コンビニや自動販売機で何気なく購入する飲み物。その容器にはペットボトルがよく使われています。
ペットボトルといえば日常的に目に触れる機会の多い、非常に身近なものですが、そもそもどんな素材で、どのように作られているのか気にしたことはありますか?
今回は、私たちの生活に欠かせないペットボトルの「知って得する!基礎知識」についてご紹介します。
そもそも「ペットボトル」って何?
ドリンク類といえば、昔は缶や瓶に入っていましたが、いつの間にか主流はペットボトルに変わっていました。では、ペットボトルとはそもそも何でしょうか?
何からできている?
ペットボトルはプラスチックと同じ原料から作られています。正確には、ポリエステルの一種である「ポリエチレンテレフタラート」(Poly Ethylene Terephthalate)です。この英語表記の頭文字をとって「ペット(PET)」ボトルと呼ばれているのです。ポリエチレンテレフタラートは石油を原材料にしていて、ペットボトルのほかにもワイシャツや食品包装のフィルムなど、幅広い用途で利用されています。ちなみに英語ではペットボトルとはあまり言わず、代わりに「プラスチック・ボトル」と呼ぶのが一般的です。
ペットボトルのもたらした影響
ペットボトルの登場で、私たちの生活が便利になりました。外出時にドリンク類を手軽に持ち運べるようになったのがその代表例です。ペットボトルが登場する前、ドリンク類は瓶や缶に詰められていました。
しかし、瓶の場合、持ち運ぶのに少し重量感がありますし、割れやすいという難点があります。また、缶入りのドリンク類については現在もコーヒーを中心に販売されていますが、いったん口を開けてしまうと閉じることができず、全部飲み干さなければならないというデメリットがあります。
これに対し、ペットボトルはフタを閉められるため、その場で全部飲めなくても、バッグや冷蔵庫の中に保管しておけます。さらに外気から中身を守れるため、細菌やゴミなどが入ってきにくく、衛生的である点も大きなメリットです。
ペットボトルはどうやってつくられる?
次にペットボトルが工場でどう作られるのか、その製造工程をお伝えします。
樹脂を溶かして金型に流し込む
まず、樹脂を溶かして金型に流し込むことでペットボトルの原型をつくります。それを冷却して固まった原型のことを「プリフォーム」といいます。
加熱して、ボトル形の金型へ入れる
プリフォームが出来上がったところで、100度くらいまで加熱して、ボトル用の金型に入れます。その後、棒を使ってプリフォームを縦方向に伸ばしていき、さらに高圧の空気を利用して横方向にプリフォームを膨らませます。ちなみにこのような成形方法を業界では、「二軸延伸ブロー成形法」と呼んでいます。
冷却して取り出す
上記の工程を踏むことでペットボトルの形状になりますので、これを冷却して固めます。金型を開いてペットボトルを取り出せば完成です。
何が違う? ペットボトルの形が違う理由
ペットボトルの形には意味があります。形状の違いについてお伝えします。
炭酸用
炭酸飲料には外周が丸い形のペットボトルが使われます。炭酸飲料を入れると炭酸ガスの圧力が内部からペットボトルに向かってかかりますが、丸い形なら圧力が均等にかかるため、ペットボトルが変形しにくいという性質を利用しています。
耐熱用
高温殺菌された飲み物を入れるためのペットボトルです。ホットのお茶やコーヒーだけでなく、野菜ジュースや果汁飲料、スポーツドリンク、乳酸菌飲料についても、最初に高温殺菌されてから冷却されています。形状は主に角形で、厚みのあるペットボトルが使われています。
特徴は、胴部に四角い凹凸が付いている点です。これは高温で入れた飲み物が冷えたときに起こる凹みを防ぐ目的があります。飲み口のところが白くなっているものが耐熱用ペットボトルです。
無菌充填用
ミネラルウォーターやお茶の容器に使われています。炭酸を使っておらず、常温で充填(じゅうてん)しますから、薄くて軽い材質で作られています。持ち運びが楽で、飲み終わった後、簡単につぶせるのが特徴です。
ありふれた存在…でも優れたペットボトル
すっかりありふれた存在になっているペットボトルですが、軽くて持ち運びやすく、フタが閉じられるなど優れた特徴をいくつも持っています。瓶や缶に代わるものとして登場したときには、画期的な製品として注目を集めました。現在では2Lの大きなサイズからミニボトルまで、さまざまな形状のものがスーパーやコンビニで販売されています。
ペットボトルはリサイクル製品で、何度でも再利用できますから、地球にやさしいエコ製品です。また、ただ捨てるだけでなく、ペットボトルを使って、おもちゃやアクセサリーなどの工作にも使えます。興味がある人は、ペットボトルの活用法を調べてみると面白いでしょう。
制作:工場タイムズ編集部