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アーク溶接 資格

アーク溶接に必要な資格とは? 費用や日数、講義内容を知りたい!

2019/04/10公開 / 2023/09/15更新

アーク溶接の基礎知識

アーク溶接に関わる業務へ就きたいと考えている方は、まずアーク溶接の基礎知識を知っておきましょう。

そもそも溶接とは

溶接とは、「ふたつの別々の物質を溶かして結合させる方法」を指し、そのなかの1種類として存在するのがアーク溶接です。またアーク溶接としては、さらにいくつかの細かい種類に分類されます。

溶接の種類

溶接は大きく分けると「融接」「圧接」「ろう接」の3種類に分かれます。

1. 融接

接合させる部分に熱を加えることで溶かして結合させる方法です。接合部だけを溶かす方法と、別の材質を使用して溶かしたものを利用するケースのどちらも含まれます。今回詳しくご紹介するアーク溶接は「融接」の1種です。他には「電子ビーム溶接」「レーザー溶接」などがあります。

2. 圧接

接合させる部分同士を加熱と圧力により結合させる方法のことです。「ガス圧接」や「摩擦圧接」「爆発圧接」などがあります。

3. ろう接

接合する部分を溶かすのではなく、別の材質を溶かして接合部分の隙間に流れるようにして固める接合方法です。ろう材をもちいて行う「ろう付け」や、一般の人でも使うことのある「はんだ付け」などがあります。

アーク溶接の仕組み

融接方法のひとつであるアーク溶接は、現代の溶接のなかでも主流とされている溶接技術です。そのため、ポリテクセンターなど公的な機関で学べる場所も増えてきています。

アークとは「火花を連続して発生させることで高温状態を維持すること」を指し、電位に差があるふたつの物質を接触させてから離すと火花が発生するため、この火花を途切れないような距離を保つことで、5,000度以上もの温度を維持することが可能です。この高温でさまざまな金属を結合させることができるようになります。

アーク溶接では「溶接棒」という部品を用います。アークを発生させることに加え、保護ガスを発生させるなど、溶接効率を高める材質が使われているのが特徴です。電極を通じて、アーク溶接機に挟んだ溶接棒や溶接する金属で電極差を発生させます。この電極の材料となったものが消耗するかどうかで大きく2種類に分けられています。

消耗式

溶接棒などの電極材料が直接結合するための素材として消費されていくタイプです。種類として「被覆アーク溶接」「炭酸ガスアーク溶接」「マグ溶接」「ミグ溶接」などがあります。

非消耗式

溶接棒にあたるものと電極部分が異なるタイプです。種類として「ティグ溶接」「プラズマ溶接」などがあります。

アーク溶接の仕事内容

アーク溶接は多くの金属を扱うことができ、技術を身につければ就職の幅を大きく広げることができます。金属加工を扱う企業や業種であればほぼ必要とされる業務となり、例として下記のような勤務先があります。

自動車メーカー、修理工場

自動車部品などの製造、修理の際にアーク溶接を行います。部品を製造する工程では素材を切断し、形を曲げた後に接合して最終的に塗装という順になっているため、アーク溶接作業は必須となります。

造船業

船体も銅船であれば、その製造方法のほとんどが溶接によって作られています。製造している製品の規模が企業によっては数百mに渡るなど、アーク溶接を使用する業種のなかでもかなり大きな部類です。

建設業

土木作業や工務店なども含め、建設業会でも溶接は幅広く活躍します。また建設業では特定条件で国より経費の一部が助成される制度である「建設事業主等に対する助成金」のなかにアーク溶接特別教育が含まれているため、自己費用負担が軽くなるケースもあります。

その他鉄工所、加工業など

上記の業種にとどまらず、業務内容として鉄鋼などの加工を扱っているのであれば、アーク溶接は多くの場面で使用することになるでしょう。企業内で溶断やアーク溶接機といった設備をもっている場合、大手メーカーだけでなく中小企業の工場でも必要とされる作業になるため、即戦力として活躍できるケースが幅広くなります。

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アーク溶接のメリット・デメリット

アーク溶接の技術のメリットとデメリットは次のとおりです。

アーク溶接のメリット

アーク溶接は、使用する設備構造が他の溶接方法と比較すると簡単なため、機器自体も小型で安価に購入することができます。ホームセンターなどでも器具を購入することが可能です。

また構造が簡単でありながら、接合部分は高温度で溶かされた後に溶接棒の素材と一体化するため強度が高いです。接合部分の構造も簡素化されており、気密性や水密製に優れています。接合材質の厚さによる制約がほとんどないことも特徴です。

またガスを使用しないアーク溶接であれば風の影響を受けないため、野外でも作業を行うことができます

アーク溶接のデメリット

溶接棒を溶かした金属が新たに生まれることとなるため、接合させる材質に他の物質を加えたくない作業には向いていません。また、接合材質自体も一緒に溶かすことになるため、部分的に変形、変質することがあります。

仕上がり後の外見が本来の材質と変わってしまう部分があるため、見た目が重視される面の作業には向いていません。また溶接度合いが良好かどうかを外見で判断するのが難しいため、仕上がりには溶接技術の個人差が影響してしまうという部分もあります。

また、アーク溶接は「ヒューム」という溶けた金属が蒸気中で冷却された有害な物質を発生する作業になるため、作業時の対策をとらなければいけません。これは労働基準法から分離した労働安全衛生法の労働安全衛生規則でも定められており、作業者は特別教育を済ませておく必要があります。

アーク溶接に必要な資格

アーク溶接作業に必要なのは「アーク溶接作業者」という名前の国家資格と一般的に考えられていますが、厳密には資格ではなく「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受講するだけです。けれど修了証なども取得することができるので、資格と同等に考えることができます。

アーク溶接等の業務に係る特別教育の修了が必要

費用

アーク溶接の特別教育は商工会議所や一般企業、公的機関などで実施しており、金額は受講を受ける場所で異なります。目安としては、テキスト代含め消費税込みで10,000円から25,000円であるのが一般的です。

日数

アーク溶接の特別教育は合計で11時間の学科と10時間の実技を受講することで修了となります。日数としては学科のみであれば1日半実技も加えると3日間の日数で講習が完了します。

講義内容

アーク溶接の学科では、以下3つの知識と労働安全衛生法をはじめとした関係法令を学ぶことになります。

1. アーク溶接等に関する知識
2. アーク溶接装置に関する基礎知識
3. アーク溶接等の作業方法に関する基礎知識
4. 関係法令

そして実技では、アーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法についての講習を受けます。

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アーク溶接は特別教育を受講すれば取得できる!

アーク溶接とは、ふたつの金属を接合させる溶接技術のなかでももっとも多く使われている手法だとご紹介しました。そしてアーク溶接作業者は資格ではありませんが、特別教育を受けなければ業務につくことができません。

修了証を取得しておくことで、鉄工所や製造メーカーなど活躍できる場が広がります。特別教育も1日半から3日で終わり、費用も3万円ほどで受けることが可能なので、工場勤務を希望しているのであれば受けておくといいでしょう。

制作:工場タイムズ編集部

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