車や飛行機 などの大きなものから、時計や医療用注射針などの小物まで私たちの身の回りのモノは、いろいろな部品が組み合わせてつくられています。そのため工場では、部品をつくる仕事はもちろん、それらを組み合わせる仕事もあります。
求人サイトなどでは「組立・組付け」と別々の表記がされていますが、これらに違いはあるのでしょうか。また、どんな仕事内容なのでしょうか。
組立工とは?
求人サイトなどで見かける「組立・組付け」の表記。作業は多少の違いはありますが、ほとんど同じ仕事と考えて大丈夫。どちらも、機械の部品を組立図面通りに組立てたり、組付けたりする仕事です。この仕事をする人を「組立工」と呼んだりします。
組立工がつくりあげるモノはたくさんあります。例えば、工業用ミシン、パチンコ機、医療に使用する小物、内視鏡パーツ、カメラ、時計など、このような機械の組立て作業に組立工は関わっているのです。組立工のうちの一つに、自動車組立工 という仕事があります。車のフレームや、ドア、ハンドル、イスなど、必要な部品を組立てたり、組付けたりすることで、一つの車をつくっていきます。また、これら部品のことをユニットといいます。
基本的に、組立工になるための必要な資格はありません。条件や制限などが非常に少なく、未経験者でもできる仕事です。もし資格が必要となるケースでも、会社がサポートしてくれるでしょう。資格習得のために、研修や訓練を行っている会社もあります。そのため、異業種からの転職もしやすいです。
また、組立工はレーン作業になることがあります。とくに、大量生産をしている大きな工場では、レーン作業の場合が多いです。レーン作業では、ベルトコンベアに乗って流れてきたユニットを次々と組立・組付けしていくことになります。
組立工の仕事内容は?
組立工の仕事は、先ほどもご説明したとおり、効率よく製品をつくるためにレーン作業となっていることがほとんどです。どのユニットのレーンに配属されるのかは、働く人の技術レベルによって決まります。
組立・組付けは、ひとつづきのレーンでの作業なのでまとめて呼ばれることが多いです。でも、それぞれの作業内容は少し違います。組立はユニットを生産していく過程のこと。組付けは、できあがったユニットを骨組や柱などに取り付けていくことです。例えば、自動車組立工の場合、ハンドルを生産する過程は組立。ハンドルを車体に取り付ける作業は組付けに含まれます。
また、職場によっては、組立をしながら組付けをする場合もあります。なので、求人情報の仕事内容の記載は、組立・組付けとまとめて表記したり、どちらかだけになっていたりします。仕事内容を詳しく確認したい場合は、求人情報元に確認するといいでしょう。
組立工の魅力
では、そんな組立工の魅力とはどんなところでしょうか。
モノづくりの楽しさを味わえる
組立工の仕事は「モノづくりを実感しやすい」という特徴があります。モノをつくるためには、まず製品の設計をし、そのために必要な部品がつくられます。それらを組立・組付けすることで、製品に近づけていくのが組立工の仕事です。組立工は製品ができていく 過程に関わることができるため、モノづくりの楽しさが実感しやすいでしょう。
機械の仕組みを知ることができる
組立・組付けの仕事は、いろんな部品を使って一つの製品をつくりあげる作業です。そのため「どのような部品が使われているのか」「どのように動いているのか」など、製品の仕組みを知ることができます。例えば、カメラや時計であれば、1ミリ以下の小さな部品や、ガラス部品、電気部品などを使って製品をつくりあげます。このように、組立工になれば、普段なかなか見ることのできない機械の内側を知ることができるでしょう。
まとめ
組立工の仕事をご理解いただけたでしょうか。組立・組付けの仕事をしている組立工。組立、組付けの細かい違いはありますが、たくさんの部品を合わせて、一つの製品をつくるための仕事という意味ではほとんど同じです。日々の業務の積み重ねと経験が正当に評価されやすい環境は用意されています。働く人のがんばり次第で、周りの人にも認めてもらえる環境といえるでしょう。
制作:工場タイムズ編集部