心の中では土下座しています)。
T:今回はお時間いただきまして、本当にありがとうございます!
田中様:いえいえ、こちらこそお問い合わせいただきましてありがとうございます。
T:アプリ導入の問い合わせではなく恐縮ですが、今回は御社の音声ガイドアプリ「MUSENAVI」について伺わせてもらえればと思います。
田中様:はい、よろしくお願いします。
T:お恥ずかしい話、僕自身は美術館などに馴染みがなくて、音声ガイドは御社のサービスのようなアプリが主流になってきているのでしょうか?
田中様:従来の貸出機では、管理や清掃の手間、紛失などのリスクがありました。その為、老朽化などによる入替のタイミングで、来館者の多くが持っているスマートフォンを活用する動きが主流になっていました。また、コロナ禍において、使い回しによる衛生面の懸念からアプリ化への移行が加速した印象があります。
T:なるほど。コロナ禍の影響も大きかったんですね。
田中様:そうですね。更にアプリにすることで、これまで来館者に音声でしか案内できなかったことが、画像や動画、音声テロップなどを使うことで、より幅広い人に、より分かりやすい方法で伝えることができるようになります。
また、アプリならではのプッシュ型の情報発信を活用することで、リピーターの創出にもつなげることができます。
T:アプリ化によってこれまでの音声ガイドができなかったことも実現しているんですね。
御社は様々なアプリを手がけているようですが、音声ガイドを制作しようと思ったきっかけは何でしょうか?
田中様:元々は既にお付き合いのあった企業が運営している施設への提案として開発しました。そこから他の施設にも提案を行うようになり、導入していただける施設が増えていきました。
T:そういった経緯だったんですね。
おそらく競合もいるかと思いますが、御社の「MUSENAVI」ならではの強みを教えていただけますでしょうか?
田中様:大きく分けると4つあります。
1つ目は、施設ごとにオリジナルアプリを作ることで、ブランディングに貢献できることです。
2つ目は、音声だけではなく、画像やキャプション、音声テロップなどの豊富な解説コンテンツが使えるだけでなく、館内マップやお知らせのプッシュ通知など、施設のトータルアプリとして運用できることです。
3つ目は、オフライン再生に対応し、Wi-Fiの工事をしなくても館内で安定したサービスの提供ができることです。
そして4つ目は、管理画面から簡単に解説コンテンツの修正ができるため、お客様自身でも運用しやすいことです。
T:導入した後は自社で簡単に運用できるのは良いですね!
制作におけるお話も伺えたらなと思うのですが、音声ガイドアプリをリリースするにあたって苦労したことや印象的なエピソードがあれば教えてください。
田中様:リリース当初は、せっかくアプリを導入するのであれば音声ガイド以外の様々な機能があった方が良いだろうと考え、多くの機能を提案していましたが、お客様が求めるのはシンプルな音声ガイドである事が多く、機能を削減して導入したことがあります。
しかし最近ではスマホも普及し、多機能なアプリも増えているため、音声ガイドアプリに求められる機能も増えてきています。
T:充実した機能よりも使いやすいシンプルなものが求められていたんですね。
機能の話が出ましたが、最後にお話しできる範囲で結構ですので、今後検討している機能などがあればお聞かせください。
田中様:お客様から意見をいただき毎年機能追加を行っていますが、今後はスタンプラリーやクーポンなど、来館者に楽しんでいただける機能が追加できればと思っています。
T:スタンプラリーは楽しそうです!
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
どうにかまとまった(?)シリーズ第1弾
ボスの素朴な疑問から始まった本企画。ピープルソフトウェア株式会社様の協力がなければ凄まじく薄っぺらい記事と化したであろう。本当にギリギリ首の皮が繋がったという気持ちである。問い合わせのご回答をいただくまで、正直に言えば胃の調子が悪かった。心なしか痩せた気もする。
記事を執筆し、ボスへ献上。どうやら満足してもらえたようでホッとした。
個人的な話をさせてもらうと、これまでは貸出機を利用するイメージもあり、お金をケチって音声ガイドを使ってこなかった。しかし、アプリだと手軽に利用できそうなので、これを機に今後は積極的に利用することをここに誓います。
それでは第2弾でまたお会いしましょう。ないかもしれないけども。
制作:工場タイムズ編集部
取材協力:ピープルソフトウェア株式会社(https://pscsrv.co.jp/)